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中山・阪神開幕、調教で見る激走期待馬は?

  • 2012年09月04日(火) 18時00分
 いよいよ今週から、中山と阪神が開幕して秋競馬がスタート。夏競馬にはなかった「直線急坂」の2つの競馬場ですから、頭を切り替えて予想する必要があるでしょう。ただ、ゴール前に坂があるからといって差し馬有利というわけではなく、開幕週ということを考慮すれば、むしろ絶好の芝状態でスピードを活かせる先行馬の方が馬券に絡む率は高くなるはずです。

 各レースで、どんなレース展開になるかを予想しながら、脚質を考えて馬券を組み立てていくというのは競馬予想の醍醐味でもありますが、京成杯AHに関しては、その展開を予想するだけで、馬券圏内に入る調教タイプが分かるというレース。つまり前半3Fが後半3Fより速い展開になれば坂路調教馬、前半3Fが後半3Fより遅い展開になればトラック調教馬ということです。

2006年 前半3F34.3〜後半3F35.3秒
1着坂路 2着坂路 3着併用

2007年 前半3F35.1〜後半3F34.8秒
1着トラック 2着坂路 3着坂路主体

2008年 前半3F32.8〜後半3F36.2秒
1着トラック 2着坂路 3着坂路

2009年 前半3F34.1〜後半3F35.3秒
1着坂路 2着坂路 3着併用

2010年 前半3F35.4〜後半3F34.3秒
1着トラック 2着トラック 3着トラック

2011年 前半3F34.0〜後半3F35.3秒
1着トラック 2着坂路 3着坂路

 前半が34秒台、後半が35秒台だった2006年、2009年が坂路調教馬の優勝。その逆である前半が35秒台、後半が34秒台だった2010年はトラック調教馬が上位を独占しています。もちろん昨年のように06年、09年型のレースラップになってもトラック調教馬が優勝する場合があり、100%の確率でこの傾向が出ているわけではありません。ただ予想のアプローチとして用いることによって、大きな枠組みをつくることができると思います。

 そして今年、特別登録メンバーでハナを切りそうなのはスペシャルハート。ゼロスがハナを切る可能性も否定しませんが、これまでレース経験からテンの3Fに関してはスペシャルハートが断然速いと思います。それ以外にも先行してレースを進めそうな馬がいるだけに、今も前半3Fは34秒台になるのではないでしょうか。そうなれば、狙う調教タイプは…、お分かりいただけると思いますが、最終結論は馬券総合倶楽部で提供させていただきたいと思います。

セントウルS出走予定のカレンチャン

セントウルS出走予定のカレンチャン

 スプリンターズSの前哨戦である、セントウルSに関しても少し触れておきましょう。こちらは調教適性以上に能力が拮抗した3頭の争いだと見ています。画像はそのうちの1頭、カレンチャンです。今朝も坂路を元気に駆け上がっていますが、この馬の魅力はなんといっても「落ち着き」。牝馬らしからぬ、ドッシリとした風格がG1での接戦をモノにしていると思います。

 ただそういった精神的な落ち着きが休み明け最初のレースとなった時にどう出るのか、そのあたりが心配ではありますが「今までの休み明けでは一番いいですよ」と担当する岩本龍治調教助手は状態面に太鼓判を押してくれました。いずれにせよ、今週の最終追い切りを見てから結論を出すことになりそうなので、こちらはNo.1予想の方をご覧ください。

◆次走要注意
・9/1 新潟1R 2歳未勝利ステラビアンカ(11人/4着)
 馬券総合倶楽部の狙い馬にしましたが、メンバー最速の推定上がりを使っても差し届かず。馬群の外に持ち出してからの伸びが目立っていたので、長い直線、そして広い馬場がいいのでしょう。きっと中山開催では持ち味を発揮できないまま(特に内枠を引けば)、負けてしまう可能性が高いと思います。そうなると、人気が落ちて東京開催でのレースになるはずですから、狙い目はそこでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが美浦坂路で終い最速ラップを踏んで東京芝に出走なら馬券圏内

・9/1 小倉9R 筑紫特別ノアノア(14人/6着)
 こちらも馬券総合倶楽部の狙い馬。その理由は小倉芝1200mに適した最終追い切りが栗東坂路で終い最速ラップというものでしたが、前半レースになっていないとはいえ、終いの脚は確実。芝に実績はありませんでしたが、あれだけやれれば次も楽しみ。その条件としては、やはり最終追い切りを栗東坂路で終い最速ラップということになるでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが栗東坂路で終い最速ラップを踏んで芝1200mに出走なら馬券圏内

◆今週末馬券圏内
・9/9 阪神10R オークランドRCT グッドマイスター
 前走は内枠で後方からのレース。致命的な位置取りで単勝1.7倍の断然人気に応えられないレースでしたが、このような結果になったのも、最終追い切りの内容にあったと思います。この中間もリフレッシュ放牧に出され、その後は順調に調教を消化。あとは最終追い切りで坂路4F54秒以下なら、まず大丈夫でしょう。またラスト1F12.5秒以下の終い最速ラップなら完璧です。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが栗東坂路で4F54秒以下なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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