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「先生と呼ぶな」某巨匠の警鐘/トレセン発秘話

  • 2012年07月04日(水) 18時00分
「ぼうちゃん」中尾調教師は仲間にこの愛称で呼ばれている。

 先週、坂路小屋で由来は?という話になった。諸説飛び交った後「お坊ちゃんだからじゃないのか」という一応の結論に至ったのだが…当人に聞いてみたところ「よく聞かれるんだけど、オレ自身も小さいころからずっとそう呼ばれていたから、分からない。多分ボーッとしているからかな(笑い)」。

 結局、本人にも意味不明のナゾのニックネームというわけだが、とにもかくにも先週CBC賞(1日)をマジンプロスパーで勝ったトレーナー。今週は各調教師から「ぼうちゃん、おめでとう」と声をかけられることは間違いない。

 愛称とは少し違うが最近、坂路の某巨匠(調教師)が「オレのことはもう先生と呼ぶな。名前で呼べ」と突然言いだした。その意味は…。「今の調教師は、育成(牧場)で仕上げてきた馬を使うだけ。とても先生とは呼べない」というのだ。

「昔は育成なんてなかったから、入ってきた馬をイチから仕上げないといけなかった。それこそ人を乗せるのを嫌がる馬には、砂を入れた袋を乗せて慣れさせるとか、そんなところからスタートしないといけなかった。それが今は育成でしっかり馬をつくってきてくれる。馬を仕上げているのは育成で、調教師はそれを使っているだけ」

 開場以降のノーザンファームしがらきの快進撃を見ても、馬の仕上げに対する育成場の比重は増すばかり。それに伴いトレセンの馬を仕上げる技術は停滞…巨匠の宣言は、この傾向に対する警鐘に聞こえた。

 さて、今週のプロキオンS。「ここに出られないと他に使うレースがないんだ」と陣営が出走枠に入るかどうか気をもんでいたワールドワイドが15番目で出走可能に。これには“橋口弘次郎さん”もホッとしたに違いない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)

※本日は『吉田竜作マル秘週報』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

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