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東京競馬場リニューアル記念

  • 2003年04月25日(金) 11時46分
 東京にもどって526mになった長い直線のレースが楽しめる。長い直線は底力勝負になる結果、レースの流れひとつで脚質の有利不利はないのだが、開催が変わったばかりは先行馬有利がずっと古くからのパターン。まして高速の芝で、どの馬もバテずにレースの上がりは速くなる。

 直線の異常に長いコースといえば、まず新潟。また、再三日本馬が遠征するコースでは、ドバイのナドアルシバの直線も長い。

 直線の長いコースは、もともと追い込みが決まりにくい。切れ味ではなく、最後にみんな苦しくなったところで、バテないスタミナと、先に行った利が生きる形が多い。

 新潟の長い直線でもっとも良くあるパターンは、差しタイプがスパートして追いついたところで、もう1回先行馬に脚を使われて変わらない先行残り。そして、苦しくなったところでスタミナが生きてくる「ヨーロッパ血脈」を持つ馬のがんばりと、あとは、鍛え方のちがう「関西馬」の粘り腰だった。一瞬の脚では苦しく並ぶまで。最後は止まらない関西馬と、ヨーロッパ血脈の裏付け。このパターンは東京にも当てはまるだろう。

 東京11Rは、3番タニノエタニティをもう一度狙う。前走、57キロでG2大阪杯を小差5着なら、もうオープンで通用の力をつけた。

 芝の2400m以上で3勝しているように、もともとが一瞬の切れではなくスタミナ型。典型的なラムタラ(その父ニジンスキー)の特徴を受けついでいる。ファミリーはタニノギムレットを送った名門中の名門の長距離系。

 これからの本格化は長距離でこそだろう。武幸騎手はあまりタメず、この馬では早く動く点もプラスとなる。

 大穴は、実績はまったく下だが、牝系にスタミナの血を秘める11番ニシノプロミネンスの逃げ。50キロなら怖い。母父シェルシュールドールはノーザンダンサーに、牝馬凱旋門賞馬の産駒で、本当は名種牡馬だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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