種牡馬シングスピール(父インザウイングス)は、96年のジャパンCでデットーリ騎手が乗り、ファビラスラフィンに競り勝った馬。名牝グロリアスソングの産駒では、グランドオペラ(父ニジンスキー)が日本に輸入され、メイセイオペラなどを送って成功しているから、外国の種牡馬のわりにはなじみがある。
その種牡馬シングスピール、種牡馬になったのが98年。最初から世界中で注目馬を送り始めた。昨年、英ダービーを3着したムーンバラッドは今春、ドバイワールドCを圧勝している。父シングスピールに次いでの父子制覇だった。シングスピールはその母が北米17勝のグロリアスソングとあって、ダートも平気。その産駒も芝・ダートを問わないから、さらに世界のトップホースを送る可能性にあふれている。
日本では、いきなりローエングリンがオープン馬に成長。このままうまくいくとG1宝塚記念の有力馬となりそうだ。
カーッとして少し行きたがるのは、TVで観ただけだが、ドバイWCを圧勝したムーンバラッドと同じ。ローエングリンにもそういう点はあるが、もともとが平均ペース型。初勝利を東京2000mで記録した際、2歳馬ながら61.3-61.3秒という古馬でも珍しいバランス抜群のラップを踏んでいる。つぎに東京2000mを2分0秒3で制したときは差す形だったが、この馬自身の前後半はまったく同じだった。
マイルだとペースを上げる必要があり、そのため行きたがる。もうマイル戦より、もう少し長い距離を狙ったほうがいいと思えるのだが、ここはマイペース必至。取りこぼせないだろう。宝塚記念に向けての手ごたえを確かなものにしたい。