もう良く知られるように、NHKマイルCは3歳馬の未完の馬にとって厳しいG1。1ヶ月後の安田記念より激しいスピード決着になることも多い。東京の1600mを1分33秒前後で乗り切るには、1800mや2000mで連対経験があり、総合力を持つことが理想。少なくとも1600mで勝っていることが必要だ。まして今年はみんな初めての東京。他のコースで1600mがギリギリ守備範囲の馬では、大きく狙いが下がってしまう。あっさり勝っても不思議もないが、過去7年のパターンだと、人気上位の2番ヒューマ、12番ゴールデンキャストは大きな死角もある。問われるのは切れやスピードだけでなく、スタミナ兼備の総合力。
激しいマイル戦は、好時計になるほどそのあとが怖い。古馬でも1分31秒台〜32秒の極限のスピード決着を展開した馬は、次に99%凡走するが、このNHKマイルCでは、これまで連対した全14頭、次に勝った馬は1頭もいないのである。(もしここで外れても、連対して次に人気になる馬は、次走、まず手を出してはいけない)。次につながる作戦を忘れないでおきたい。
先々週あたりまで、やや非力という印象をもっていたが、先週、芝で64.1-12.1秒。今週は長めからBWで追い、素晴らしい動きをみせた8番サクラタイリンに魅力No1。とにかく動きが柔らかく、かつ大きくなり、非力な良血馬のイメージが消しとんだ。
サクラバクシンオーは1600mで勝っていないが、産駒は中距離までなら平気。距離の幅が広がり、なおかつスピード能力を失わないから、目下総合リーディング4位にまで成績がのびている。この馬の母の父サガスは凱旋門賞を1、2着した中距離型。今回の1600mはベストだろう。
同じサクラバクシンオー産駒の1番ニシノシタンにも東京で一変の可能性が大きく、3番エイシンツルギザンも加え、サクラバクシンオー産駒に魅力のある1600mのG1だ。