このあと、5月11日のNHKマイルCを展望するグループのテーマは、さらにパワーアップする成長力があるタイプか。それとも、そろそろ距離が1600mに延び、軽快なスピードだけでは押し切れなくなって、カゲリをみせる馬なのかを見抜くことだろう。
このメンバーにはたまたま外国産馬は少ないが、明らかに2歳戦の早い時期のスピードレースを狙って配合された馬や、またそういう種牡馬がいる。早熟というのは決して悪いことではなく、意識的に早い時期からスピード能力をフルに発揮できる馬を作り上げているだけのこと。もう十分に役目を果たしたそういう色彩の濃い馬を、いつまでも追いかけてはいけない。あくまでたとえばだが、2番トーセンオリオン、9番ワンダフルデイズなど、ここまでの成績はもう文句なしだが、もしここでカゲリを見せるようならば、そろそろ評価を落としたい。
3番ゴールデンキャストは、2歳の9月に1400mをレコード1分21秒1で圧勝しているが、この馬は早熟タイプではない。1分21秒1のレコードも、前半はなだめて進み大外一気の末脚で上がり34秒4。まだ余力さえ残した圧勝だった。新馬戦を勝てず、使いつつ良化を示したあたりも早熟型ではないことを成績とし表している。父タイキシャトルはマイラーとしても古馬になって完成された馬。母方もスピードよりタフな成長力を伝える系統といっても良く、今回のレースぶり注目だろう。この中間、前走とは一変の好気配だ。
15番ニシノシタンもパワーあふれるマイラーに育ちそうだ。サクラバクシンオー産駒はあまりに素軽いスピードを見せるより、少しズブいぐらいに出た方が、このあとの成長に期待できる。サクラバクシンオー産駒は、総じてというくくり方はできず、たとえば5Rのブランディスのように平気で距離をこなすタイプも出る。