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マイルCS、東京スポーツ杯2歳S、福島記念など

  • 2012年11月12日(月) 18時00分
【栗東トラックマン】
◆日曜京都11R・マイルCS(G1)
・グランプリボス
「前走(スワンS1着)は、休み明け初戦に1800mを使ったのが良かったようで、スタートが良かったわりにフワッと行けましたね。以前よりもパワーアップしてきた印象だし、この中間も順調そのものですし、状態はすごくいいですよ。気性面も成長してきているし、なんとか古馬のGIをと思っています」(矢作調教師)

・サダムパテック
「前走(天皇賞・秋8着)は久々のレースでしたが、これまでぶっつけで結果が出ている馬だし、そのあたりのことを考えて敢えて休み明けで臨みました。最後は伸び切れなかったものの、速い流れをしぶとく粘っているし、内容は悪くありません。レース後も特に疲れなく順調に調整できていますし、展開がはまってくれれば楽しみですね」(西園調教師)

・ドナウブルー
「前走(府中牝馬S3着)は前半少しハミを噛んでしまったようで、その分終い伸び切れなかった感じでした。レース後は順調に来ているし、体が減るようなこともないですね。古馬になって心身ともにしっかりしてきたのが大きいでしょう。マイルはベストの距離だと思うし、輸送が短いのもプラス。状態はいいので期待しています」(石坂調教師)

・フラガラッハ
「前走(富士S14着)は休み明けで太目だったこともありますが、前が残る展開でこの馬には厳しかった。使って確実に良くなっているし、悲観はしていません。中間は積極的にコース追いを取り入れて太目感はなくなってきていますよ。京都コースはあまり走ったことがないのでなんとも言えませんが、展開さえ向けばここでも差し切れる脚を持っているので期待したいですね」(松永幹調教師)

・マルセリーナ
「前走(府中牝馬S5着)は内目の枠で後手に回ってしまった感じ。さすがに厳しい位置取りだったから、仕方のないところはありますね。レース後はひと叩きした効果がうかがえて、いい動きを見せています。1週前にしっかりとやれたので、当週はサラッとで十分でしょう。道中スムーズに運べればいい脚を使ってくれるし、ここでも期待しています」(松田博調教師)

◆土曜東京11R・東京スポーツ杯2歳S(G3)
・サトノノブレス
「前走(いちょうS2着)はスムーズさを欠く場面があって、窮屈なところに入ってしまったし、実質的に追えたのはラスト50mほど。完全に脚を余してしまいました。レース後はここを目標に順調に調整できているし、状態はいい。広いコースで伸び伸びと走れればいい走りをしてくれるはずです」(池江調教師)

・ミヤジタイガ
「前走(アスター賞1着)は中山の開幕週で馬場状態は良かったけれど、それでも翌週の1000万下よりも速い時計でのレコードだから、強い勝ちっぷりでした。攻め馬では追ってしぶといところを見せているので、距離を延ばしてここを目標に調整。順調に来ていますよ。状態はいいので楽しみです」(岩元調教師)

◆日曜福島11R・福島記念(G3)
・アスカクリチャン
「前走(新潟記念3着)は敗れたものの内容は良かったですからね。夏場に3回使ったので、そのあとは放牧に出してリフレッシュ。ここを目標に調整して帰厩しました。帰厩してからもしっかりと乗り込んでしあがりはいいし、この条件は勝った七夕賞と同じ。そういう面でも期待は大きいですよ」(須貝調教師)

・ミッキーパンプキン
「前走(アイルランドT3着)は好位からしぶとく粘ってくれました。以前のようにポジションを取りに行くとハミを噛んでしまうようなところがなくなってスムーズに走れるようになったのは大きな成長ですね。この中間も順調に調整できているし、小回りコースでこの馬らしいしぶとい脚が発揮できる展開なら楽しみです」(内田調教助手)

【美浦トラックマン】
◆日曜京都11R・マイルCS(G1)
・リアルインパクト
 今年も昨年と同様に安田記念→休養→毎日王冠→マイルCSのローテーションを組んで、中間はここを本番に定め入念な乗り込み。1日が稽古走るOPイジゲン相手に先着。そして8日の1週前追いは同厩舎でこの一戦を使うストロングリターンが内、真ん中がリアル、そして外がファイナルフォームという豪華な3頭併せでビシッと追い切った。ゴール前は結局1馬身遅れとなったものの、コース取りを考えれば全く互角という内容を消化。休み明けの前走時でも強めの追い切りが2本だったのに比べ、今回はもろ2本をも追い切っており、直前の調整でもう1本強く追うことを考えると、状態は最近なく巧く仕上がっている。あとは少しでも前で競馬ができ、折り合うことができれば久々の勝利は十分可能。

・ストロングリターン
 4か月ぶりで臨んだ前走の毎日王冠。調教量は十分だったが、やや太めの馬体。道中も行きたがって折り合いを欠くシーン。そのぶん追い出してからモタれ伸びを欠いた。1週前の調教は5Fから同格リアルインパクト、ファイナルフォームを追走し64秒6〜上がり37秒4。前走後は落ち着きを取り戻し、道中キッチリ折り合って、最後まで頭を上げることなく力強く反応した。叩かれて筋肉が締まり集中力に大きな変わり身を見せた。ベストの1600で全開。

・ファイナルフォーム
 3か月ぶりの競馬で、さらに古馬との初の対戦になった富士Sでも2着を確保。パドックで見た体つきは、まだ緩さが残っていただだけに、ひと叩きの効果を大きく見せている。先週はウッドチップで、ストロングリターン・リアルインパクト達と豪華な3頭併せで、65秒4〜37秒8。古馬達に1〜2馬身遅れを取ったが、稽古はそれほど動くタイプではなく、この時計が出れば心配なし。それよりもこれだけハードに追えた事が大きな収穫、夏を越しての成長も確実に見せている。競馬を重ねるごとにレベルを上げている馬、勢い重視、勝ち負けの競馬になる。

・アイムユアーズ
 前走秋華賞は切れ味勝負に敗れた感もあるが、最大の敗因は距離面。そのためエリザベス女王杯には目もくれず目標をここに定めて入念に乗り込んでいる。中間は南D、坂路、そして1週前のウッドと、コースに変化を持たせながらの調整。7日の1週前追いは1600万マイネルグートを2馬身追走から、ゴール直前軽く仕掛け3馬身先着。5F67秒3〜3F38秒3〜1F13秒1は平凡な時計だが、とにかくゴール前の機敏な反応は古馬相手でも十分に通用するモノを見せつけた。メンディザバルジョッキーも1週前追いに跨り感触は把握したはず。初の牡馬相手にもなるが、スピード競馬への対応力、瞬発力比べならヒケを取らないことは確か。スタート互角に出て流れに乗ればチャンスは十分にありそうだ。

・レオアクティブ
 連日、北Cコースで順調に乗り込まれている。コズミは目立つものの、もともとがそういう体質の馬。レースではまったく影響はなく、ゴツゴツしているのは、むしろ好調の証しともいえる。前走のトライアル(スワンステークス)は、1番人気に推されながら9着と敗れたが、これはハッキリと流れが不向き。前半が35秒2〜46秒7〜57秒7に対して、後半が56秒9〜45秒3〜33秒8という先行馬ペース。4角しんがりから外を回っては届く理由がない。それでも、この馬自身33秒2とメンバー最速の脚を使っており、さらに勝ち馬とはコンマ5秒差。決して悲観する内容ではなく、マイルの本番では末脚が炸裂すつ可能性は十分にある。

◆土曜東京11R・東京スポーツ杯2歳S(G3)
・ザラストロ
 前走の新潟2歳S。折り合いを欠くことを恐れて後方から。直線を向いて大外へ出し終い豪快に伸びてレコード勝ち。気性の勝ったタイプで精神面で成長できれば将来性十分…を感じさせた内容。今回は約3か月ぶりのレースになるが、ジックリ乗り込まれ、1週前の追い切りでは古1000万のパワフルラリマーを5Fから3馬身ほど追走。それでもゴール前では押さえ切れない手ごたえで66秒3〜上がり38秒4をマーク。すでに馬体は仕上がり切れのあるフォームで態勢は整った。久々でも緒戦から力を出し切れる馬。

・ダービーフィズ
 スローペースの新馬戦を最後方に近い位置から、大外を伸びてハナ差の惜敗。前走は同じ栗毛ということもあるが、オルフェーヴルを思わすような迫力ある伸び脚で圧勝。まだ2戦のキャリアだが、並々ならぬ能力を感じさせるパフォーマンスを見せている。1週前追いも素軽さ満点の動きで好調子をアピール。いきなりの重賞挑戦で厳しい面も多いが、通用しても不思議ない素質馬だ。

・コディーノ
 札幌2歳Sを勝った後は、ひと息入れてリフレッシュ。10月の初めに帰厩してから5本の時計をマーク。先週はウッドチップで67秒4〜37秒7。バンスタンウォルツを1秒4追走したが、ゴール前で軽く手綱を動かし、半馬身先着させてゴールイン。競馬でもそうだが、追ってからの反応がとても良い馬。馬体・動きともに久々感は全くなく、不満のない状態が整っている。スッと好位が取れ、展開にも左右されないタイプ。不安材料はなく、まだまだ無傷の連勝街道が続く。

◆日曜東京11R・霜月S(OP)
・メイショウツチヤマ
 1週前追いはテンから13秒台と攻め馬を強化したが、最後まで素軽さ満点の動き。前走勝ちの反動もなく、更に良化を見込める動きを見せた。前走は久々の1戦で人気の盲点になった感があるが、折り合いに専念して直線勝負に賭けられる東京の1400ダートは、最も得意と思えるコース。今回はオープンのメンバーが相手になるが、条件戦の頃から、かなり骨っぽい相手と戦ってきた馬。全く見劣らない。

◆日曜福島10R・福島2歳S(OP)
・ワンダービリーヴ
 1週前の追い切りは、本番で手綱をとる予定の的場騎手がまたがって5ハロンから。カーッとする一本調子の性格を考慮して、馬を落ち着かせることを一番のテーマに、混雑する時間を避けて単走で。道中はピタリと折り合いがついて、68秒0〜52秒0〜38秒4をマーク。最後までしっかりと伸びていた。中山でのデビュー勝ちは、スピード任せに逃げ切ったものではなく、中位から鋭く差す若駒らしからぬ好内容。1勝馬が大半の福島のメンバーなら、十分に好勝負できるはずだ。

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美浦・栗東トレセンから重賞出走馬を中心に陣営の談話、中間の動きをレポート

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