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アンカツ効果

  • 2003年04月01日(火) 18時41分
 なにか新鮮な話題がほしい、いつもG1戦に願っていることです。そして、高松宮記念では、安藤勝己騎手のJRAG1初制覇というエピソードが生まれました。

 地方馬が中央のG1に挑戦できる仕組が出来たのが、平成7年。その年の桜花賞に、笠松所属のライデンリーダーが出走しました。

 東海地区の代表となり、トライアル戦を勝ったことで本番では1番人気でした。安藤騎手のJRAG1レース挑戦の歴史は、この、地方中央交流元年の桜花賞から始まったのです。その時に全身で感じた挑戦への意欲、それが強い支えとなって、今日のアンカツを生んだのだと思います。さすが、アンカツと、ビリーヴの松元茂調教師に言わしめたのですから、この信頼の糸は一層強くなり、今後の騎乗に追風となっていきます。

 地方時代、最も多くG1に出走しましたが、ライデンリーダーで3回、あとは、トミシノポルンガ、レジェンドハンターと地方馬で5回出走した以外の、あとの18回は全て中央馬に騎乗しての挑戦でした。どれだけ、その腕が認められていたかの証明になります。そして、この3月にJRAの免許を取得、通算24回目の挑戦でのG1制覇達成でした。

 続いて、桜花賞での騎乗が控えています。

 どこまで、アンカツが話題になり続けていくのか、とにかく、この春のG1シリーズの関心事のひとつです。

 こうした地方からの攻勢は、他の地方騎手たちからも見られています。去年、中央での20勝を達成した小牧太騎手は、今年は大車輪で20勝して、中央免許取得への道のりを有利にしたいところですし、これに続く者も、次から次へと出てくるでしょう。

 騎乗攻勢を受ける中央の騎手も、安閑とはしておられません。安藤勝己騎手のG1制覇は、ひとつの新しい道を築いたとも言えると同時に、もうひとつの厳しい戦いの中、レースを盛り上げる効果にもつながります。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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