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金鯱賞

  • 2003年05月30日(金) 12時10分
 台風接近の雨馬場を想定して検討するのは典型的な「重巧者」を取り上げるとき以外、どうしてもトーンダウンしてしまうが、こればかりは仕方がない。土曜の中京の予報は大雨だが、不良馬場になるのか、それとも少し時計がかかる程度の重馬場なのか。少なくとも前売りで買うレースではなさそうだ。

 11番タップダンスシチーは重馬場成績[0-0-0-2]となっているが、1度は3歳秋、休み明けで芝2400mを逃げて0.4秒差4着の重馬場。もう一戦は昨春5月の目黒記念、1200m通過1分12秒6のきついペースを先を争いながら直線先頭、1頭だけインをついての0.6秒差5着。数字に表れる成績と異なり、この馬、実は重は巧みな方だろう。

 2000mには昨秋の朝日CCを1分58秒1のレコードで勝った記録があるが、決してスピード型ではなく、むしろ時計がかかってこそ有馬記念2着の総合力と底力が生きてくると考えたい。

 昨年、このレースを1分58秒3。エアシャカールを一気に差し切っているのは5番ツルマルボーイだが、持ち味は追っての切れ。こちらは重の巧拙うんぬんではなく、有利な要素はない。重馬場ははっきり不利だ。

 能力は下でも、また、サイレントディールと併せた追い切りはテンに飛ばしたためあまりに平凡だったが、3番ユウワンプラテクトは時計がかかった方がいい。重馬場での1勝は昨年12月、不良のクリスマスS(阪神)2200mを、2分15秒3(上がり37秒0)の力のレースだった。少なくとも下手ではない。

 強気に行く先行型は要注意。力をつけている2番アサカディフィートの粘り込みがある。

 前走の新潟大賞典、寸前でヨレて7着降着だが、実際は3位入線で1分58秒5で粘り込んでいる。中京の短い直線なら怖い。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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