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軸馬不在のマイルCS、グランプリボスの最終追いに注目

  • 2012年11月13日(火) 18時00分
 今週はマイルCS。秋のマイルGIですが、思えば、春のマイルGIの安田記念は大混戦のメンバーで1番人気サダムパテックの単勝オッズが6.6倍でした。夏場に新星が登場したというわけでもなく、このレースの顔ぶれも安田記念と大きく変わったわけではありません。よって、抜けて人気になるような馬はおらず、netkeiba.comの予想オッズでもグランプリボスが4.5倍の1番人気と、人気は割れています。


人気が予想されるグランプリボス

人気が予想されるグランプリボス

 この秋のGIシリーズは確固たる軸となる人気馬が存在するレースが続きましたが、さすがにこのレースはそんなわけにはいかないでしょう。どの馬からでも馬券を買うことができる、難しいレースであることは承知の上ですが、だからこそ的中させて結果を残したいところです。

 では出走予定馬を今朝の調整も含めて、見ていきましょう。まずは現在予想オッズで1番人気のグランプリボス。こちらは毎日王冠こそ6着に敗れたものの、安田記念は2着、そして前走スワンSは1着と近3走で安定した結果を残しています。そもそも朝日杯FSを勝っているマイルGIウイナー。人気になって当然の存在ではないでしょうか。

 今朝は坂路を1本駆け上がりましたが、その時計は4F59.1〜3F41.9〜2F27.0〜1F13.4秒。最初の1F目を17秒台で入ったので、全体の時計は59秒で収まりましたが、残りの3Fは追い切りとほぼ変わらないようなラップ。その迫力だけ見ると、すごいなあと本当に関心させられてしまいますし、追い切った後も息が上がるような素振りは見せていませんでしたから、テンションを心配することもなさそうです。

 ただ前走が1400mを快勝してのこの調教というのが気になります。グランプリボス自体、マイルという距離にまったく不安はないと思いますが、現状だと一気に走り切ってしまおうという走りにゆとりのない感じがどうしても距離不安のイメージを抱かせてしまいます。1週前追い切りではきっちりと終い最速ラップの追い切りができているので、最終的にはこのあたりのラップ確認も重要な取捨選択の方法かも知れません。

リフレッシュしたドナウブルー

リフレッシュしたドナウブルー

サダムパテック、レース後順調

サダムパテック、レース後順調

 個人的にずっと「いいな」という印象を持って見ているのがドナウブルー。前走は久しぶりに馬体を減らしてしまいましたが、この中間もノーザンFしがらきへ超短期放牧。これでリフレッシュしているはずですし、また普段の仕草からもイライラしたような様子はまったくなく、だからこそ火曜日は坂路を2本乗るという負荷を掛けることができているのではないでしょうか。

 坂路を駆け上がってくる際には来週のジャパンCを予定している妹ジェンティルドンナと一緒の時間帯が多いのですが、馬体のスケールはやっぱり妹が上。ただ安定して結果を出せなかった3歳時にくらべると、随分しっかりしたというのがドナウブルーです。あとは最終追い切りでどの程度の時計内容になるのか、このあたりにも注目してみたいと思っています。

 安田記念で1番人気に支持されたサダムパテック。こちらは天皇賞・秋から叩き2走目のレースになります。この中間もダメージはまったくなく、坂路を1本、DPを1本という運動量を継続し、11日にはしっかりと追い切りを消化。今朝も元気よく坂路を駆け上がっていましたが、こちらに関しては別コラムで西園正都厩舎のインタビュー(もちろんシルポート、コスモセンサーも含む)でいろいろお話しを聞いているので、どうぞそちらをご確認ください。

◆次走要注意
・11/10 東京11R 京王杯2歳Sマイネルエテルネル(2人/8着)
 ハナに行く形になって最後は失速。新馬戦こそ、ハナを切ってスピードで押し切ることができましたが、さすがに重賞、東京の長い直線では無理でしたね。しかしこの経験が活きれば、次走のマイルG1では結果が出るはず。特に中間、トラック調教を併用してくれれば、文句ないんですが。

[メモ登録用コメント] 併用調教で朝日杯FS出走なら勝ち負け

・11/11 京都9R 黄菊賞キズナ
 ここに掲載しなくても、今後も人気馬として取り上げられることは間違いありませんが、それでも取り上げておきます。普段の調教はCWで乗ることがあるんですが、その時のキャンターが抜群。実戦でも弾むようなフットワークを見せているように、本当に将来性豊かな馬。とにかくこのまま順調に進んでほしい大器です。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが調教場所問わず終い最速ラップなら勝利確信

◆今週末馬券圏内
・11/18 福島10R 福島2歳Sワンツーステップ
 今週で開催最後となる福島競馬場ですが、芝1200mで重要なのは併用調教。そして最終追い切りは荒れた芝でも最後まで止まらない坂路での終い最速ラップという追い切りが重要になります。このどちらも該当しそうなのがワンツーステップ。出走登録頭数が多いだけに、この馬が出走しなくても、併用で最終追い切りが坂路で終い最速ラップを踏めていれば、そんなタイプを狙いましょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが美浦坂路で終い最速ラップなら馬券圏内

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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