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太の本音トーク『回ってくるだけでいいよ』っていう指示はある!?

  • 2013年01月22日(火) 18時00分
今週は、太論恒例のユーザーからの質問特集です!「シルポートにはもう乗らないの?」、「調教師さんから○○○○っていう指示は本当にあるの?」など、今回もユーザーならではのストレートな質問が盛りだくさん。小牧騎手もいつも通り、本音で答えてくれました。

■馬具の効果があっても、走らん馬は走らんよ
──今回は、ユーザーからの質問特集です。相変わらず、際どいものもありますが…。まずは「僕はシルポートと小牧さんのコンビが好きです。ここ2戦(マイルCS、阪神C)は川田騎手が乗っていますが、小牧さんはもう騎乗されないのですか?」というものです。

シルポートには乗りたかった・・・"

シルポートには乗りたかった・・・

小牧 ああ、年末も阪神Cでシルポートに乗りたいなぁと思って、復帰しようかなって思ったんですわ。で、一度は頼んでもらったんやけど、『復帰の時期もはっきりせんかったし、どういう状態なのかもわからんかったから、今回も川田でいくことにした』って言われてね。そのときは、“そっかぁ、厳しいなぁ…”って思ったんやけど、よう考えたら当然やね。そこは勝負の世界だから。また1から、ひとつひとつ勝っていかなアカンなと思ったわ。ホント、1からスタートやなって。

──たしかに、復帰が決まったのはギリギリでしたものね。続いて、これはタブーの領域かもしれませんが…「調教師さんから『回ってくるだけでいいよ』と言われることがあると聞いたのですが、本当にあるのですか?」というものです。際どい質問ですね。

小牧 僕はほとんどないよ。うん、ないなぁ…。

──たとえそう言われたとしても、ジョッキーがその通りに乗るとは限りませんしね。

タブーに答える!?

タブーに答える!?

小牧 そうそう、乗った印象で考えるからね。力の抜けた馬なら「普通に回ってくるだけで勝てるから」っていうのはあるかもしれないけど、後ろ向きな意味で「回ってくるだけで…」云々っていうのは、少なくとも僕はない。最近は厳しいから、そんなこと言ってられへんよ。競馬も難しくなってると思う。馬券、当たらんでしょ(笑)?

──はい…(苦笑)。競走馬にとって、レースに出走すること自体が厳しくなってますし、昔に比べて、それぞれのクラスで馬の力差がなくなっているようにも思います。

小牧 うん、そうやね。

──続いては、馬具についての質問です。「矯正馬具が劇的に効く馬もいれば、マイナスに働く馬もいると聞きます。それは、調教の段階でわかるものなのでしょうか?」というものです。

小牧 わかるね。だから、レースで何かしらつけている馬は、調教でそれなりに効果があった馬ということやね。ただ、調教では効果があったのに、レースではまったく効かない例も結構ある。難しいよね。そもそも、効くも効かないも、その馬自体に能力がなければ同じ。たとえ、馬具の効果があったとしても、走らん馬は走らん。

──つまり、走らない馬が、矯正馬具をつけたからといって急に走り出すことはないと。

小牧 うん、ないと思う。

──ジョッキーとしては、矯正馬具をつけていない馬のほうが、やはり安心感がありますか?

小牧 ん〜、矯正馬具をつけたことによって、むちゃくちゃ良くなることもあるから、そうとも言い切れん。ただ、ごっついのをつけてたりすると、ジョッキーとしてはやっぱり気にはなるよ。大丈夫なん?って。

──小牧さんから、馬具をつけることを提案することもあるんですか?

小牧 あるよ。まぁ、滅多にないけど。外からくる馬を気にして競馬を止めてしまう馬にはブリンカー、あまりにも音に敏感な馬にはメンコとかね。でもまぁ、なにが正解かわからないから、競馬っておもしろいんちゃう?

──そうですね。だからこそ、みなさんいろいろ試すんですものね。

小牧 そうそう。走らせたいっていう気持ちが、みんなあるからね。

──続いては、競馬からちょっと離れまして、「加圧トレーニングに興味があります。休養中に通われていたとのことでしたが、効果はありましたか?」という質問です。ちなみに、今も続けてらっしゃるんですか?

小牧 いや、復帰する前に辞めました。最初は下半身だけやってたんやけど、途中から上半身もやり出したら、腕がパンパンになってきて。そういう意味では効果があったんやろうけど、復帰に備えて減量を始めなアカンかったから、あんまり筋肉を付けたくないなと思って。体重が増えたわけではなかったんやけど、週末に合わせて落ちるかどうか不安になってね。

──ずいぶん熱心に通われてましたものね。

加圧トレーニングやりすぎた!?"

加圧トレーニングやりすぎた!?

小牧 1か月間くらい、ほとんど毎日行ってたからなぁ。毎日通う人なんておらんでしょう。なにしろあのときは体を動かせなかったから、トレーニングといったら加圧しかないなぁと思ってね。

──そういえば、サプリメントは今でも飲んでいらっしゃるんですか? たしか、血液検査をして、その結果次第で小牧さん専用の組み合わせを考えてくれるとか。

小牧 ああ、飲んでるよ。血液検査をしたら、肝臓系の数値がちょっと…(笑)。で、今は骨に効くサプリと、ビタミン系のサプリ、あとは、コンドロイチンをたくさん摂ってるわ。でも、一度に飲む量も多いし、毎日のことやから、ちょっとめんどくさいね。続くかどうか、自信がなくなってきたわ(笑)。あ!そういえば、知らない人に「まだサプリ飲んでんのか?」とか聞かれたんやけど…。

──それはきっと、太論でサプリメントの話を書いたから…。

小牧 だからか!けっこうみんなに読まれてんねんなぁ。

【次回の太論は?】
年明けの競馬では、10番人気のタイセイバスター(1月14日・京都3R・3歳新馬)と6番人気のトラバント(1月20日・京都11R・羅生門S)を勝利に導き、馬券を盛り上げている小牧騎手。次回の太論では、1月の競馬を振り返ると同時に、ファンから苦情が殺到しているという新裁決ルールについて太論を展開します。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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