弥生賞がステップレースの中で、もっとも重要なのは、牝馬のチューリップ賞と同じ。皐月賞と同じ2000m、同じコース、斤量が1キロ軽いだけ。エース格がみえてくる。
最有力と思えるザッツザプレンティに、弥生賞男[3-4-0-0]の武豊騎手が乗ってきた。本番を前に弥生賞では試し乗りをすることが多いが、それでこの好成績なのだから、中山2000mはもっとも流儀に合うのだろう。
ところで、武豊騎手は本番でもザッツザプレンティに乗るのだろうか。あくまで個人的な推測だが、ほかにサイレントディール、リンカーンがいて、みんな有力馬。
決定は武豊騎手の希望と、厩舎やオーナーの希望がもつれるように絡み合い、そうそう簡単に一番乗りたい馬に落ち着くとも限らない面もある。この馬は社台レースホースの所属馬。オーナー間の微妙なバランスからすると、勝手な推測でしかられそうだが、本番でもこの馬に乗る可能性は、3分の1より少ない気がする(勝手な推測)。
とすると、ここは一戦必勝のピンチヒッターである公算が大きく、いきなり最後方に控えたり、一転、逃げたりの、本番に向けてのテーマを重視した戦法はとらないだろう。
この馬、サンデー系に、ミスプロ系のミスワキの配合で、サイレンススズカに近い自在のスピードを持っているともいえる。差し一手のことが多いダンスインザダーク産駒にしては、先行力があるのがその証拠だ。
G1を(57秒4−36秒1)という価値ある中身で勝っているエイシンチャンプが一番の強敵だが、もうなだめて控えてもダメなマイネルモルゲンは逃げてマイペースに持ち込みたいと考えるかもしれない。そうなると単騎だけに怖い。気難しさを出し、前走はまるでレースをしていないマジックボーイも、前々走の2分1秒4だけ走ると、ここでもまったく差はないはずだ。