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春G1のトライアルとなる重要な3重賞の注目馬調教分析

  • 2013年02月26日(火) 18時00分
 今週は中山、阪神で3重賞。どれも春のG1レースのトライアルになる重要なレースなので、ここではすべてのレースについて触れてみたいと思います。

坂路を駆け上がるエピファネイア

坂路を駆け上がるエピファネイア

武豊騎手との呼吸が良く見えたキズナ

武豊騎手との呼吸が良く見えたキズナ

 まずは皐月賞トライアル、弥生賞。美浦からも有力馬が多く参戦しますが、栗東からもトップクラスの2頭が参戦。まずは3連勝中のエピファネイアですが、こちらは先週の競馬で福永祐一騎手が騎乗停止処分となり、今回のレースには騎乗できません。すでにW.ビュイック騎手が乗る報道が出ていますが、今朝のエピファネイアの調教には、先週までと同じように福永祐一騎手の姿が。

 坂路を駆け上がる際も注意を払いながら、コンタクトをとりながら、非常に丁寧なキャンター。少し速い時計(4F60.6秒)になりましたが、これは今朝の坂路馬場が走りやすかったこと、そしてエピファネイアにとって、このくらいの時計は普通キャンターだということでしょう。やっぱりこのコンビで弥生賞の走りを見てみたかったというのが本音。この人馬が築いてきた信頼関係を考えると、やっぱり今回の乗り替わりは大幅減点だと考えています。

 主戦、佐藤哲三騎手が落馬負傷によって、武豊騎手が初めて手綱を握ることになったのが、ラジオNIKKEI杯2歳Sのキズナ。もちろん追い切りでは騎乗して、コンタクトをとっていましたが、やはり実戦での折り合いは難しかったように見えました。個人的にはその分、負けた3着で、決して実力負けではないと思っています。

 今回は2回目であり、1週前追い切りでもキズナと武豊騎手の呼吸はすごく良く見えました。今週は武豊騎手のドバイ遠征があるため、最終追い切りには騎乗できませんが、前走とこの中間に築いたものは崩れないはず。今回のレースはキズナにとって、是が非でも負けられないレースになったような気がします。

面白い存在になりそうなバッドボーイ

面白い存在になりそうなバッドボーイ

 馬券的に最も面白い存在になりそうなのが、バッドボーイ。ラジオNIKKEI杯2歳Sでは、上記2頭の間に入った2着でしたが、当時と同じように、逃げて実力を発揮できるような状況になれば、再び粘り腰を見せてくれるのではないでしょうか。

 今朝は、2月28日までジョッキーである石橋守騎手が跨っての登坂。表情を見ていても、非常に鋭い眼差しをしていましたし、少し間隔の空いていた前走を使われて、気合が乗ってきたように見えます。最終追い切りできっちり動くことができれば、この馬が馬券の鍵を握るような気がしています。

能力非凡なところを感じるローブティサージュ

能力非凡なところを感じるローブティサージュ

順調な印象のダッシャーゴーゴー

順調な印象のダッシャーゴーゴー

 阪神競馬場では桜花賞トライアルのチューリップ賞。こちらは取り上げれば、キリがないくらいに面白そうな馬がたくさん出走予定ですが、やはり2歳女王、ローブティサージュに触れないわけにはいきません。1週前追い切りではジャスタウェイを問題にしない、併せ馬での追走先着。素軽い動きを見せたあたり、やはり能力非凡なところを感じます。ただ、今回は追い切りがこの調教を含めて2本。3ヶ月ぶりというレース間隔を考えると、非常に少ない本数です。

 しかし、今朝の坂路でのキャンターを見ていても、テンションの高いところを見せているので、これでも十分に動ける、ウォーエンブレム産駒ですから、そのあたりはなんとなく理解できます。見た感じには仕上がり上々ですが、果たして中身はどうなんだろう、これが正直な個人的印象です。

 最後にオーシャンS。1週前追い切りでは坂路で完全に煽られる動きになってしまったダッシャーゴーゴーですが、その相手はロードカナロア。阪急杯でのロードカナロアの走りを見るかぎり、仕方なかったのかなと思います。

 ダッシャーゴーゴー自身は前走59キロの酷量でもシルクロードS2着。相変わらず元気いっぱいな走りを見せてくれましたし、この中間も変わらず順調な印象。宇治田原優駿Sでリフレッシュ放牧しており、いい状態で出走できそうです。このまま週末も天候が悪くならなければ、2011年1着時のように時計の速い馬場になりそうですから、天候も味方にできれば、自然と結果が出てくれそうな気がします。

◆次走要注意
・2/23 小倉10R くすのき賞【アチーヴ】(9人/5着)
 常にハードな調教内容を課されている馬なので、道中の流れが厳しくなる、ハイペースは望むところ。今回のレースはそういった展開になりましたが、追い込んでも5着が精一杯。これは走破時計が速すぎたと見てよいでしょう。もう少し時計の掛かるダートになれば、展開させ嵌まれば、十分に馬券に絡むだけの能力があると思います。

[メモ登録用コメント] 本数多い調教タイプでダート中距離戦に出走なら勝ち負け

・2/24 小倉11R 関門橋S【アロマティコ】(1人/1着)
 軽度とはいえ、骨折明けで馬体重は+12キロ。中間の調教本数も標準以下で、仕上がりは70%程度だった今回ですが、それでも明らかに能力が違う走りを見せてくれました。今年は見込んだ通りの活躍を見せてくれそうなだけに、少し追いかけてみてください。

[メモ登録用コメント] 標準以上の調教本数なら重賞でも勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・3/2 小倉12R 八代特別【エーシンエムディー
 休養明けの前走が3着。当時よりも「状態が凄く良くなっています」とは担当の高野容輔調教助手。確かに1週前追い切りのDPは折り合いがついた軽快な動きでした。あとは最終追い切りで大久保龍志厩舎の勝負調教に該当すれば、特に問題ありません。

[メモ登録用コメント] 大久保龍志厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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