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スワンS、京都芝外回りにはスピード調教が重要

  • 2012年10月23日(火) 18時00分
 久しぶりに単勝1倍台の馬に本命を打った菊花賞。あのゴールドシップの強さを見た時に、あらためて自分の印が間違っていなかったこと、そしてやっぱり◎は勝つと思う、勝つ可能性のある馬に打つべきだと再確認させられました。思えば、1年前の菊花賞はオルフェーヴルを差し置いて、とんでもない馬に本命を打っていました。このお仕事をさせていただいて、長くなってきましたが、ようやく◎の打ち方が分かってきたような気がします。

スワンS出走のオリービン

スワンS出走のオリービン

 この流れを崩さずに、天皇賞秋で皆様のお役に立てる◎を打つことができるかどうか。それは明日の最終追い切り次第ということになりそうですが、そのレポートは特別コラムでお届けする予定となっています。そこで今週の当コラムではNo.1予想でも取り上げるだろうスワンSをはじめとした、オープン競走のレポートをお届けしたいと思います。

 まずは先週のWIM5対象レースですべて勝ち馬となった「3歳馬」から、オリービン。前走ポートアイランドSでは最終追い切りこそ、併せ馬で先着する機敏な動きを見せていましたが、調教本数は決して多くありませんでした。それでも結果を出すあたりが能力の高さというところでしょう。

 この中間も調教量は大きく変わっていません。あとは最終追い切りも馬なりで速い時計を出せるようなら、この馬として万全の状態で出走することができそうです。ただ、今の京都芝外回りはあまり軽い調教が好走できるほど、軽い馬場ではありません。そういったスワンSへの調教適性という意味で、あまり高い評価ができないというのが現時点での見立てです。

エーシンホワイティ、積極的に狙いたい

エーシンホワイティ、積極的に狙いたい

 逆にそんな馬場だから、積極的に狙ってみたい。そう思えるのがエーシンホワイティ。常に坂路での調教本数は多く、それが京都芝1400m外回りでの良績に繋がっていると思います。なにより時計の速い馬場なのに、調教本数が必要という今の馬場には、坂路4Fで51秒台をマークできるこの馬のスピード調教は最適。あとは最終追い切りでどのくらいの動きを見せてくれるか、そこを楽しみにしたいと思います。

 同じ京都芝外回りでは2鞍、オープン特別が行われますが、カシオペアSで断然人気を集めそうなのがヒストリカル。暗い時間帯だったため、画像は見にくいものになってしまいましたが、前走後も元気よく調教されていることを強調するような動きでした。

 調教本数は十分に積んでおり、あとは最終追い切りの動きだけ。理想はワールドエースの2着だった、きさらぎ賞時と同じような感じで、4F52秒台、1F12秒台でまとめるという、ある程度速い時計が、今は好調という証になるような気がします。

 最後は2歳戦の萩S。こちらの注目はPOGでも上位指名多数のネオウィズダム、札幌2歳Sでの敗戦はあったものの、新馬戦の印象は記憶に新しいトーセンパワフルといったところが注目株だと思います。ただ、ここまでのくだりで、この2頭に京都芝外回りの適性がないことはお分かりでしょう。

 中間の調教量を見ていると、一番魅力を感じるのはダンツクロノス。坂路での調教本数は非常に多く、いかにも今の京都芝外回りには適性がありそうです。実際、昨年の萩Sで単勝万馬券の大激走を見せたスノードンが標準多め坂路。その時は栗東坂路で最終追い切りを行って、終い最速ラップの追い切りだったので、このパターンに該当すれば、ダンツクロノスだけでなく、どの馬にもチャンスありという見方をしています。

◆次走要注意
・10/20 東京5R 2歳新馬【ランブリングマン】(6人/3着)
 中間の追い切りでも動いており、6番人気がむしろ低評価だっただけ。勝ち負けできる状態に仕上がっていたとは思いますが、4コーナーで狭い場所に入って、直線に向いても外へ出さなければいけない状況。それで3着まで追い上げた方だと思います。

 先行したからといって、抜け出して押し切れるほど能力が高いかどうか分かりませんが、少なくてもスムーズな競馬をすれば、すぐに勝ち上がれる馬です。

[メモ登録用コメント] 調教本数標準以上の調教タイプなら勝ち負け

・10/21 京都5R 2歳新馬【エピファネイア】(1人/1着)
 デビュー前から角居勝彦調教師の期待が大きかった馬ですが、気性の激しさがどう出るかがポイントでした。あの爆発力を見ると、今のところは走ることへ向いているようなので、これからが楽しみな勝ち方になりました。

 中間の調教を見ていても、まだまだ強くなってきそうな感じ。今後は最終追い切りがCWなら信頼したいと思います。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りがCWで併せ馬先着(角居勝彦厩舎の勝負調教)なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・10/27 新潟11R 驀進特別【シゲルアセロラ】
 直線競馬が初めてではありますが、これまでのレースぶりから先行する展開は容易に想像できるのではないでしょうか。ただ問題は最後の失速。1000mならそれが補えるということに加えて、栗東坂路ではラスト2Fが非常にしっかりした走りをしており、これが直線競馬に向きそうなのです。

 そのためにも今週の最終追い切りでもしっかりラストの脚を使ってくれることが条件。2F25秒以下であれば、実戦でも逃げ切り可能と判断したいところです。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが栗東坂路で2F25秒以下なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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