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夏の北海道2歳戦線

  • 2012年06月29日(金) 18時00分
 今年は夏のJRA北海道シリーズの日程が短くなった上にスタートも早くなり、昨年より函館2歳S(7月14日)は3週、札幌2歳S(9月1日)は4週も繰り上がって行われる。これにともない、道営ホッカイドウ競馬の2歳馬がJRAに挑戦する路線にもかなり変化があった。

 例年であれば、早い時期にデビューした道営2歳馬は、7月上旬に行われる2歳最初の重賞・栄冠賞から、JRAのラベンダー賞(1、2着)で函館2歳Sの出走権を得るというローテーションだったのが、今年は函館2歳SがJRA北海道シリーズがスタートして3週目に行われることから、2歳オープンのラベンダー賞は休止。道営所属馬は、門別競馬場で行われる6月14日と27日のウィナーズチャレンジ(JRA認定競走勝ち馬のみが出走可能)、28日の栄冠賞、それぞれの1着馬に函館2歳Sの出走権が与えられることとなった。

 14日のウィナーズチャレンジ(1000m)を勝ったのはミータロー(牡、父プリサイスエンド)で、馬主はラブミーチャンでおなじみのDr.コパさん。後方に控え直線を向いたところで馬群をさばいて抜け出し、そして突き放すという、2歳馬離れしたレースぶりだった。

 27日のウィナーズチャレンジ(1700m)を勝ったのはジェネラルグラント(牡、父ロージズインメイ)。ノーザンファームの生産で、馬主はサンデーレーシング。2歳のこの時期にして馬体重はすでに500キロ超、さすがに馬のつくりからして違うという感じだ。

 そして28日の栄冠賞(1200m)を勝ったのはシーギリヤガール(牝、父スターリングローズ)。祖母がダービー卿チャレンジトロフィーを勝ったオギティファニーで、短距離での活躍が期待できそうだ。

 昨年はJRA北海道シリーズで道営所属の2歳馬が1勝も挙げられずという残念な結果に終わったが、さて今年はどうだろう。

 今年、JRAでは北海道シリーズが始まる前の東京・阪神開催から2歳新馬戦がスタートしているが、その最初の開催に出走した馬でも函館2歳Sまでは中5週。昨年は最初の新馬戦から中6週あったため、間隔は短くなっている。

 やはり実戦経験ということでは、ホッカイドウ競馬から出走してくる馬にアドバンテージがありそうだ。加えて今年は門別競馬場にオープンした坂路コースの効果もあるかもしれない。

 地方馬が函館または札幌の2歳Sを制したのは、2007年のハートオブクィーン(函館2歳S)を最後に途絶えているが、今年は期待してもいいのではないか。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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