毎年きまって波乱のこのレースは、ハンデ戦だったからもあるが、ダート路線ではビッグレースのない時期。実力上位のグループがあまり信用できないローテーションで出走してくるところにあった。
今年から別定戦。たまたまの理由でドバイ遠征を取りやめた9番ゴールドアリュール、4番イーグルカフェが出走してきたから順当に収まっても不思議ないが、砂を8cmにした新しい京都ダートで、きびしい流れが考えられる。というのも、このコースで5勝もしているスマートボーイが、1000m通過60秒前後で強引に飛ばしていくからだ。59キロのゴールドアリュール(最近は55〜56キロ)が早めにスパートするようだと、展開を利して差し馬が一気に台頭のシーンもある。
注目は、上がり馬11番タイムパラドックス。やっとオープンに出世してきたばかりで実績は下だが、それだけに楽な56キロ。ゴールドアリュールとは3キロの差がある。
たまたまの部分もあるが、京都1800mダート1分50秒6の持ち時計は同じ。展開の利はタイムパラドックスにある。
父ブライアンズタイムは、ビッグレース向きの底力を伝えると同時に、その勝ち星の6割以上がダート戦。同じ父系のサンデーサイレンスより、ダート適性では一枚上の部分もある。このタイムパラドックス、京都では上がり36〜37秒台で伸びる爆発力がある。
牝系も実は大変なダート巧者を送って不思議ない。いとこが種牡馬サクラローレルだが、ヨーロッパタイプの配合にもかかわらず、サクラローレルはダート抜群だった。産駒もほとんどがダート巧者ばかりだ(ローマンエンパイア以外)。祖母の父がボールドラッド。その血だろう。56キロなら、G1級を差し切って不思議ない。
東京11Rは、西のミルフィオリ、シロキタガデス。2頭の上昇馬が怖い。