スマートフォン版へ

チューリップ賞

  • 2003年03月07日(金) 12時29分
 チューリップ賞が重賞に格上げされたのは94年アグネスパレードの年。なぜ、重賞になったのか。それまでにも阪神1600mのチューリップ賞はあり、87年マックスビューティ、90年アグネスフローラ=ケリーバッグ、91年シスタートウショウ、92年ニシノフラワー=アドラーブルなど、桜花賞のステップとしてあまりにも重要なレースであることが衆目の認めるところとなったからだ。

 86年の桜花賞でメジロラモーヌの2着にチューリップ賞2着の伏兵マヤノジョウオが台頭した年から数えて、昨年まで過去17年間。チューリップ賞の出走馬が連対しなかった本番桜花賞は、シャダイカグラの89年、ファイトガリバーの96年、そしてアローキャリーの昨02年。たった3回しかない。

 8割方、桜花賞ではチューリップ賞組が連対することになっている。

 00年のチアズグレイスだけが、チューリップ賞10着から巻き返したが、チューリップ賞が極悪の不良馬場で1番人気に応えられなかっただけ。ほかはみんなこのチューリップ賞で悪くても3〜4着まで。0.4秒差ぐらいまでに接戦した馬が、桜花賞の「鍵をにぎる馬」になる。

 今年、全体の基準になりそうなのは9番シーイズトウショウ。ピーズオブワールドと2度も接戦、他馬と対戦してもまず崩れていない。この馬を能力の基準馬としよう。

 とすると、わずか2戦目の前走、これを問題にせず、上がり34.3−推定11.2秒前後で一気に差し切った6番スティルインラブはきわめて有力。まだ無理をしていない。いま全盛のヘイルトゥリーズンの血量(3×3)。非力なサンデーではなく、かなりパワーも秘める産駒だろう。10番オースミハルカも2走前にシーイズに勝っている。立て直し、ここを目標にアンカツ。好勝負だろう。怖いのは小倉2000mの内容が光る14番シェリール。1600mの方が合う可能性もある。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング