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3重賞の調教ポイントと馬券的な注目馬

  • 2012年10月02日(火) 18時00分
 今週から東京、京都が開幕。いよいよ本格的な秋競馬がやってきたという感じ。今週末は3日間開催ということもあって、重賞が3鞍組まれています。どれも、この先のG1に繋がる重要なポジションにあるレースですから、予想を的中させることと同時に、どんな馬が勝つかという楽しみもありますよね。

 来年も含めた意味での「将来性」を知ることができるのがデイリー杯2歳S。過去10年の勝ち馬からはメイショウボーラーがフェブラリーS、キャプテントゥーレが皐月賞、レーヴディソールが阪神JFといったG1を制覇。ここを勝てば、G1勝利へ一歩近付いたという表現をしても言い過ぎではないと思います。

メイケイペガスター、調整順調

メイケイペガスター、調整順調

小倉2歳S馬、マイネルエテルネル

小倉2歳S馬、マイネルエテルネル

 個人的にはメイケイペガスターのレースぶりに注目しています。新馬戦は馬群に包まれて、一瞬だけ開いた進路をやや強引に割って出てきての勝利。あれを抜けてくるあたり、ポテンシャルの高さを感じましたし、それだけ一瞬の加速力があるんだと改めて強さを感じました。

 追い切りはデビュー前から動いていましたが、この中間も相変わらずの素晴らしい動き。1週前追いとなった9月26日はCWで古馬フォルクスオーパーとの併せ馬でしたが、直線で止まった相手を突き放して、6F80秒切り。前走の疲れも癒え、中間の調教もしっかり行えているあたり、まだまだ強くなる要素はあると思います。

 ただ実績的には小倉2歳Sを勝ったマイネルエテルネルということになるでしょう。前走内容も単なる1200m勝ちという感じではなく、距離が延びても対応できそうな脚の使い方を見せてくれました。前走後も栗東に在厩のまま、調整が続けられています。

 その内容を見ると、少し調教を緩められた時期もあり、決して順調だという感じには思えません。1週前追い切りでも古馬ホーマンベルウィンと併せて1馬身ほどの遅れ。確かに追っていなかったということはありますが、全体的な時計も平凡なだけに、今週の最終追い切りでどこまで動いてくるのか、しっかり確かめる必要がありそうです。

スクワドロンは素軽さ十分

スクワドロンは素軽さ十分

 そしてデイリー杯と言えば橋口弘次郎厩舎。過去10年遡って、5頭が出走していますが、その成績は[3-0-0-2]で勝率60%。馬券圏外だった2頭も6着、4着と人気より着順を上げています。橋口弘次郎調教師が未勝利戦を勝った直後からこのレースを次走に定めたスクワドロン。中間の動きはデビュー当時とは違って素軽くなってきており、いよいよスリープレスナイトっぽい血が騒いできたのかも知れません。こちらも今週の最終追いでどのような動きを見せてくれるか楽しみです。

 古馬の秋のG1ステップレースとして重要な意味を持つ毎日王冠と京都大賞典。豪華な顔ぶれが揃った毎日王冠は本命選びに苦労しそうなレースですし、京都大賞典は天皇賞春の覇者ビートブラックの取捨をどうするかで、馬券的中を大きく左右することになりそうです。

 この2重賞で馬券的に最も注目しているのはメイショウカンパク。京都大賞典に出走予定ですが、オールカマーからの中1週となります。そのオールカマーでは勝負どころで見せ場ある伸びを見せてくれました。あの脚を見ると、距離は延びても平気なはず。直線の長い、しかも上がり33秒台が要求されそうな開幕週の京都はいかにも適性がありそうです。まして栗東坂路での追い切り馬ですから、このレースには最適。あとは最終追い切りで馬券的に買える条件に嵌まれば、きっと重い印を打つでしょう。

 先々週は好調、先週は不調のNo.1予想。今週は好調になるように頑張りたいと思いますので、ぜひ3日間開催の馬券予想にお役立てください。

◆次走要注意
・9/29 中山2R 2歳未勝利ロゼディール(12人/11着)
 馬券総合倶楽部の狙い馬にしていましたが、着順は参考にしてくださった方にご迷惑を掛ける11着。ただ出走メンバーで最速の推定上がりは使えていましたし、未勝利なら勝ち上がれるだけの脚は見せてくれました。次走は東京になるでしょうから、最終追い切りの理想は坂路。特に馬なりで終い最速ラップを踏めているようであれば、馬券圏内に入って穴馬券を提供してくれるような気がしています。

[メモ登録用コメント] 最終追い切り美浦坂路で馬なりの終い最速ラップなら馬券圏内

・9/30 中山9R 芙蓉Sプリフォンテイン(4人/5着)
 勝ちパターンでレースを進めるも、直線は外からの強襲にあって5着。勝ち馬につけられた着差0.7秒は褒められた内容ではありませんが、淀みなく流れるレースを経験できたことが今後に繋がってくるはず。次走も中間にCWの追い切りを挟んでいれば、今度は馬券圏内への好走を見せてくれるはずです。

[メモ登録用コメント] 調教タイプが併用もしくは主体系統なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・10/6 東京9R サフラン賞モーニングムーン
 東京芝1400mは開幕週でスピードが要求される馬場だと美浦坂路を馬なりで好時計を出すタイプが好走します。本馬の1週前追い切りは美浦坂路で馬なりの4F50.5秒。しかも終い1F11.9秒は秀逸です。できれば最終追い切りも馬なりでこれに近い時計で動くことができれば、まず勝ち負けといったところでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切り美浦坂路で馬なりの4F53.0秒以下なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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