スマートフォン版へ

中山芝1600mの朝日杯FSは併用調教馬に注目

  • 2012年12月11日(火) 18時00分
 先週の阪神JF。「もう少し、例年のように外から差せる馬場なら」と思った◎カラフルブラッサム。コレクターアイテムとともにいい脚は使えているんですが、掲示板がやっとという結果に終わってしまいました。個人的には複勝圏内はまず大丈夫と思っていただけに、残念ではありますが、そのあたりの意図を察して、いつも以上に私の予想を参考にしてくださった方には本当に申し訳ない結果になってしまいました。すいません。

 例年と少し違う、それは今週の朝日杯FSが行われる中山芝1600mも一緒ではないかと思っています。それを実感したのが、12月2日中山開催2日目に行われたターコイズS。勝ったのは例年と変わらず、坂路単一調教馬、サウンドオブハート。内枠ということもあり、これは特に変化ないと思います。ただ2着が15番枠のオメガハートランド。しかも逃げたのではなく、差しての結果。私の予想では中山芝1600mに適した併用調教だった点を評価して、注の印は打っていましたが、重賞ウイナー(フラワーC)にも関わらず、16番人気という低評価は「開幕週の外枠では差し届かないだろう」と予想されていたからでしょう。

 先週は高額条件こそ施行されませんでしたが、未勝利戦などを見ていても、前が速くなって、差しが決まるという展開。これまでは内で器用に立ち回ってこその朝日杯FSでしたが、今年は外からでも併用調教なら差せる、そんな展開を予想しています。

エーシントップ、無傷の3連勝

エーシントップ、無傷の3連勝

巻き返し図るテイエムイナズマ

巻き返し図るテイエムイナズマ

 きっとレースの主導権を握るのは無傷の3連勝、エーシントップでしょう。前走も逃げたマイネルエテルネルを見ながらの競馬で最後まで脚色は衰えずに勝利。少し間隔が空いていて、東京競馬場への輸送があったにも関わらず、馬体重が10キロ増えていたのですから、まだまだ余裕のある仕上がりだったことは間違いありません。

 この中間も順調に調教を消化しており、前走時同様、坂路主体での出走ということになりそう。併用系統ですから、このレースに対する調教適性も合格点はあります。あとは、これまで3戦、すべて最終追い切りの坂路1Fが12.5秒以下だった点をクリアするか否か。今の馬場状態では微妙な気もしますが、今週は併せ馬で仕上げるということですから、最後まで気を抜かずに走ってくれるでしょう。

 デイリー杯2歳Sの勝ち馬、テイエムイナズマは前走がちぐはぐなレースになっての惨敗。引っ掛かり気味に走る点が長所になる時もあれば、短所になる時もある。それがレース結果になっているのが、ここまでの戦歴のような気がします。

 1週前追い切りはCWで抜群のスピード感。今朝の坂路では落ち着いて走れており、今の精神状態で中山芝1600mなら十分に力を発揮できそうな気もします。ただ折り合いを欠くということは、それだけスタミナをロスするということ。少しでもそんなシーンが出てしまうと、重賞ウイナーとしてのパフォーマンスは発揮できないかも知れません。個人的にはレースまで走りたいというフラストレーションが溜まらないように、最終追い切りで目一杯に追うことが良い結果に繋がるのではないかと予想しています。

初重賞制覇か、クラウンレガーロ

初重賞制覇か、クラウンレガーロ

 小倉2歳S、デイリー杯2歳Sと重賞で2着が続くクラウンレガーロ。前走から間隔が空いた中9週と間隔は空いていますが、11月中旬から坂路で時計を出しており、調教開始時期はかなり早くなっています。

 ただもともと調教本数が多くない馬。その上、この中間にはトラック調教がなく、最終追い切りが坂路であれば、単一調教になります。実はここに挙げた3頭は出走順位が上位なので、取り上げただけで、いつものように個人的に「色気」を持っているから挙げたわけではありません。

 狙っている馬が抽選待ちの状態。最終追い切りでしっかりと理想の調教を行って、抽選もくぐり抜けてくれれば、きっと本命にすると思います。それはNo.1予想を見ていただければ、お分かりになると思いますので、そこまでお待ちください。仮に本命にしなくても、どの馬だったかということは、そのコラムで記します。

◆次走要注意
・12/8 中山5R 2歳新馬【チェネレントラ】(7人/4着)
 栗東での追い切りはあまり目立たなかっただけに、正直どこまでやれるか、未知な部分が多かったのですが、そつのない走りで4着。競馬センスがありそうですし、レースを使われたことで、追い切りでも動くようになってくれば、次走はアッサリ決めてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

・12/9 阪神7R 3歳上1000万下【アドマイヤキュート】(3人/9着)
 グランプリボスの半妹でありながら、2勝はダート戦。それを考えると、今回の芝はやっぱり合っていなかったのではないかという敗因が考えられます。時計の速いダートにも十分に対応できるのがこの馬の特徴だけに、脚抜きがいい京都ダートなら、もっと上まで行けるはずです。

[メモ登録用コメント] 脚抜き良い京都ダートなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・12/16 中京12R 桑名特別【キボウダクリチャン
 2週続けて当欄で取り上げた馬が1着。馬券総合倶楽部のコラムもこの馬たちに助けられたような感じです。もちろん今週も中京芝短距離で美浦坂路の終い最速ラップを狙いたいのですが、特別競走は桑名特別だけ。しかも登録頭数が67頭で、狙っているキボウダクリチャンは出走できない可能性が大。たとえ、12/15の中京芝1400mに出走となっても、終い最速ラップなら狙えると思いますし、今週の中京もこれらの短距離戦が狙い目です。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが美浦坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

電子版「勝負調教大全」

電子版「勝負調教大全」

井内利彰氏の新刊が電子書籍として配信開始!
 春に発売された井内氏の最新刊「100%激走する勝負調教大全」が、内容そのままに電子書籍として登場しました。持ち運びも楽ちん! パラパラせずに一気にジャンプ! 過去3年分の調教データ分析から弾き出した東西50厩舎の「勝負調教」と、コース別にどの厩舎を狙うべきかが瞬間的に分かる「鉄板スポット」がいつでもどこでも瞬時にわかります。

 角居調教師から『僕の狙いもクセも全部バレていますね』というコメントを引き出した「100%激走する勝負調教大全」、電子書籍版も、この機会に是非ご活用ください。

※PC、iPhone/iPod touch、iPad、Androidスマートフォン、Androidタブレット、Androidタブレット大、電子ブックリーダー対応

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング