チューリップ賞が桜花賞の有力なステップレースとなって、約20年近くになる。重賞になったのは94年からのこと。あまりにも有力なステップレースであることが分かってきたからだ。
過去20年間の桜花賞の連対馬40頭を、ステップ別に整理すると次のようになる。
・チューリップ賞→17頭
・現在のFレビュー→14頭
・アネモネS→3頭
・クイーンCなど1600mのOP→4頭
・500万下の1600m戦→2頭
注目すべきは、全40頭すべてが、その前走1400〜1600mに出走していることだ。(厳密には、94年はステップ開催が中京で例外)。
今年、注目の14番アドマイヤグルーヴ、スケールあふれる15番マイネヌーヴェルなど、素質は上だが、ともに1600mの競馬を一度も経験していない点にちょっと不安がある。少なくとも軸馬ではないだろう。
中心馬を探すなら、チューリップ賞組かFレビュー組。オーソドックスなローテーションを取って連対した馬が、なんと31頭(78%)もいるからだ。
今年、チューリップ賞の1分35秒9も、Fレビューの1分22秒7も、ともに稍重である点を考えると例年のレベルに十分達している。
どちらのレベルが高いかだが、今年はやや3月16日のFレビューの方がレベルが高かった気がする。勝ったヤマカツリリーは、12月のG1を1分34秒9で2着した馬。この時決して完調とは思えず、直前の坂路51.1−13.2秒で一杯になっていたが、底力で抜け出したから立派だ。今回は動き、気配ともに一変している。安勝人気は仕方がない。ここ一番のクラシックで、さらにプラスアルファを生みそうだ。穴馬は、今回はヨレずに伸びていた1番レイナワルツ。2度も大凡走したが、ビシビシ追って気配一変、岩田を配してきた10番トーホウアスカだろう。