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服部師の持論「馬は値段じゃない」/トレセン発秘話

  • 2012年07月11日(水) 18時00分
 セレクトセールが開催中の10日朝の栗東トレセン。例年通り“一年で最も調教師が少ない火曜日”となったが、そんな閑散とした調教師スタンドで一人、報道陣を前に万歳ポーズをしていた笑顔のトレーナーがいた。

「レース10日前に北海道に連れていく形になったけど、当日馬を見たらすごく良かったからこれなら、と思っていた。もし勝てなければ秋はあきらめるつもりだった。これで目標に一歩近づいた感じやね」

 8日の函館・北海ハンデキャップ(1000万下)をユウキソルジャーで勝った服部調教師だ。

 なんでも開業して14年、菊花賞を使ったことがなく、それを目指しての意欲の北上が先週のレースだったという。3歳馬がレース10日前に栗東から北海道まで長距離輸送してレースに臨むというのはある種の賭け。そのギャンブルに服部師はきっちり勝ったというのだから強運だ。

 さてこの服部調教師。今朝の栗東にいたことから、セレクトセールとは関係ないように見えるが、そうでもない。実はユウキソルジャーの父が02年セレクトセールで当時の当歳世界最高額=3億3500万円で競り落とされ話題となったトーセンダンスなのだ。

「え? セリでそんな高い馬やったんか。種付け料は30万やったで(笑い)。今、中央で走っている産駒も数えるぐらいしかおらんやろ。ウチのは母父もオースミタイクーンと地味。それでもこれだけ走ってくれるんやから馬は値段じゃない」

 父は現役時代1戦0勝で引退。価格に見合った活躍は見せられなかったが、良血の“二次利用”で秋の菊花賞を目指すユウキソルジャーが父の名をよみがえらせる? 次のターゲットを神戸新聞杯に定めた同馬の今後に期待したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)

※本日は『吉田竜作マル秘週報』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

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