<7・22 中京2歳S>
中京の開幕週はレコードラッシュ。先週、安田調教師が指摘した「まだ中京芝のクッションはいい」は間違いではないのだろうが、少なくとも時計が出やすい馬場に一変してしまったのは確か。となると最終週(22日)に組まれている中京2歳S(芝1400メートル)はスピードとパワーの両方が要求されるだろう。
注目を集めそうなのは520キロの巨漢馬エーシントップ(牡・西園)。新馬戦(阪神芝内1400メートル)では好スタートを決めると、後続に“おいでおいで”の大楽勝。後方に蹴散らされていく芝の塊を見ても、パワーとスピードが2歳馬離れしているのは一目瞭然だ。
「使った後もテンションが上がることはなかった。前向きになるでもなく、かといってやる気をなくすでもなく。変わらないのがこの馬のいいところ」とは中二助手。
すでに中京2歳Sへ向けての調教も再開。手綱を取る田中助手は「ディアマイベイビー(牝・松田博)が出てきたら怖い」と言っていたが、先週の中京未勝利戦(芝1400メートル)でクビ差2着に惜敗。馬場もマッチしそうな上に、警戒していたライバルがいなくなったとなれば、この馬の首位はもはや不動?
待ったをかけるのは岩元調教師の秘蔵っ子ミヤジタイガ(牡)。「いろいろ選択肢はあったが、中京2歳Sを使うことにした。来年のクラシックを意識している馬。いいレースをしてもらわないと」と鼻息が荒い。
ディアマイベイビーのほかメンバーが揃った新馬戦(阪神芝内1400メートル)を制したこの馬、「まだ良くなる余地が大きい」と和田も将来性に太鼓判を押していた。関西圏では今年最初の2歳オープンとなる中京2歳Sは来春のGI戦線を左右する一戦となるかも。
<7・14 函館2歳S GIII>
一方、14日のGIII函館2歳S(芝1200メートル)を目指して栗東から北へ針路を向けた馬たちも多い。
中でも注目を集めそうなのがラッキーナインやサドンストームの弟にあたるティーハーフ(牡・西浦)。新馬戦(阪神芝内1200メートル)は「追い切りのような競馬」(柳田助手)で楽勝。前評判の高さに応えた。
詰まったローテに加え、北海道への長距離輸送が懸念されるが、「こちらより気温の低いところに連れて行く分には問題ない」と西浦調教師。陣営がデビュー前から函館2歳Sを視野に入れていたのは確かだ。アットウィル(牡・領家)、ジーブラック(牝・清水久)といった函館デビュー組の評判馬との手合わせが楽しみ。
<9・1 札幌2歳S GIII>
最後に松田博厩舎の2歳勝ち上がり1号ラウンドワールド(牡)は先週、北海道の追分ファームリリーバレーに出発した。「札幌ではダート調教になるし、そこであまり無理はできない。それを思えば2回レースを経験して、この先あまり強い調教をしなくてもいいのはプラスだろうな」と松田博調教師。目線はすでにGIII札幌2歳S(芝1800メートル)に向いている。
デビュー戦(阪神芝外1600メートル)で敗れたトーセンパワフル(牡・角居)と再戦となる見込みだが、「こっちはキャリアを積んできたからな。どういうレースになるか楽しみ」とトレーナーはニヤリ。
リベンジか、それとも返り討ちに遭うのか…。少し先になるが9月1日の札幌決戦も今から楽しみだ。
(吉田竜作)
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