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ジャパンC、京阪杯など

  • 2012年11月19日(月) 18時00分
【栗東トラックマン】
◆日曜東京11R・ジャパンC(G1)
・エイシンフラッシュ
「前走(天皇賞・秋1着)は外目の枠からうまく内に進路を取って、折り合いも文句なし。最後もラチ沿いに素晴らしい瞬発力を見せてくれました。レース翌週の週末から角馬場で乗り出していますが、回復が早く順調に調整できています。変わりなくいい状態で来ていますし、できればロスなく立ち回れる内枠が欲しいですね」(田代調教助手)

・オルフェーヴル
「凱旋門賞(2着)は最後の最後で悪い癖を出してしまって、本当に残念でした。レース後は着地検疫を受けたあとにノーザンファームしがらきへ移動し、調整。馬体重も順調に戻ったので、ここを視野に帰厩させました。1週前追い切りの動きはまずまずでしたし、モタれるような面も見せていませんでした。とにかくリズム良くまっすぐ走ってくれれば結果はついてくると思っています」(池江調教師)

・ジェンティルドンナ
「秋華賞(1着)は途中から1頭大きく前へ行く展開でしたが、最後は差してくれると思っていましたから。レース後は短期放牧に出してここを目標に調整。思った以上に回復が早く、予定通りに来ています。1週前追い切りの動きもまだ余裕があったし、動きも良かったですね。夏を越えて心身ともにしっかりしてきたし、成長を感じる状態。古馬とは初対決ですが、53キロの斤量もあるし、楽しみにしています」(石坂調教師)

・トーセンジョーダン
「前走(天皇賞・秋13着)は残念な結果でしたが、予定していた札幌記念を裂蹄で回避するなど、去年とは順調度が違いましたからね。まだ中身ができていなかったと考えれば、仕方ないところかもしれません。レース後はまだもっさりした感じは受けるけれど、使った分の上積みを期待できますし、あとは気持ちの面で前向きさが出てくれば」(池江調教師)

・ルーラーシップ
「前走(天皇賞・秋3着)は飛び上がるような感じでゲートを出てしまい、ダッシュがつきませんでした。外、外を回らされてしまいましたし、運がなかったという結果でした。レース後は順調に調整できていますし、状態は高いレベルで安定しています。この中間は週に2回ゲート練習も取り入れているので、なんとかうまくスタートを決めていいレースをしてもらいたいと思います」(山田調教助手)

◆土曜京都11R・京阪杯(G3)
・オリービン
「前走(スワンS5着)は敗れたとはいえスムーズなレースができました。マイルぐらいだとペースによっては行きたがってしまいますし、1400m以下はレースがしやすいのだと思います。この中間も順調で状態は安定していますし、引き続きここでもいい競馬を期待したいですね」(橋口調教師)

・サドンストーム
「前走(京洛S1着)はいい勝ち方をしてくれました。休み明けだった3走前のセントウルSは強豪相手に5着と力を見せてくれましたが、今回は使ってきて順調そのものですし、重賞のメンバーに入っても期待したいところです」(西浦調教師)

・シュプリームギフト
「前走(オパールS6着)は着順ほど差はない競馬ができているし、夏場結果を出してきた滞在競馬ではなく、当日輸送でも大丈夫と分かりましたからね。このあたりは気性面の成長でしょう。この中間も順調に調整できていますし、状態もいいですよ。キーンランドSで4着に来ているように、重賞でも十分やれますから楽しみです」(須貝調教師)

・ハクサンムーン
「前走(京洛S15着)は道中ずっと絡まれてしまう感じで最後は余力がなくなりました。馬体が合う形にさえならなければかかるようなことはないのですが、こればかりは相手もあることですから。レース後は順調に回復しており、馬体のケアも十分できていますので、なんとか巻き返してもらいたいですね」(西園調教師)

・パドトロワ
「前走(スプリンターズS8着)はスタートでやや出負けしてしまい、いつもよりもスムーズに前へ行けませんでした。また、前でやりあう展開も厳しかったと思います。レース後は放牧に出してリフレッシュさせ、ここを目標に調整。緩んだ感じはなく順調に来ていますし、巻き返しは可能だと思っています」(鮫島調教師)

【美浦トラックマン】
◆日曜東京11R・ジャパンC(G1)
・フェノーメノ
 前走の天皇賞は、3歳馬で2キロ有利な斤量ではあったが、4番手の正攻法のレースから直線で外目に出し、キッチリ前は掴まえたが内をスクわれ2着。古馬相手を勝ちに行っただけに内容の濃い2着。1週前の追い切りは、6Fから格下ヒールゼアハーツを3馬身ほど追走し81秒7〜上がり38秒4のタイムでゴール前で瞬時に3馬身突き放した。気合をつけてから反応は素晴らしく前走の反動はまったく感じられない動きを披露した。脚の使いどころさえ間違えなければ再度好レースだ。

・ジャガーメイル
 3年連続でのJC参戦。今年は8歳古馬として挑むわけだが、前2年が3、4着という成績から、もう上積みは? と思われがちだが、キャリア積んだ分調整が毎年上手になり、15日の1週前追いは今まで以上に切れ味を感じさせる好内容を消化。Pコースで単走追いとなったが、道中は折り合ってロスのない走り。そして残り1Fから軽く仕掛けると素早く反応して5F63秒4〜3F35秒6〜1F11秒6の好タイムをマーク。馬体も年齢を感じさせないハリがあり、毎年ここを目標に状態をピークに仕上げてくるのはさすが。このひと追いで気合がグーンと上がってくれば本物。大混戦の中を瞬発力を生かした競馬に徹すればチャンス到来だ。

・ダークシャドウ
 ドバイ遠征後は、4か月あけて札幌記念。そしてまた2か月あけて天皇賞・秋と、間隔を詰めて使われなかったが、この中間はいたって順調。調教でも負荷をしっかりとかけ、確実に良化気配を見せている。今週はウッドチップでムーア騎手を乗せて、65秒6〜37秒9。ゴールまで目一杯に追われてきたが、脚どりが乱れる事はなく、一直線の伸び脚を披露。天皇賞・秋は馬体増8キロぶんほど、状態面に余裕を残していたが、今回は気合のりから変わり、馬体・動きともに絶好調時のシャープさを取り戻している。オルフェーヴルは居ても、状態面では圧倒的に有利。悲願のGI制覇をここで決める。

◆土曜京都11R・京阪杯(G3)
・テイエムオオタカ
 脚色こそ劣ったとはいえ、攻め馬大将のサンカルロを、外から追走して先着。回転の速いフットワークで抜群の瞬発力を見せた。多少太く見える体型(筋肉の塊)は典型的な短距離馬のもので、スプリンターとして完成の域に近づいてきたようだ。前走もしぶとい粘りを見せたが、やはり1400mは距離が1F長すぎ。マイルCS後で幾らか手薄になる相手関係で1200mなら、間違いなく勝ち負け。

◆日曜東京10R・プロミネントJT(1600万下)
・プティプランセス
 ようやく好調時の躍動感が戻ってきた。1週前の追い切りは、2歳のレディーピンクと併せて5Fから。およそ1秒追走する形になったが、大外を回って並びかけたところがゴール。最後まで手綱は動かぬままだった。どちらかというと器用さに欠けるタイプで、直線の長いコースの2000mがベスト。牡馬相手の重賞で小差の5着の実績もあり、準オープンならいつでもチャンスはある。「追える外人騎手」でも引き当てるようなら、一変した走りを期待していい。

◆日曜東京9R・キャピタルS(OP)
・モンストール
 条件馬のレジアーネ相手に多少先行したとはいえ、ゴール前は優勢の脚色。持ったままの手応えで1F11秒台をマークした。馬体、気合が良好だし、動きも素軽さ満点。ようやく好調時のデキに戻ったと思える。新潟2歳Sでジャスタウェイ以下に快勝して以来、勝ち星から遠ざかっているが、皐月賞、ダービーでも着順ほどは負けていない馬。状態面さえ良くなれば、オープン特別は好勝負できる。

・スマイルジャック
 今年1年の1600戦に限ればGI安田記念8着以降6、2、7着と以前の安定味が発揮できており、特に上がり3Fの時計は4戦とも34秒を切る末脚で押し上げている。7歳古馬となったものの、決め手比べならまだ衰えがないことは確かで、舞台が得意の左回り1600m戦なら勝ち切る力は十分にあるはず。前走富士S以来中4週のレース間隔があくが、11月10日と14日に長めから追い切り息もちは十分。1週前の14日は6F83秒0〜3F40秒0〜1F14秒0と、最後少し伸び脚を欠いたものの、このひと追いで太めが絞れ、自ら馬体を造ってくるだけに仕上がりにぬかりはない。少し時計がかかり始めた馬場を味方に、ラスト3Fの決定力比べから、直一気の差し脚に期待。

◆日曜京都12R・太秦S(OP)
・クリスタルボーイ
 前走は久々で京都へ遠征しての室町S。ジックリ乗り込まれて仕上がりは悪くなったが、ゲートの中で待たされスタートで躓く不利。二の脚を使ってハナへ行ったものの最後で甘くなり0.2秒差の6着。京都の1200mダートは得意を示した内容。1週前の調教は稽古駆けするフラアンジェリコを5Fから2馬身追走。それでも最後まで集中した走りで圧倒し久々を叩かれた効果の大きさをアピール。万全のデキでスタート5分なら…。

◆土曜東京11R・ファンタスティックJT(1600万下)
・メジャーアスリート
 叩き2戦目となった前走の奥多摩S。道中はピタリと折り合い、直線ではしっかりと伸びて小差の4着。ダート向きとも思われていたが、過去には芝のオープンで2着の実績のある馬。まったく問題はなかった。順調に使い込めるようになって馬体もキッチリと絞れ、戦列復帰後では今回が一番の好状態。今春はNHKマイルC(GI)にまで駒を進めたほどの素質があり、準オープンはいつでも抜けられるパワーと切れ味がある。

◆土曜東京9R・エクセレントJT(1000万下)
・ホーカーテンペスト
 気性の激しさで出世を遅らせていた馬だが、1週前はウッドチップで72秒0〜42秒3。引っかかるのを恐れて、終い重点の稽古しかできなかった馬が、長めからこれだけゆったり走れることが、成長の証にばっている。前走はマイル戦で1000m通過60秒9と、超のつくスローペース。この遅い流れを馬込みの中で我慢が出来たのは大収穫。ただ直線外に出すのに手間取り、仕掛け遅れの形に。ゴール前、猛追を見せいただけに、勿体ない競馬になってしまった。引き続き状態面に不安もなく、今度こそ勝ち切る。

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美浦・栗東トレセンから重賞出走馬を中心に陣営の談話、中間の動きをレポート

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