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東京新聞杯、1週前追い切りに明暗が・・・

  • 2013年01月29日(火) 18時00分
 先週の根岸Sを優勝したメイショウマシュウ。すでにご存知の方もいらっしゃるでしょうが、もともとは今週行われる、すばるSを予定していたのですが、優先出走権(除外で得た権利)がなければ、使えないかも知れないということで、出走を重賞に切り替えました。それが見事に成功したわけです。

 さらに、すばるSの特別登録を見てみると「権利持ち」が17頭。つまり、権利持ちに優先出走権があるため、いくら賞金を持っていても、勝っていても出走できません。確かに除外された馬が次のレースでは優先的に出走できるという制度のためには必要な権利なのかも知れません。しかし、今では「すばるSを使うためには権利を持っていないと出走できないから、根岸Sで権利をとっておく」といった現象が普通になってしまっています。

 このような状況になると、仕上げが難しい、出走ラインのすぐ下、つまり補欠1番目にいる馬。たとえば、29日時点で東京新聞杯のフレールジャックは補欠の1番目です。フレールジャックは東京新聞杯に出走させる意思はありますが、このままなら出走できません。出走できないのに、今週の追い切りを目一杯やるわけにもいかず…。

 今朝、友道康夫調教師にお話しを聞くと「追い切りは木曜日にします。水曜日の時点で、ある程度出走の可否が分かると思うので」とのこと。先週のメイショウマシュウもそうだったんですが、少し追い切りが変則になってくる馬をどのように評価していくか、これが馬券の鍵を握るのかも知れませんね。

 さて、その東京新聞杯はなかなかの好メンバーが揃ったのではないでしょうか。関東馬ではマイルCS5着のリアルインパクトが参戦。長期休養明けを叩いたレッドスパーダあたりも高松宮記念5着などの実績から、叩いた上積みがあれば、もっと走れそうですし、昨年のこのレースの覇者ガルボもいます。


調教数は問題なしドナウブルー

調教数は問題なしドナウブルー

クラレントは動き上々

クラレントは動き上々

 そんな中、関西の筆頭はマイルCS3着のドナウブルーではないでしょうか。12月23日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。年末年始に15-15程度の追い切りを消化しており、調教本数に関しては決して少なくありません。ただ個人的に気になっているのは、1週前追い切り。休養明けだったニューダイナスティと併せて、その動きが見劣る内容。決して攻め駆けしないタイプではないだけに、あの走りをどう捉えるか。

 逆に1週前追い切りの時点で動きが目立ったのはクラレント。こちらは阪神C以降も栗東で調整を続けられており、調教本数は豊富です。坂路馬場のウッドチップの状態が悪いということで、追い切りにDPを使われている時期もありますが、その動きが絶好。先週はシャイニーホークとの併せ馬でしたが、いい動きをしているなあと思って、ストップウオッチを見て驚き。6F76.1秒を楽々出しているんですよね。

 今朝の坂路馬場の調教を見ていて「明日は普通の馬場に戻りそうだな」と橋口弘次郎調教師が呟いたので、きっと最終追い切りは坂路になるでしょう。そうなれば、通常時と同じ追い切りパターンですし、そこでどのような動きを見せてくれるのか。私も今朝のウッドチップ馬場の状態を確認した時に今週の追い切りは先週よりは時計の出る馬場になると思ったので、クラレントを含めて、週末重賞に出走する馬たちがどのような時計を出すのか、注目しています。

◆次走要注意
・1/26 中京9R 4歳上500万下【メイショウミルキー】(16人/9着)
 馬券総合倶楽部で「安達昭夫厩舎の勝負調教」として、狙い馬に推奨。前半はゆったり構えていましたが、走りっぷりが明らかに芝に適応したものだっただけに、道中は馬券に絡むだろうとわくわくしました。ところが勝負どころになっても仕掛けることはなく、直線まで我慢。ここはジョッキーの判断なので、仕方ないところでしょうが、追うスペースがなく、結局9着止まり。それでも出走メンバー3位の推定上がりを使っており、次こそ馬券になりそうです。

[メモ登録用コメント] 安達昭夫厩舎の勝負調教で芝中距離出走なら馬券圏内

・1/27 京都6R 3歳500万下【シゲルオウシザ】(10人/5着)
 昇級初戦ということで、先行できないのは覚悟の上でしたが、3コーナーから4コーナーのカーブにかけて急加速して、非常にロスのある競馬。あの浪費で直線失速するかと思いきや、最後までしっかりと脚を使って5着。ペースに慣れた次走はもっと走れるはずです。

[メモ登録用コメント] ダート1200m、1400mで標準多め坂路系統の仕上げなら馬券圏内

◆今週末馬券圏内
・2/3 中京11R 長篠S【マスイデア
 札幌以来の長期休養明けになりますが、中間の調教本数は十分。しかも美浦坂路で追い切った時のラスト1Fラップが12秒ちょっとで終い最速ラップを踏めています。最終追い切りも美浦坂路で追い切って、終い最速ラップが踏めるようなら、久しぶりでも侮ることができません。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが坂路で終い最速ラップ追い切りなら馬券圏内

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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