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ダービー卿CT

  • 2003年04月05日(土) 10時42分
 6歳ミデオンビットは不思議な馬で、昨年の夏から秋にかけ、関屋記念、京成杯AH、富士Sと1600mの重賞を3回も連続して2着している。ことごとくが人気薄で、時計は文句なしの1分32秒台。なぜミデオンビットはこれだけ連続して好走しながら、いつも人気薄で評価が上がらないかというと、1分32秒台のスピード決着になりながら、ミデオンビットの出走するレースはいつも楽な平均ペースか、スローに近い流れで展開。少しも強い印象を与えず、恵まれて粘り込んだという内容だからだ。

 しかし、その3連続2着の重賞を中心に、これまで1600mを「1分32秒台」で乗り切ったことが計4回もあるのだから、能力がないわけがない。弱い理由はひとつもない。

 今回は休み明け。大型馬だけにまだ絶好調とはいえないから、またさして人気はない。ただし、強力な先行型は不在。またまたミデオンビットはすんなり行けそうだ。

 金曜の夜からの雨量はかなり多く、回復はしても完全な良馬場は望めず、追い込みにくい馬場が予想される。ミデオンビットにとってはきわめて条件有利だ。

 重がうまいわけではないが、自分のペースで先行できる利は大きい。馬体に絶好調時のハリは一歩としても、行って粘る馬だけにほぼ能力は出し切れる。人気の中心なら買うことはないが、人気薄なら買いの一手だ。

 昨年のこのレース、休み明けで6着に沈んでいるが、当時この馬は57.3−35.6秒の中身で1分32秒9。珍しくきつい流れだったのと、すんなり行けなかったのが凡走の原因で、ポン駆けしないわけではない。

 阪神のメインは、これから大幅に地力アップする奥手型とみて、伏兵タニノエタニティ(タニノギムレットといとこ)の差し脚に期待したい。相手は強いが、この馬、思われるより底力がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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