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IPATで地方競馬

  • 2012年08月03日(金) 18時00分
 先週は地方競馬的に大きなニュースがあり、そのひとつ「そのだ金曜ナイター」には前回触れたので、今回はもうひとつのほう、10月2日からJRAのインターネット投票(IPAT)で地方競馬の馬券も買えるようになることについて触れておきたい。

 当初は地方競馬で行われる交流重賞を中心に発売されるのかと思っていたのだが、実際はだいぶ違っていた。即PATの会員なら、原則として月曜日と金曜日以外の平日の開催に投票でき、さらにJRAの開催がある土日にも地方競馬(3場まで)に投票できる。A-PATの会員は銀行口座のロックがあるためどうなるのだろうと思っていたのだが、さすがにそのシステムまでは変更できないようで、原則としてJRAの開催がある土日のみの投票となっている。

 注意が必要なのは、開催中の地方競馬のすべての馬券が発売されるわけではないということ。JpnIが行われるなど特定の月曜日を除き、月曜日と金曜日には発売がないということ以外、馬券を発売する競馬場についての規則性はない。現在、すでに今年いっぱいの発売予定レース(競馬場)が発表になっているので、投票する場合は随時その発売予定一覧で確認しながらということになる。ユーザーにしてみれば最初はちょっと混乱するかもしれないが、それは慣れの問題のように思う。

 もっとも気になるのは、これによって地方競馬の馬券の売上がどの程度アップするのかということ。

 現在ではJRAのPAT会員もネット銀行の利用者が相当数いるであろうことから、その口座を利用すればすでに地方競馬の馬券も買えることから、少しでも興味のある人は、すでに地方の馬券も買っているのではないかというややネガティヴな考え方。

 一方で、JRAのPATで買えるなら、JRAの馬券を買う一連の流れの中で、地方競馬も買ってくれるのではないかというポジティヴな考え方もできる。

 いずれにしても、地方競馬の売上げを増やすには、これまではほとんどJRAの馬券しか買ったことがないというファンにアピールしていかなければならない。中央競馬と比較すると、どうしても地方競馬は情報が少ないということが以前から指摘されているように、馬券を買ってみたくなるような情報提供と、その情報提供がどこでなされているかの案内も充実させていく必要があるだろう。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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