東京にもどって526mになった長い直線のレースが楽しめる。長い直線は底力勝負になる結果、レースの流れひとつで脚質の有利不利はないのだが、開催が変わったばかりは先行馬有利がずっと古くからのパターン。まして高速の芝で、どの馬もバテずにレースの上がりは速くなる。
直線の異常に長いコースといえば、まず新潟。また、再三日本馬が遠征するコースでは、ドバイのナドアルシバの直線も長い。
直線の長いコースは、もともと追い込みが決まりにくい。切れ味ではなく、最後にみんな苦しくなったところで、バテないスタミナと、先に行った利が生きる形が多い。
新潟の長い直線でもっとも良くあるパターンは、差しタイプがスパートして追いついたところで、もう1回先行馬に脚を使われて変わらない先行残り。そして、苦しくなったところでスタミナが生きてくる「ヨーロッパ血脈」を持つ馬のがんばりと、あとは、鍛え方のちがう「関西馬」の粘り腰だった。一瞬の脚では苦しく並ぶまで。最後は止まらない関西馬と、ヨーロッパ血脈の裏付け。このパターンは東京にも当てはまるだろう。
東京11Rは、3番タニノエタニティをもう一度狙う。前走、57キロでG2大阪杯を小差5着なら、もうオープンで通用の力をつけた。
芝の2400m以上で3勝しているように、もともとが一瞬の切れではなくスタミナ型。典型的なラムタラ(その父ニジンスキー)の特徴を受けついでいる。ファミリーはタニノギムレットを送った名門中の名門の長距離系。
これからの本格化は長距離でこそだろう。武幸騎手はあまりタメず、この馬では早く動く点もプラスとなる。
大穴は、実績はまったく下だが、牝系にスタミナの血を秘める11番ニシノプロミネンスの逃げ。50キロなら怖い。母父シェルシュールドールはノーザンダンサーに、牝馬凱旋門賞馬の産駒で、本当は名種牡馬だった。