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大レースでの記者会見

  • 2012年07月06日(金) 18時00分
 ファンの方には直接関係ない話で申し訳ないが、7月11日に行われるジャパンダートダービー出走予定の、南関東所属調教師の共同インタビューを行うというリリースが送られて来た。おそらくその映像がさまざまな競馬番組で放映されるであろうことを考えると、ファンに関係ない話でもない。

 昨年、大井のサンタアニタトロフィーに外国馬が出走して、その関係者のインタビューが行われたが、それは初めて地方競馬に国外調教馬が出走するというきわめて特殊なケース。地方競馬の重賞で、レース前にこうした共同インタビューが行われるのは、おそらく初めてではないだろうか。

 JRAではGIともなれば、こうした事前の厩舎関係者インタビューや、レース後の共同会見などは当たり前のように行われている。先日の安田記念ではレース後の共同会見に勝利調教師が現れず、ちょっとした問題になったことはご存知と思う。

 他のメジャースポーツでは、試合後のインタビューを拒否した選手には罰則がある競技もあると聞く。選手自身の言葉で話すことは、ファンのために必要不可欠と考えているということだろう。ならば地方競馬でも、まずはJpnI・GIレースからでもこうしたことをやるべきではないか。

 たとえば南関東のJpnI・GIでも、今のところ勝利騎手・調教師の共同インタビューは行われたことがない。CSの南関東競馬中継がカメラとインタビュアーを出してインタビューを行い、それを新聞の記者やフリーのライターなどが取り囲んで聞き、その流れで囲み取材となる、というのが現状だ。

 何年か前に、スポーツ紙ではない一般紙の記者に、「共同のインタビューをやってくれないと普段の流れを知らないから、これでは話を聞くのが難しい」と言われたが、そのとおりだと思う。

 とりあえずこの秋のJBCからでも、勝利騎手・調教師の共同会見の席を設けることはできないだろうか。

 たしかに難しい面はあると思う。交流重賞で勝つのはJRA勢が多く、レース後すぐの新幹線や飛行機を予約しているという関係者も少なくない。それでも出走関係者に対しては事前に、「勝利騎手・調教師は共同会見の場を設けるので、時間の許す限り協力をお願いしたい」くらいのお知らせはしてもいいだろう。

 JBCの場合は3レースの関係者を最後のレースが終わるまで待たせておくというわけにはいかないだろうから、専用のインタビュールームを設けてレース終了ごとにインタビューを行う。もちろん続けて出走している騎手は調教師は、さらに次のレースが終わってからになるが。

 記者にとってもそのインタビュールームにずっといるわけにはいかないだろうから、主催者が専用のカメラとインタビュアーを用意しておいて収録し、最後のインタビューが終わったあと、その映像はプレスルームなどで繰り返し流すなどすれば、とりあえずレースに集中したい記者にとっても助かるだろう。

 実現できる範囲で、地方競馬でも大レースでは共同会見をやってみませんか。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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