スマートフォン版へ

セントウルS、京成杯AHなど

  • 2012年09月03日(月) 18時00分
【栗東トラックマン】
◆日曜阪神11R・セントウルS(GII)
・カレンチャン
「前走(高松宮記念1着)後は近郊のグリーンウッドに放牧に出してリフレッシュ。ここを目標にじっくりと調整してきました。7月末に帰厩し、予定どおり順調に乗り込んでいます。おそらく春より10キロ以上増えての出走になると思いますが、いい体つきで成長も感じています。元々は叩いて良くなるタイプですが、休み明けでも調教量は豊富ですし、帰厩後の気配もいいですからね。ここはメンバーが揃っていますが、GI馬としていい状態でレースに臨めると思います」(安田調教師)

・ロードカナロア
「前走(函館SS2着)は残念でしたが、レースのダメージは少なく、栗東に戻ってからも順調に乗り込めています。暑さが堪えるようなこともなく体調も安定していますし、追うごとに良くなっている印象です。1週前追い切りはカレンチャンと併せて追い切りましたが、だいぶ前向きさが出てきましたね。まだ完成度は高くないのですが、それでも楽しみになるだけの素質を持っている馬ですから、ここでいい競馬ができればと思います」(安田調教師)

・マジンプロスパー
「前走(CBC賞1着)はこの馬の持ち味を活かす早めの競馬ができたことが結果に繋がったのだと思います。レース後は一度放牧に出してリフレッシュさせましたが、ここを目標に調整してきたので体が緩むようなこともなく順調ですね。だいぶ気合いも乗ってきたし、1週前追い切りの動きからは、当週のひと追いで態勢が整うところまで来ている印象です。今回も自分の競馬を心がけるだけです」(宝来調教助手)

・エピセアローム
「前走(北九州記念3着)は外が伸びる馬場だったとはいえ、小回りの大外枠で3着だからね。内容は悪くなかったと思います。オークス後はNFしがらきへ放牧に出してリフレッシュさせ、馬体増もほぼ成長分。この中間も気配はいいし、調教の動きもキビキビしていて順調。いい状態でレースに臨めると思います。今回も52キロで出られるのはプラスだし、いい競馬を期待しています」(石坂調教師)

・スギノエンデバー
「前走(北九州記念1着)は脚の使いどころが難しいタイプだし、ハンデも見込まれていたのでどうかと思いましたが、うまく行きましたね。レース後も特に疲れはなく順調に乗り込めています。ただ、これまでの勝ち鞍がすべて小倉なように、小回り平坦が理想の馬。相手も強化されるし、簡単ではないでしょう。開幕週の馬場でもありますから、一瞬の脚を活かせるような展開になってくれれば」(浅見調教師)

・ヘニーハウンド
「前走(北九州記念5着)は最後内の馬場が悪いところを通っていた分の差が出てしまった感じです。それでもあそこまで来ているのですから、力のあるところは証明できた内容でした。レース後は回復が早く、順調に調整できていますね。これまでは体質がしっかりしておらずなかなか続けて使えなかったのですが、今回は状態もいいですし、間隔を空けずに使えるのはプラス材料です。広いコースに替わるのもいいし、楽しみにしています」(渋田調教助手)

◆日曜中山11R・京成杯AH(GIII)
・エーシンリターンズ
「前走(関屋記念2着)は体が絞れて動ける状態。スムーズにいい位置が取れてうまくレースを運べたし、あと一歩だったけれどよく頑張ってくれました。この中間も順調に調整できていて、1週前追い切りでもいい動きを見せていました。夏場は調子がいいタイプで、いい状態をキープできていますね。舞台にも不安はないし、今回もいい勝負ができると思っています」(坂口調教師)

・コスモセンサー
「前走(安田記念3着)はこの馬の良さが出たレースで、よく頑張ってくれたと思う。レース後は放牧に出してリフレッシュ。8月後半に帰厩して、ここを目標に調整してきました。帰厩当初はやや体が寂しく見えましたが、ここにきて良くなってきましたね。折り合いに不安がないので展開に左右されないタイプ。あとは良馬場でやれればいいですね」(西園調教師)

・スピリタス
「前走(関屋記念3着)は上位2頭は強かったけれど、よく食い下がっていい競馬だったと思います。ここ2走は極端に後ろの位置取りではなく、ロスのない立ち回りができているし、収穫の多いレースでした。その後は短期でリフレッシュさせ、ここを目標に帰厩させました。このところは安定して力を出すことができていますが、今回は開幕週の馬場。ロスなくスムーズに立ち回ることができれば楽しみです」(横井調教助手)

・レインボーペガサス
「前走(関屋記念16着)は道中うまく運べていたけれど、最後は息が保たなかった感じ。やや急仕上げでなんとか間に合ったというところだったし、勝ち時計もかなり速かったから、仕方ないところだと思います。レース後はひと叩きした効果で馬体に張りが出てきましたね。調教の動きも良くなっているし、上積みが見込める状態です。中山コースも合っているし、変わり身を期待したいですね」(鮫島調教師)

【美浦トラックマン】
◆日曜阪神11R・セントウルS(GII)
・サンカルロ
 8月の初旬から乗り込み、ここにきて3週連続36秒台をマーク。1週前は未勝利のマグメルに合わせた程度だが、追走から素軽さ満点の動きで優勢。稽古掛けとはいえ、動きの良さが目立っている。レースでも折り合いに苦労するほど気性が勝っている馬。久々でも力は出せるはずだ。阪神コースは2勝2着2回と実績十分。今の時点では折り合いのつきやすい1200mがベストで、好勝負できそうだ。

◆日曜中山11R・京成杯AH(GIII)
・レオアクティブ
 久々の実戦となった前走の朱鷺Sだったが、自慢の末脚が炸裂して危なげのない勝ちっぷり。速い時計の上がり勝負を難なく差し切ってしまうのだから、一段とパワーアップしている印象が強い。さらに目一杯の仕上げだったわけではないので(実質追い切り3本)、叩いての上積みもかなり大きいはず。開幕週中山マイル戦でも、十分に好勝負できるはずだ。連日のように、朝一番に北Cコースに馬場入りして、悠然と構えており、以前より気性もグンと成長。いよいよ本格化なったと見るべきだろう。スタートを決めて、じっくりと脚をタメたい。

・ファイアーフロート
 前走・朱鷺Sは5か月ぶりの実戦。正直もう1本追い不足感があった仕上がり状態、不向きな流れ、モマれる競馬になっただけに、11着の大敗も納得。今回は中1週という厳しいローテーションになるが、中間は歩様がスムーズで、キャンターの動きも素軽さが出てきたことは確か。この京成杯AHは一昨年すでに制している相性の良いレースで、その時が今回と同様の休み明けを叩いて2戦目のローテーションで、2番手追走から抜け出し、ゴール前の接戦をモノにしている。元来スピードをフルに生かせる高速馬場は得意で、平均ペースの流れの中で、先行力を発揮すると簡単には失速しないはず。叩いて気合いが上向いただけに、多少強引な競馬になっても粘りきる。

・マイネルロブスト
 NHKマイルC以来で4か月ぶりの休み明け。夏のリフレッシュが終わった後8月中旬、美浦に戻ってからは入念な乗り込みを消化。19日、23日、29日と南ウッドを中心に追い切ったが、いずれも重さのない走りで、春先は減っていた馬体も太め感なく、1週前追い時点では8分ぐらいまで仕上がってきた。8月29日の追い切り内容は500万スタートセンスを1.7秒も追走するハードさ。そのため5F68秒9〜3F38秒3〜1F13秒4と時計がかかってしまったが、それでもラスト1Fキチッと反応して2馬身先着が力の証。中山1600mは朝日杯FS・2着の実績が示す通りに好相性。大柄ながら久々も苦にしない気性から、スタートさえ互角に出て、好位追走で巧く立ち回ればチャンス到来。

◆日曜中山9R・鋸山特別(1000万)
・ニシノオウガイ
 複数回登録しながら、出走馬が多く残念ながら除外に。ということで再度のスライドとなったわけだが、じっかりと北馬場+坂路で乗り込まれており、状態面はすこぶる良好。むしろローテーション的には除外が正解としてよく、馬は活気にあふれている。昇級となった前走もラストはしっかり伸びたが、大外枠からのスタートということで、多分に距離損があったことも事実。もう少し内めの枠を引いてロスなく乗れれば、最後の爆発力が変わるはずだ。自分の持ち時計はキッチリ走るタイプで、1000万でも潜在能力は互角以上。勝ち負けになる。

・トミケンユークアイ
 2週前のレースを除外されてしまったため、先週はダートコースで55秒8-40秒5と少しセーブしたが、終い重点にいつも通りの鋭い脚さばきを披露。パンと張った丸みのある体つきで、抜群の気合い乗り。体調・精神面ともにひと叩きの効果を十分に見せている。今年の3歳ダート路線はハイレベルだが、その路線でオープン特別や重賞で戦ってきた馬。自己条件になる1000万クラスなら自力断然、勝ちっぷりに注目といえるレースになる。

・ロジスプリング
 休み明けの前々走は明らかに急仕上げのうえ、スタートで出遅れてチグハグな競馬で惨敗。前走は、ひと叩きされたものの、トモの運びが頼りなく調教でモタつき、本調子にはまだまだを感じさせた。逃げ争いは制してハナも終いのフットワークが乱れて失速。今回は休養明けで転厩緒戦になるが、1週前の追い切りで5F68秒4〜上がり40秒2を楽々計時。タイムこそ平凡だったが、トモの蹴りに力強さが戻り、前回の休養明けとは走りがガラリ変わった。デキさえ戻れば1000万では力上位。

◆土曜中山11R・紫苑S(OP)
・パララサルー
 1週前追いは2歳のマイネグロリアーナを4馬身ほど追走して、ゴール前素軽い伸び脚。動きに重さがなく、力は出せる状態と思える。大事をとって栗東に入厩した桜花賞だが、カイバ食いが悪く、本調子で競馬に臨めなかったことが敗因。現在は馬体が戻ったというより成長も感じる状態。大外を豪快に伸びたアネモネSが強いのひと言。状態さえ戻れば、3歳牝馬ではトップクラスの能力を持っている。

・アイスフォーリス
 オークス後から休養に入り、8月19日に初時計をマーク。その後は週2本の追い切りを消化。先週はウッドチップで69秒1-38秒4、4馬身先行させたガッダムアスカを直線で競り落とし、1馬身半差をつけてゴールイン。すでに走りに重苦しさはなく、牝馬らしからぬパワフルな動きも戻っている。今週もう1本追えることを考えれば、9分以上と言える状態を整えてきている。オークス3着と実績断然、開幕週向きの先行力も備えている馬。状態面に不安もなく、取りこぼせない一戦になる。

・ダイワズーム
 使い詰めで臨んだ前走のオークス。馬体減りも見られず好調をキープしていたが、道中他馬に囲まれて直線を向いても動けず。最後で広いところへ出てから鋭い伸びを見せたが、脚を余した形で6着。今回は3か月半ぶりの実戦になるが、坂路コースを急ピッチで乗られ、1週前の追い切りではウッドコースで5F72秒6〜上がり40秒3。時計は目立たないが、牧場から乗り込まれていただけに、動きに重め感はまったく感じられず、仕上がりの良さをアピール。落ち着いて精神面でも成長。緒戦からエンジン全開。

◆土曜中山9R・アスター賞(2歳500万)
・セキショウ
 デビュー3戦目に初勝利。すんなりとハナを切って、2着以下にはなんと5馬身差。それもメンバー最速の上がりで、影をも踏ませぬ圧勝劇だったのだから、この馬のポテンシャルは相当に高い。今回は中1週のローテーションになるが、連日北馬場で普通キャンターで乗られており、疲れなど微塵もなし。キャリアの浅い2歳馬とは思えぬ落ち着いた気性をしていおり、その馬っぷりも同厩舎のショウワモダン(安田記念V)を彷彿とさせるもの。今後の期待が大いに楽しみな逸材といえる。昇級戦後のここもアッサリと通過するなら、来年の活躍がいよいよ楽しみになる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

美浦・栗東トレセンから重賞出走馬を中心に陣営の談話、中間の動きをレポート

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング