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地方競馬IPAT 6場発売

  • 2012年12月28日(金) 18時00分
 2012年の地方競馬における大ニュースのひとつとして、地方競馬IPATのスタートが挙げられるだろう。

 中央・地方間のカベがまたひとつ取り払われたわけだが、以前にも書いたように「交流元年」から15年以上も経っての実現は遅すぎたともいえる。また、現状では発売されない曜日や日程もかなりあるので、改善すべき点はまだまだ多い。

 実際の売上面では、特に交流重賞の売上げに期待しすぎて、目標額には遠く及ばずということも目立った。とはいえ、地方競馬全体では、地方競馬IPATがスタートした10月以降は売上が確実にアップしている。

 地方競馬IPATが始まる前の今年(2012年)4〜9月の地方競馬全体の総売得額では前年度比97.4%、同じく1日平均では前年度比98.3%だったものが、10月の総売得額で前年同月比111.1%、1日平均で115.4%、11月ではそれぞれ104.1%、106.7%となっている。

 また、地方競馬の売上げ全体に占める電話投票(ネット投票も含む、以下同)の割合も、4〜9月は37.48%だったものが、10月は42.41%、11月は45.31%となっている。いまや地方競馬でも電話(ネット)による投票の割合が半分近くにまでなっている。

 電話投票の割合で顕著なのは高知で、4〜9月でもじつに66.23%を占めていて、これは2番目の門別54.49%を大きく上回るもの。高知では、この割合が10月、11月ともに、なんと70%台にまでアップした。

 高知競馬では2009年7月から『夜さ恋(よさこい)ナイター』と称して通年ナイター開催を実現。馬券の売上げアップを図るため電話投票に力を入れる方向にシフトしてきたが、それが効果として現れたデータといえるだろう。またIPAT対応として、12月にはナイター開催としては初めての水曜開催も行っている。さらにその効果が現れるのがどうか、12月の売得額が発表されるのを待ちたい。

 さて、2012年のIPATでの地方競馬の発売は、東京大賞典が行われる12月29日が最後となるが、年明けはJRAの東西金杯を前にした1月3日からスタートする。川崎競馬場で報知オールスターカップが行われるこの日、地方競馬IPATは6場(川崎・水沢・名古屋・園田・福山・佐賀)発売となる。地方競馬IPATの発売場数上限である6場の馬券が発売されるのは、これが初めてのこと。6場ともに全レース発売が予定されており、それぞれのレース数は不明だが、おそらく60レース以上の地方競馬の馬券がIPATで発売されることになるのだろう。
 中央競馬のファンは、有馬記念が終われば年明けは金杯から、というのが習慣になっていることだろう。ここは「IPATでは1月3日から馬券が発売されます!」的なキャンペーンをちょっと大々的にやるべきではないだろうか。

 それでは、東京大賞典で儲けて、よいお年を!

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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