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いよいよ秋のクラシック最終戦

  • 2012年09月11日(火) 18時00分
 今週行われるローズS、セントライト記念はいずれも3歳戦の秋華賞、菊花賞のトライアルレース。いよいよ秋のクラシック最終戦に向けて、実績馬、有力馬が動き始めたという感じです。

 今週はそのレポートをお届けしますが、その前に先週のセントウルS、自分への戒めのためにも回顧させてください。回顧すべき点は「厩舎の勝負調教」について。1着エピセアロームは石坂正厩舎の勝負調教である「最終追い切り栗東坂路でラスト1F12.5秒以下」に該当していましたし、3着アンシェルブルーも田中清隆厩舎の勝負調教である「最終追い切り美浦坂路でラスト1F12.0秒以下」という調教条件に該当していました。

 No.1予想をご覧いただければ、お分かりになると思いますが、エピセアロームに関しては勝負調教を理由に印を打っていましたが、アンシェルブルーは無印。同じ厩舎の勝負調教に該当していたのに、なぜ評価に差をつけたか。それはアンシェルブルーが前走も勝負調教でありながら、4着に敗れたから。再び勝負調教に該当した今回は「このクラスでは通用しないだろう」と意味のない判断をしてしまいました。

 新書にも記しているように、田中清隆厩舎の勝負調教は複勝率53%。つまり前走で複勝圏に入っていないということは、今回は入る確率が非常に高かったということになります。仮に馬券に絡んだのが今回でなかったとしても、買い続ける、評価し続けることに意味があるのが勝負調教です。

 ◎マコトナワラタナが惨敗しているので「どっちにしても一緒や」と思われるかも知れませんが、もし○ロードカナロアを本命にしていたら…。獲り逃した3連複61870円は悔やんでも悔やみきれません。

ヴィルシーナ、ローズS出走予定

ヴィルシーナ、ローズS出走予定

 ではローズSのレポートからいきましょう。なんといっても注目は春の牝馬二冠を制したジェンティルドンナと、どちらのレースも2着だったヴィルシーナ。早くも2頭が激突するトライアル戦となりました。

 8月1日にノーザンFしがらきから帰厩したジェンティルドンナは翌週から坂路で15-15の時計を出し始めて、週1本のペースで追い切りを消化。1週前には岩田康誠騎手が跨って、4F53.3〜1F11.9秒とラスト1Fが抜群の動きを披露。ただ馬体は非常にボリューム満点なので、ひと叩きした方がより走れる状態になるのではないかという印象は否めません。

 ヴィルシーナは北海道ノーザンFで休養しての栗東入厩。いったん緩められたということもあって、馬体は太目でしたが、坂路とCWを併用しての調教で次第にシェイプアップ。こちらは太目が残るということもないでしょうし、デビュー戦が440キロでしたから、むしろ440キロ台前半の数字でレースできた方が後々の楽しみがあると思います。

ハナズゴール(左)とラスヴェンチュラス(右)

ハナズゴール(左)とラスヴェンチュラス(右)

 この2頭に割って入るなら美浦から栗東へ遠征に来ているハナズゴールとラスヴェンチュラスの2頭。どちらも夏場にレースを使われているので、馬体に張りがある感じ。栗東でも目立って速い追い切りを消化したわけではないので、今週の最終追い切りでどのような動きを見せてくれるか楽しみ。特にラスヴェンチュラスは先週の阪神芝1800mで好走目立った併用系統の仕上げになるだけに、一発魅せてくれる可能性も十分ありそうです。

 セントライト記念は美浦所属馬が好成績を残すレースではありますが、栗東から注目したいのがカナロア。500万下とはいえ、前走の勝ちっぷりが鮮やか。この中間は勝った勢いを象徴するように、CWでの動きが目立っており、坂路を併用した調教内容にも魅力があります。個人的には同厩エタンダールより、こちらに注目しています。

◆次走要注意
・9/8 中山7R 3歳上500万下シンワクイーン(6人/9着)
 美浦坂路で絶好の動きを見せて出走となった今回。少なくとも掲示板には載れるような手応えでレースを進めながら、直線全く追えない状態で惨敗。あれでは馬がかわいそうですよね。もともと1600mでも勝ち鞍がある馬ですから、東京開催になれば1400mでも好勝負になるはず。次走も坂路でしっかり動くことができれば、十分馬券圏内だと思います。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが美浦坂路で4F51秒以下の終い最速ラップ追い切りなら馬券圏内

・9/9 中山2R 2歳未勝利ドラゴンウォー(2人/3着)
 デビュー戦から8着、4着と着順を上げているだけに、ここでの2番人気も納得。レースぶりを見ても、勝って不思議ない展開でした。ただ問題は外枠。道中ずっと外を回り、4コーナーでもかなりロスのある競馬。これで勝てるんならデビュー戦で勝っている、そんな不利なレースでした。素質の高さは間違いないでしょうから、次走はあまり強い調教を課さずに通過点としてほしいところです。

[メモ登録用コメント] トラックで標準の調教内容なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・9/17 中山9R カンナSナカナカ
 中山芝1200mは美浦坂路調教馬にとって適性の高い条件。実際、昨年の同レースも美浦坂路で調教されたビウイッチアスが勝っています。そのビウイッチアスと同じ新潟芝1400mを勝ち上がってここへ参戦がこの馬。中間の坂路での調教内容も良好。あとは最終追い切りできっちり動ければ。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りを美浦坂路で4F52秒以下で終い最速ラップなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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