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有馬記念は調教量が重要なレース

  • 2012年12月18日(火) 18時00分
 いよいよ2012年の競馬もラストウィーク。ありがちな言葉ですが、本当に一年は早く、もう終わりなんだというのが正直な気持ち。今年はREXS(JRA主催)の講師を務めさせていただく機会があり、数多くの競馬初心者の方と一緒に勉強させていただく時間の多い一年でした。今週末のREXSの講師、そして中山競馬場でのオープン型レーシングセミナーのイベントがあり、最後まで現場での仕事に携わることができて、充実した一年となりました。

 これはあくまでも個人的な一年の総括であり、私の予想をご覧いただいた方には満足していただけない一年だったかと思います。大きな的中といえば、天皇賞・春の3連複ぐらい。なんとか最後くらいは私の予想に満足して年を越していただけるように、と今から頭を悩ましているところ。ここでは有馬記念出走組の坂路での調教の様子からレポートをさせていただこうと思います。

ゴールドシップ元気一杯

ゴールドシップ元気一杯勝

ルーラーシップ中間順調

ルーラーシップ中間順調

 早速、菊花賞馬ゴールドシップから。須貝尚介厩舎では一番乗りとなる時間帯に登坂。朝早い時間帯だったこともあり、少し不鮮明な画像になっていますが、口元に注目。舌をペロリと出して、いつものこの馬のスタイル。鞍上の北村浩平調教助手の表情には笑みがこぼれていますが、あまりにも元気が良すぎて、といった感じでしょう。

 1週前追い切りは意図された併せ馬で併せ遅れ。この刺激が今の元気の良さになって表れているように思います。表情が先週とは違って、ピリッとしたところが出てきていますから、もうすぐ競馬だということが分かったのでしょう。16日にはCWで時計を出しており、トラック調教も経験。調教タイプ的には併用となりませんが、このトラック追いは中山芝2500mに適した調教になっていることは間違いありません。

 ルーラーシップは頭数も少ない時間帯。ミルドリームを少し前に見るような形でしたが、抑え切れない手応えで駆け上がって、4F59.6〜1F14.0秒。行きたがっているというよりも、この馬のパワーが時計になっているという感じ。登坂後の様子を見ても、変にテンションが上がったという様子はありません。

 1週前追い切りでオールザットジャズと併せて見劣った点がどうも気になっていましたが、その点を除けば、なんら不安がないというこの中間。個人的には天皇賞・秋、ジャパンCと最終追い切りの動きが気に入らなかったので本命を打っていないだけ。明日の動き次第ではやっぱりこの馬、なんて流れもあるかも知れません。

エイシンフラッシュ最終追い注目

エイシンフラッシュ最終追い注目

巻スカイディグニティ動き良化

スカイディグニティ動き良化

 昨年の有馬記念2着馬エイシンフラッシュ。天皇賞・秋を制している点、昨年の勝ち馬が不在である点を考慮すれば、この馬が主役的な扱いを受けてもいいはずですが、やっぱり前走の敗戦で人気を下げるでしょう。それ以上に私が気になっているのはローテーション。明らかに天皇賞・秋へ向けたトライアルとなった毎日王冠を使っている今年は消耗度が違うはず。

 もちろんそのあたりは調教を見るかぎりでは心配なし。1週前追い切りもきっちりこなしていますし、調教本数は昨年の標準少めトラックから、標準トラックになりそうな感じ。今朝も落ち着いた雰囲気で坂路を駆け上がりました。ひとまずは明日の追い切りを見守る、そんな感じです。

 最後に菊花賞2着馬スカイディグニティ。ノーザンFしがらきで、いつでも始動できる態勢を整いていての入厩。すぐに調教を開始し、先週のCWではこれまでに見せたことのないような素軽い動きを披露。時計は速かったですし、正直、これを進化と捉えるのであれば、菊花賞馬を逆転する可能性だってあると思います。

 ただし。No.1予想にも記すことになると思いますが、有馬記念は調教量が重要なレース。いくら牧場で調教を積んでいたからといっても、グランプリレースでそれが通用するとは思えません。見せ場はつくるけど、いつもの渋太さがない、現時点ではそんなイメージでこの馬を評価しています。

◆次走要注意
・12/15 中山3R 2歳未勝利【デルマスナカケババ】(11人/9着)
 新馬戦の調教から美浦坂路でスピード追い切りができており、速さは十分に通用すると見ていた馬。末脚がしっかりしていただけに、今回もそれを期待しましたが、内枠が仇になって大きな不利を受けました。この距離は適しているはずなので、再度、最終追い切りを美浦坂路で終い最速ラップなら、今度こそ馬券圏内でしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが坂路で終い最速ラップなら馬券圏内

・12/16 中山5R 2歳新馬【ユニヴァーザライド】(3人/3着)
 このレースを勝った馬は大外枠だったとはいえ、先行して押し切りのレース。対して本馬は後方から捲るような形で外枠の影響が出た形でのレースぶりでした。それでも直線に向くと差し切るかも知れないという勢い。ひと叩きした効果もあるでしょうが、なかなか強いレース内容から、次はまず大丈夫でしょう。

[メモ登録用コメント] 調教本数が標準以上なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・12/23 中山9R 師走S【コルポディヴェント
 先週は「100%激走する勝負調教」に掲載されている「12月阪神開催のダート1200mの音無秀孝厩舎」の鉄板スポットで単勝3000円超えを的中。そこで今週の注目鉄板スポットをここで取り上げることにしました。このレースには久保田貴士厩舎が2頭出しですが、狙えるのはこっち。最終追い切りを南Wで行えば、その内容に関わらず、激走態勢が整います。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが南Wなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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