JRAの1月の重賞全11レースが、先週で終了した。優勝馬の父はディープインパクトとハーツクライがそれぞれ2頭。他はダンスインザダーク、テイルオブザキャット、ロサード、オレハマッテルゼ、マンハッタンカフェ、アドマイヤマックス、ロージズインメイである。
この中で非サンデー系はわずかに2頭しかいない。サンデー系が依然として優位だが、興味深いのはロサード、オレハマッテルゼ、アドマイヤマックスといったマイナー種牡馬の台頭が目立つ点だ。ロサード産駒のクラウンロゼが勝ったフェアリーSは、2着もオンファイア産駒のウキヨノカゼだった。
例年、夏場や冬場のこの時季は、主力組はお休みの状態だから、マイナー種牡馬の台頭はよくあることだ。また、ディープインパクト産駒の3歳馬も、上の世代の主力牡馬がダービー以降に伸び悩んでいる反省からか、主力組の本格始動が全体に遅い。
春になれば、おそらく状況は変わってくるだろう。ただ、サンデーのような遺伝力の確かな血統が誕生した場合、過去の欧米のサラブレッド史では、次世代にマイナー種牡馬の台頭が頻繁に起こっている。
たとえ競走成績が下級でも、革命の血は種牡馬として成功の可能性が見込めるからだ。ミスタープロスペクターやダンジグがその好例だろう。サンデー系でもステイゴールドが同じ現象を見せている。
競走成績が一流の種牡馬に対する期待と結果。そこにギャップが生じたときに、こういうことが起きやすい。
サンデー系もすでにフジキセキ、ダンスインザダークはピークを過ぎている。アグネスタキオンの産駒もひところの勢いがない。ネオユニヴァース、ゼンノロブロイも伸び悩んでいる。ディープインパクトはリーディングサイヤーに輝いたが、先ほど書いたようにダービー以降の牡馬に不満が残る。
それがマイナー種牡馬の台頭を招いている。単なる一時的な現象にすぎないのかもしれないが、血統はこれぐらいのほうが面白い。