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北九州記念スギノエンデバー◎が打てた訳&小倉日経OPの狙い目

  • 2012年08月21日(火) 18時00分
 先週は馬券総合倶楽部で取り上げた北九州記念でスギノエンデバーに◎を打つことができ、単勝を的中することができました。当コラムでも記したように、過去の北九州記念では最終追い切りを栗東坂路で行い、2F24.5秒以下という時計をマークすることが重要でした。しかし、今開催の小倉芝1200mは「ラスト1Fが最速ラップになる追い切り」というのが非常に重要だということも記しました。

 北九州記念の前日、500万下で行われた芝1200mは2鞍ありましたが、八幡特別ではこのレースで唯一の坂路終い最速ラップを踏んでいたアルベルトバローズに◎を打って、馬券総合倶楽部で複勝720円が的中。この時点で北九州記念も坂路終い最速ラップを本命視することに決めました。それがスギノエンデバーだったというわけです。

 スギノエンデバーの最終追い切りの4F時計は59.7秒。こんなに遅くて大丈夫?、そう思った方も少なくないはずです。しかし、馬券総合倶楽部にも記ましたが、スギノエンデバーはこの数字で小倉2歳Sで3着でしたし、前走時との比較でも同じ数字です。

 確かに平均的な坂路4F時計から見れば、59.7秒は非常に遅く、追い切りとは言えないような数字。しかしスギノエンデバーがその時計で好走しているのであれば、最も能力を発揮できる数字なのです。これを基本線に考えないと「追い切りで走っても結果に繋がらない」とか「追い切りをやってなくても好走する」という調教に対する間違った見方をしてしまうことになるのです。過去の調教時計と今回を比較するということは、少し手間のかかる作業になりますが、もし調教に興味のある方はこの手間を惜しまないでください。ちなみに過去の調教時計はインターネット馬三郎などで確認できます。

メイショウオオゼキ、ドッシリした馬体

メイショウオオゼキ、ドッシリした馬体

 今週は新潟で2歳Sが行われますが、このレースに関しては今回の追い切り内容を比較するものが少なすぎます。その理由はキャリアの少なさ。多くて3戦という過去走と今回の追い切り内容を比較しても、なかなか正解に行き着くことは少なく、むしろ、今回の調教が過去と違って、飛躍的に成績を伸ばす、なんてことがあります。またレースにおける調教傾向の分析も非常に難しいのが、2歳重賞です。

 今朝の調教から少しレポートしておくと、メイショウオオゼキ。同じ舞台の新馬戦を勝っている点で注目を集めることは間違いないと思いますが、馬体を見ていると「無駄のないドッシリ感」というのが、2歳馬らしくないなあと感じさせられます。

 1週前追い切りではCWで古馬メイショウエバモアに先行して、最後はさらに突き放す動き。テンゆっくり行って、終い伸ばすという内容ではなく、道中からある程度のペースで飛ばしていながら、最後もしっかり伸びていました。この動きを見る限り、新馬戦よりも前半4Fが2秒くらい速いペースだったとしても十分についていけると思うので、そうなれば1分34秒台の決着にも対応できるでしょう。逆に上がり勝負のレースになっての速い時計の決着だと瞬発力負けしそうです。

 メイショウオオゼキ以外にも注目したいメンバーですから、最終決断は明日の最終追い切りをじっくりと見てから、絶好調な馬を見つけて印を打ちたいと思っています。

 それに比べて、現時点で「こんな調教をしてくれば」と設定できるのが小倉日経オープン(芝1800m)。先週の「WIN5スペシャル予想」(netkeiba.comプレミアムサービス)をご覧いただいた方ならお分かりでしょうが、小倉日経OPと同じ舞台で行われた不知火特別を1点勝負レースとして、メイショウサミットを推奨しました。その理由は下記の通り。

 依然として、時計の速い決着が続く小倉芝。これが1800mになると、トラック調教で速い5F時計をマークしていることが調教適性最上位の条件となります。時計の速い決着は3走前2着の実績があるメイショウサミット。この中間はグリーンWに放牧へ出されてリフレッシュ。その効果があって、今回の最終追い切りはCWで5F65秒。これは3走前と同じ追い切りですから、それだけ走れば十分に勝つチャンスがあるでしょう。

 この追い切りを自分の双眼鏡で確認できたことも自信を持って1点にできた理由。今週も水曜、木曜の追い切りからCWもしくはDPで速い時計の追い切りをこなしてくれるような馬が表れると、自信の印を打つことができそうです。

◆次走要注意
・8/19 札幌1R ハニームーナー(7人/5着)
 スタートは悪くなかったものの、距離を考慮されてか、無理には先行しないレース。そのため、道中は位置取りが下がって直線を向いた時は勝負圏外でした。それでも最後は追われることなくても鋭い脚を使っており、今回のレース内容が次走に繋がるはず。最終追い切りを馬なりで追われながら、ラスト1Fで速い時計を出せるようになっていれば、その効果があったと判断したいところです。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが馬なりでラスト1Fが12.5秒(ウッドチップ馬場)を切っていれば勝ち負け

・8/19 新潟2R ロジフローリアン(6人/5着)
 大竹正博厩舎の勝負調教で必勝を期しての出走となった今回。無理しない位置取りでレースしましたが、結果的には前を捕まえることはできませんでした。しかしスーパー未勝利への出走権をかろうじて確保。今後の芝2000m以上の距離は番組がほとんどなくなりますが、同じく勝負調教で出走してくれれば、勝ち負けできるだけのポテンシャルはあると思います。

[メモ登録用コメント] 芝2000m以上に大竹正博厩舎の勝負調教で出走すれば勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・8/25 新潟10R 朝日岳特別 エクセラントカーヴ
 休養明けの前走は堀宣行厩舎の鉄板スポットへの出走。調教本数が少なかったにも関わらず、圧勝したところを見ると、500万下あたりでは格が違うのでしょう。そして再び鉄板スポットの新潟芝1400mへの出走となりました。調教本数が少ないことは問題ないので、あとは鉄板条件になるため、今週の最終追い切りはトラック馬場であることが条件となります。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りがトラック(南Wや南P)であれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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