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JCのローズキングダム『一度叩いて変わってくる可能性は十分あるよ』

  • 2012年11月20日(火) 18時00分
現在、左腓骨骨折により休養中の小牧騎手ですが、阪神開催での復帰に向け、順調に回復しているようです(詳細は次週に!)。さて今回は、ユーザーからの素朴な疑問と、今週ジャパンCに出走するローズキングダムについてのお話。はたして、京都大賞典で久々に騎乗した小牧騎手の手応えは? 

■ローズキングダムには、本当に走ってもらいたい!

──今回もユーザーから素朴な疑問が届いています。「9月30日の日曜日、台風の影響で競馬が中止になりましたよね。翌月曜日に代替えとなったわけですが、急に中止になった日は、ジョッキーのみなさんはどう過ごしているのですか?」というものです。

ゴルフに行く約束が…

ゴルフに行く約束が…

小牧 僕、月曜日にゴルフに行く約束してたんですわ。当然、それは中止になったわけで、うれしいやら悲しいやら。

──減量を気にするジョッキーにとっては、順延はつらいですよね。

小牧 そうそう、僕も食事は気を遣いました。日曜日は結局、ひとりで映画を観に行きましたわ。ほかの人は、ちょろっとパチンコに出掛けるくらいやったみたいだけど、僕は朝から電車で梅田に行って。日曜日だったから、さすがに電車で何人かに声を掛けられたんで、とりあえず帽子を買いました。声を掛けてきたのは、おっちゃんばっかりやったけどね(笑)。

──小牧さん、どう対応したんですか?

小牧 いや〜、そのときは「一緒に写真を撮ってください」って言われてね。申し訳ないんやけど、「それはちょっと…」ってお断りして。で、駅について、これは帽子でも被っとかなアカンなと思って、ハンチングを買って、眼鏡をかけました。それで生ビールを片手に映画館に行って、『バイオハザードV リトリビューション』を観ました。

──『バイオハザード』ですか。小牧さんの映画好きは、ジャンルを問わずですね。

小牧 そうですね。その前は『一枚のめぐり逢い』っていう映画を観ました。戦争に行った主人公が、女の人が写った一枚の写真を見つけるんですわ。で、何度も危機を乗り越えながら、無事戦争から帰って、写真に写るわずかな手がかりを頼りに、その女の人を探し始める…っていうお話でね。すごく良かったよ。

「けっこう泣くんですわ(笑)」

「けっこう泣くんですわ(笑)」

──もしかして、泣いてしまった?

小牧 泣いた! 僕ね、けっこう泣くんですわ(笑)。

──本当に映画がお好きですよね。昔からなんですか?

小牧 そう、昔から映画は大好き。観たい映画があれば、ひとりでも行くからね。映画って別世界に連れて行ってくれるから、その時間だけは何もかも忘れるね。あの日は、『バイオハザード』を観て、そのあと“なにしようかなぁ〜、あんまり食べられへんし…”とか思いながら梅田の地下街をぶらぶら歩いてたら、ワインバーを見つけてね。“よし、ワインでも飲むか”と(笑)。カウンターで、まぁよく飲んだわ。結局、7時過ぎまでぶらぶらして、フラフラになって帰ったわ(笑)。

──小牧さんらしい(笑)。でも、充実した時間を過ごされたのでは?

小牧 うん、充実してた。楽しかったわ。

──続いては、京都大賞典で久々に騎乗されたローズキングダムについて、「小牧さんの率直な感想を聞きたい!」という声が多数届いています。

小牧 ん〜、京都大賞典はメンバーがね…。あのメンバーで勝てなかったというのは、僕としては不満やね。自分の騎乗には納得してるんやけど。馬自体、僕が持っていたイメージとは、やっぱり変わってたね。

京都大賞典、勝ったのはメイショウカンパク

京都大賞典、勝ったのはメイショウカンパク

──調教でも、以前ほど時計が出なくなっていませんか? まぁ、時計がすべてではないですけれど。

小牧 そう、調教からして変わってた。時計も出なかったね。悪くはないんだよ。ただ、一番いいときを僕は知っているからね。なんていうのかなぁ、馬がちょっと力んでるというか。以前は、自由自在に乗れた馬だったんやけど、レースでもちょっと引っ掛かるようなところを見せてね。ただ、それはいいことかもしれないし、僕がどうのこうの言えることではないんやけどね。僕の乗り方が悪いと言われればそれまでやし。ただ、昔とはちょっと違うなぁって。

──久々に騎乗することになって、やはりワクワクしましたか?

小牧 ん〜、そうやねぇ、調教からそういう感覚だったんで。なんとなく、乗りづらくなってるんかなぁと思って乗ってたんですけどね。

──でも、6着とはいえコンマ2秒差でした。復調しているのかな…と思いましたが。

小牧 そうですか? 僕は正直、ガックリきましたけどね。うまく4コーナーで外に出せて、3頭併せになったから、ここから伸びるんかな…と思ったら、外から交わされて。ちょっとショックやったけどね。馬体が戻っていたのは良かったけど。もちろん、一度叩いて変わってくる可能性は十分あるよ。また放牧に出ているしね。次のジャパンCでは、僕が乗るにしろ乗らないにしろ(武豊騎手が騎乗)、この馬には走ってもらいたいね。本当にそう思うわ。

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JRAに移籍以降、初めての大ケガに見舞われた小牧騎手。次回の太論では、落馬の瞬間から休養中の過ごし方、そして復帰の時期まで、小牧騎手の最新情報をお届けします!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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