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グランダム・ジャパン3歳シーズンを終えて

  • 2012年06月15日(金) 18時00分
 6月13日に行われた関東オークスは、船橋のアスカリーブルが完勝という内容で、南関東牝馬二冠を達成。そしてこれが最終戦となったグランダム・ジャパン3歳シーズンは、兵庫のメイレディが2ポイント差でアスカリーブルを振り切って優勝。さらに2ポイント差で笠松のマーメイドジャンプが3位という結果となった。

 単に馬の実力ということであれば、南関東で二冠を制し、しかもそのひとつがダートグレードだったというアスカリーブルが抜けているのは確かで、それが優勝とならないのはおかしいと感じる人もいるかもしれない。しかし、こうした指定レースのうち何戦かに出走してポイント制で優勝を争うような場合、必ずしも馬の実力が総合順位とは一致しないというのはしかたない面もある。

 そもそもグランダム・ジャパンは地方競馬全体で牝馬のレースを盛り上げるという趣旨なのだから、南関東の賞金の高いレースをピンポイントで勝つよりも、多くのレースを転戦してポイントを稼いだ馬のほうに優勝のチャンスがあっていい。

 そういう意味では、以前にも指摘していることだが、ポイントが低く設定されているとはいえ、南関東所属馬しか出走できない東京プリンセス賞が対象レースになっているのはどうなのだろう。対象レースはすべて全国交流にするか、そうでなければ地区ごとにひとつずつでも限定の対象レースを設定すべきだと思う。

 あとはこれも以前に指摘したことの繰り返しになるのだが、秋に行われる「2歳シーズン」は必要だろうか。デビューして間もない2歳馬は、よほどの素質馬でもない限り地元の重賞を目指すのが精一杯で、ポイント制で優勝を争うといっても偶然に左右されることが多いように思う。

 昨年の2歳シーズンでも、対象レースで1勝もしておらず、しかも地元南関東のレースしか出走していないショコラヴェリーヌが優勝となり、3歳シーズンや古馬シーズンと比べても、今ひとつ盛り上がりに欠けたような印象がある。

 ならばいっそのこと、2歳シーズンを廃止して、そのぶん3歳シーズンの賞金を増額してはどうだろう。今以上に遠征が活発になって盛り上がると思うのだが。

 グランダム・ジャパンは、生産地対策として牝馬のレースを盛り上げるというのは、目の付けどころが非常に良かったと思うし、実際に地方競馬の中でもダービーウイークなどとともに、全国的に注目を集めるシリーズになっていると思う。さらに盛り上げるためにも、同じルールのまま続けるのではなく、改善点はまだまだあると思う。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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