遺伝力の確かなサンデー系は、過去にアドマイヤマックス、オレハマッテルゼ、エイシンサンディ、ゴールドヘイローといった意外な成功種牡馬を数多く出している。競走成績にかかわらず、一律に可能性を秘めていると考えていい。
今年のサンデー系は7頭いるが、このうちGI勝ち馬は、高松宮記念を勝ったスズカフェニックスのみ。あとはアドマイヤメイン、ブラックタイド、サイレントディール、クワイエットデイらのGII、GIII勝ち馬と、重賞勝ちのない良血馬というラインナップだ。
ただ、すでにサンデー系はだぶつき気味。並みのGIを一つ勝ったぐらいでは、配合牝馬の質、数に恵まれない。それ以下の競走成績だと、種牡馬としての前途はますます厳しい。以前に比べると、成功の確率は下がっている。
スズカフェニックスの母ローズオブスズカの兄弟には、ドクターデヴィアス(英ダービー)、シンコウキング(高松宮杯)がいる。母系は世界有数の名牝系で、サンデーはこの手の名牝系を蘇生させるのが得意。短距離に限定された血統構成ではなく、中長距離馬も期待できる。
ブラックタイドはスプリングSの優勝馬。GI勝ちはないが、全弟に三冠馬にして成功種牡馬のディープインパクトがいる。この手の全兄弟は、一律に可能性を秘めるのが魅力だ。今年の新種牡馬ではダークホース的な存在だろう。
アドマイヤメインは青葉賞を勝ち、ダービー2着、菊花賞3着。GIは勝てなかったが、母系は世界的な名牝系で可能性を秘めている。ただ種牡馬入りの翌年、南アフリカに売られてしまった。
サイレントディールは芝のシンザン記念、ダートの武蔵野Sを勝った万能ホースだ。こちらも母系は世界的な名牝系で、全姉にトゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯)がいる。配合牝馬にハンデを抱えるが、掘り出し物の可能性を秘める。
クワイエットデイはダートのGIIIを2勝した馬だ。不振にあえぐ青森の救世主として、ワールドファームで種牡馬入りした。仕上がりは早く、スピード、スタート、コーナリングのセンスが見込める。まずは公営競馬のダートで活躍馬を出すだろう。