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回収率UPに心躍るシルクロードS・根岸S調教分析

  • 2013年01月22日(火) 18時00分
 普段は単勝2倍前後が予想される馬に◎を打つことはまずしない私ですが、京都牝馬Sのハナズゴールだけは1週前の追い切りを見ていた時点から決めていた◎だけに、人気を度外視した印の打ち方をしました。

 どうして単勝2倍を切るかも知れない馬に◎を打ちたくないか、それは「回収率」を考慮してのこと。例えば単勝1.8倍の本命にした場合。単勝の馬券を買うと、2回に1回の的中では回収率が100%を超えません。的中率が50%もあるのに、100%を超えないなんて、ちょっとしんどいな、そういう考え方から単勝2倍という数字をひとつの目安にしています。

 回収率を考えると、決して優秀だったとは言えない京都牝馬Sの予想ですが、なにより良かったのは、ハナズゴールを担当する野本剛史調教助手をはじめとする陣営の努力が報われたこと。野本さんは本当に心優しい方で、取材時も常に分かりやすく話してくださる方。できれば大きな勲章をこのコンビに獲らせてあげたいな、そんな気持ちになってしまいます。

 さて今週はシルクロードSと根岸S。どちらのレースも非常に予想の難しいレースになりそうなだけに、的中すれば、それこそ回収率がぐんと上昇しそうです。まずは今朝の坂路での調教の様子から。

シルクロードSに出走予定のダッシャーゴーゴー"

シルクロードSに出走予定のダッシャーゴーゴー

 シルクロードSに出走を予定しているダッシャーゴーゴー。前走スプリンターズS・16着後は休養に入り、このレースを目標にして、12月19日に宇治田原優駿Sより帰厩しています。この中間は昨年末から坂路で時計を出し始めており、1週前追い切りは東海Sを勝ったグレープブランデーを追走する併せ馬。最後は僅かに追いつくことができませんでしたが、相手の調子が良すぎたということでしょう。

 今朝は坂路をキャンターで1本。実はこれまで、火曜日や追い切りのない日に坂路を乗る際には2本乗りが多かったダッシャーゴーゴーですが、今朝は1本。これはあくまで推測ですが、馬の仕上がりが良いからこそ、あまり本数乗らなくてもいい、そんな状態なのではないでしょうか。

 根岸Sの注目はやはりJBCスプリントを優勝したタイセイレジェンドでしょうか。前走後はノーザンファームしがらきに放牧に出されており、栗東へ戻ってきたのは1月8日。レースまで20日を切るという調整日程です。今朝の坂路は4F72.2秒と非常に軽い感じでしたが、スムーズに駆け上がれていました(画像が霧のため、見にくくなっております)。

根岸Sに出走予定のタイセイレジェンド"

根岸Sに出走予定のタイセイレジェンド

 日数が少なくても、順調に追い切りを消化しているのは、やはり放牧先での状態が良いからでしょうか。水、月、木、日と1週に2本のペースで、調整期間中にはきっちりと本数をこなしています。もちろん中11週という間隔から見ると、本数が少ない現状ですが、順調だというのは間違いなさそうです。なにより注目すべきが「矢作芳人&ノーザンFしがらき」というコンビ。日経新春杯を勝ったカポーティスターも中間はノーザンFしがらきに放牧に出されていました。それを考えると、本数が少なくても評価すべきなのだろうか、と思ってしまいます。ちなみにカポーティスターは中11週の休養明けで中間に7本の調教がありました。

 ただ個人的には根岸Sの調教適性がもっと違うところにあるので、それに該当する馬を狙う予定です。最終追い切りの動き、そしてレース直前の様子などを見て、回収率を上げる馬券を組み立てることができるようにしたいものです。

◆次走要注意
・1/19 中山9R 菜の花賞【ノーブルコロネット】(1人/7着)
 単勝1.9倍の断然支持。前走のレースぶりもさることながら、パドックで馬を見てしまうと、他の馬が同世代の牝馬とは思えないくらい、迫力があって、抜けた存在感でした。それでも勝てないのが競馬。エンジンの掛かりが遅かった分、末脚を伸ばせなかった印象が残ります。現状では直線長いコースが向いていそう。東京もしくは京都での1600m以上の距離であれば、きっちり結果を出してくれると思います。

[メモ登録用コメント] 東京もしくは京都(外回り)の芝1600m以上の距離なら勝ち負け

・1/20 中京4R 4歳上500万下【スノークラフト】(1人/5着)
 好発を切って、抜群の手応えで直線へ。仕掛ければどのくらい伸びるか楽しみな感じでしたが、ゴール手前まで進路は塞がったまま。なにもできないままで終わってしまいました。それでも次走の優先出走権である5着は確保。少しためる競馬を覚えることもできましたし、スムーズなレース運びができれば、すんなりと勝ち上がってくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] ダート短距離で坂路終い最速ラップの追い切りができれば勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・1/26 中京11R 庄内川特別【ゴールドカルラ
 先週から開幕した中京競馬。芝短距離での美浦坂路追い切り終い最速ラップは2日目になってようやく馬券になりました。この調子だと、最終日までにはプラス回収率になってくれると思いますので、該当馬が出走していれば、確実に狙いたいところ。このレースへの出走が叶うかどうか分からないゴールドカルラですが、別レースだったとしても、芝1200m、芝1400mなら坂路で終い最速ラップを踏んでいれば馬券対象として考えたいところです。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが坂路で終い最速ラップ追い切りなら馬券圏内

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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