「ザッツPOG」でもおなじみのBS11競馬中継ディレクター・美野真一さんと今年、某イベントで顔を合わせた。その時に言っていたのが「今年の西園さんのところは揃っているよね」。
確かに西園調教師に2歳馬の取材をした時も相当な手応えを感じ取れたが、馬産地や育成場を端から端まで巡った上に、客観的な評価ができる人がここまで言うのはなかなかない。
先週も紹介した通り、次週の中京2歳S(22日=芝1400メートル)で有力候補に挙げられているのがエーシントップ(牡)。「できるだけ強い馬にいい状態で出てきてほしいと思っているんです。全部返り討ちにしますから」と田中助手は過激なほどに強気だ。先週の坂路でも楽々と4ハロン52.5-12.5秒をマーク。このスピードとパワーに立ち向かうのは容易ではない。
しかし、これを上回ろうかという素材が実は“身内”にいたりする。日曜(15日)中京芝1600メートルに酒井でデビュー予定のウインアルザス(牡=父シンボリクリスエス、母シシーダルザス)だ。坂路で初めて出した時計が先週の4ハロン53.0-12.7秒。これだけでもただ者ではなさそうだが、陣営が評価しているのはその乗り味の良さ。
「背中の感じがすごくいいんですよ。この点はトップよりもいいと思う。担当の平田さん(エーシンフォワードなどを担当した調教助手)もベタ褒めですからね」(田中助手)。西園調教師も「コスモヴューファームにいる時から古馬1000万クラスと互角に動けていた」と言うのだから、かなりの素質を秘めているのは間違いない。
ただし、背中の感覚や乗り味が「いい」からといって走るとは限らない。そういう点でウインアルザスの評価は分かれている。「中二(助手)さんはあまり褒めないんですよ」と田中助手。
では中二助手がほれ込んでいる2歳は何かといえば、母For Evva Silca(牡=父Tamayaz)。マイネルエテルネルで馬名登録を予定している外国産馬だ。
「すごくいいんですよ。馬もしっかりしているし手足も軽い。ちょっとピリピリしているところがあるので時間をかけてゲートをやっていきたい。ちゃんと仕上がれば相当な馬になると思います」と高い将来性をアピールした。
日本ではなじみの薄い血統だが、西園厩舎はエーシンフォワードを筆頭に外国産馬の育成には定評がある。この馬も偉大な先輩に続くことができるのか。まずはゲート試験の行方を見守りたい。
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