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京都&中山金杯の調教分析予習

  • 2012年12月25日(火) 18時00分
 2012年有馬記念。悩みに悩んだ末、出した結論、◎オーシャンブルーは最高の見せ場をつくってくれて2着。勝ってほしかったという気持ちが強いのはもちろんですが、あれだけあっさりとゴールドシップに交わされるんですから、そのあたりはまだ「GIを勝つ器」ではなかったのかも知れません。調教適性論から、どうしてもゴールドシップには本命を打てなかった有馬記念。個人的には最高の本命を打って、有馬記念を的中させることができたと思っています。

 ゴールドシップの強さには、ただ脱帽です。やっぱり神戸新聞杯を6分程度のデキで圧勝した時点から、あまり調教で評価を上げ下げする馬ではないということを認識しないといけなかったのかも知れません。2013年はこの馬と上手に付き合っていくことで、中長距離のGIは予想が楽になるのではないかと思っています。

 そして有馬記念翌日に行われた阪神C。こちらは◎サンカルロで単複を的中。ただ馬券的な反省をするなら、2着ガルボも評価していたのに、連式馬券を的中できなかったこと。馬連の配当がおいしいということに薄々気付きながらも、それを買い切れていないあたりが、今後の回収率上昇へ向けての課題かも知れません。

 1年間の回収率で好スタートを切るために重要なのは、年明け早々の重賞、東西金杯。今年も中山芝2000m、京都芝1600mという条件で行われますが、まずは京都金杯に出走予定の馬から軽く触れていきましょう。ただ、いつもお伝えしている今朝の坂路調教情報は本日トレセンが全休日のため、ありません。よって先週までの様子などを踏まえて、見ていきたいと思います。

 12月18日にノーザンFしがらきから帰厩しているのはトーセンレーヴ。前走キャピタルSも勝ち切ることができず、今ひとつ波に乗り切れていない良血ですが、きっかけひとつで軌道に乗ることができる素質馬だと感じています。

 今回は中6週と間隔が空いていますが、この馬の好走パターンは調教タイプが標準多め系統になること。つまりこの中間で8本以上の調教が必要になるわけですが、すでに2本は消化。残りの日数でその調教条件をクリアするかどうかがポイントになりそうですし、また最終追い切りで好走時のポイントとなる、前向きな走りを見せてくれるかどうかも注目すべき点です。

 ショウリュウムーンは朝日CCを勝ったことで、当初予定されていた京都牝馬Sから京都金杯に切り替えられました。現時点ではハンデが発表されていないため、推測でしかありませんが、55キロならこれまでGI競走で背負ったことがある斤量。55.5キロ以上なら未知の斤量ということになります。

 そういった気になる点はありますが、この中間も順調に調整が続けられています。ただ個人的にはこの時期になっても、速い時計が出ていない点だけが気掛かり。佐々木晶三厩舎のパターンからいくと、年末31日にしっかりと追い切って、年明けは調整程度という仕上げになりそうなので、過去2年の京都金杯の結果(2011年9着、2012年4着)を見ると、来年の年明けはある程度やってもいいんじゃないかな、なんて思ってしまいます。

 中山金杯で人気になりそうなのは、天皇賞秋6着のジャスタウェイ。朝日CCを熱発で回避することになりましたが、その後は順調に調教を消化。先週の追い切りではゴールドシップを煽る動きを見せていたので、その軽快な走りが記憶にある方もいらっしゃるでしょう。

 結果的に間隔が空くことになりましたが、調教本数は十分すぎるくらい。ただそれが坂路で行われているものなので、中山芝2000mへの適性は疑問。有馬記念ではそんな調教傾向も関係なく圧勝したゴールドシップと同じ須貝尚介厩舎ですから、この馬だって、という気もします。ただ5回中山の傾向を見るかぎり、限りなくトラック調教馬に適性が高い芝2000mのような気がするだけに、印に関しては、もうしばらく悩むことになりそうです。

◆次走要注意
・12/22 中山9R クリスマスローズS【ジーブラック】(7人/6着)
 調教本数不足のつわぶき賞を叩いての中1週。明らかに上積みがある状態での東上でしたが、内枠も災いして差し届かず。マイルあたりまでなら、確実に脚が使えそうな印象もあるだけに、これから併用調教で仕上げられれば、オープンクラスでも十分に通用しそうです。

[メモ登録用コメント] 併用調教なら馬券圏内

・12/24 阪神9R 万両賞【オツウ】(1人/4着)
 阪神JFへの出走予定から、2週繰り下がっての出走。2歳牝馬ということを考えれば、これだけで調整の難しさがありますが、馬体重が大きく変動することもなく出走できたのは、陣営と馬の強さでしょう。直線馬群の中で逆手前だったところを、馬群が捌けて正手前に替えたところがゴール。もっとゆったりと走ることができる条件なら、あっさりと決めてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが須貝尚介厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・1/6 京都10R 万葉S【エナージバイオ
 昨年の3着馬ですが、今年の方が調教適性のある仕上げになっている中間の調教。現時点で坂路とDPを併用しており、年末年始であと3本程度の追い切りをやってくれれば、昨年の1着馬と同じ標準多め併用となります。この舞台への適性は間違いないだけに、あとは仕上げの問題です。

[メモ登録用コメント] 標準多め併用(もしくは併用系統)なら勝ち負け

【お知らせ】
2012年度の更新は今回で終了となります。2013年度は1月8日から更新いたします。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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