台風接近の雨馬場を想定して検討するのは典型的な「重巧者」を取り上げるとき以外、どうしてもトーンダウンしてしまうが、こればかりは仕方がない。土曜の中京の予報は大雨だが、不良馬場になるのか、それとも少し時計がかかる程度の重馬場なのか。少なくとも前売りで買うレースではなさそうだ。
11番タップダンスシチーは重馬場成績[0-0-0-2]となっているが、1度は3歳秋、休み明けで芝2400mを逃げて0.4秒差4着の重馬場。もう一戦は昨春5月の目黒記念、1200m通過1分12秒6のきついペースを先を争いながら直線先頭、1頭だけインをついての0.6秒差5着。数字に表れる成績と異なり、この馬、実は重は巧みな方だろう。
2000mには昨秋の朝日CCを1分58秒1のレコードで勝った記録があるが、決してスピード型ではなく、むしろ時計がかかってこそ有馬記念2着の総合力と底力が生きてくると考えたい。
昨年、このレースを1分58秒3。エアシャカールを一気に差し切っているのは5番ツルマルボーイだが、持ち味は追っての切れ。こちらは重の巧拙うんぬんではなく、有利な要素はない。重馬場ははっきり不利だ。
能力は下でも、また、サイレントディールと併せた追い切りはテンに飛ばしたためあまりに平凡だったが、3番ユウワンプラテクトは時計がかかった方がいい。重馬場での1勝は昨年12月、不良のクリスマスS(阪神)2200mを、2分15秒3(上がり37秒0)の力のレースだった。少なくとも下手ではない。
強気に行く先行型は要注意。力をつけている2番アサカディフィートの粘り込みがある。
前走の新潟大賞典、寸前でヨレて7着降着だが、実際は3位入線で1分58秒5で粘り込んでいる。中京の短い直線なら怖い。