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「最近はリズムが悪いわ」とぼやきながらもレースを振り返ります!

  • 2013年02月26日(火) 18時00分
 今週は、1月26日から2月17日のレース回顧です。「リズムが悪いわ」とぼやき節の小牧騎手ですが、ベールドインパクトの2着(京都記念)など、春につながってきそうな好走も…。そのほか、アドバンスウェイ、オリオンザヒーローでの勝利、ツルマルスピリットでの惜敗など、改めてレースを振り返ります。

■しみじみ“勝てんなぁ…”と思ったわ
──騎乗馬のラインナップを見ていると、ケガをする前に乗っていらした馬たちが、だいぶ戻ってきたように思います。

小牧 ぼちぼちやね。なんか…、最近はリズムが悪いわ。取りこぼしがあったり、あとは、うまく乗ったのに2着とか。今の時点でもうちょっと勝ち星がほしいけど、(ケガの前のラインナップに戻るには)もう少し時間が必要かな。暖かくなるころには、もっとね。

──橋口厩舎の馬でも、もうひとつリズムに乗り切れていないような…。

余計に力が入ってしまう…

余計に力が入ってしまう…

小牧 そうやねん。だから僕も余計に力が入ってしまうんですわ。土曜日の小倉(2月16日)も、2着(6R・レッドシェリフ)、2着(11R・ツルマルスピリット)だったでしょう。ツルマルスピリットは絶対に勝てる力があって、実際に4コーナーでは勝てそうだったんやけど、そこから馬が嫌がって。この前の土曜日は、久々に“勝てんなぁ…”ってしみじみ思ったわ。

──そのツルマルについては、ユーザーから質問がきています。「いつももう一歩のところで勝てません。能力があるのは成績からも明白ですが、勝ち切れないのは、馬のどういった気性が影響しているのでしょうか?」というものです。

小牧 まずは怖がりやね。用心深いのかもしれない。普段は物見が激しくて、今日も乗ってきたんやけど、雪を見て逃げるねん。この前のレースでも、シューッと行って、普通に抜け出すんかなと思ったら、結局そのままでしょ。先頭に立つのが不安なのかもしれんね。

──ゴールまでびっしり併せたまま…というのがベストということですね。

小牧 うん、そのほうがいいね。前に一度、いっぺん交わされたけど、差し返して勝ったことがあるわ。すごく覚えてる。この前も考えた通りには乗れたんやけどねぇ。あまり前に行きすぎずに目標にする馬を前に置いて、と思ってね。外に強い馬がおったでしょう(1着サンライズブレット)。あの馬を目標にして乗ったら、ゴール前で差せるはず…っていう計算で乗ったんやけど、差し切れんかったね。ん〜、もどかしい。

──翌日には、9番人気のオリオンザヒーローで新馬を勝ちましたね。

小牧 そうそう。勝つときはポンと勝てるんやけどね。その時点で2週勝ってなかったから、“今週も1勝もできんのかなぁ”なんて思いながらも、“よし、気合い入れて乗ってくるか!”って感じでレースに行ったら、ああやって勝ててね。競馬ってわからんね。なにしろ、ジョッキーは勝つことが一番の薬やから。応援してくれているファンのためにも、もっとウイナーズサークルに行きたいなぁと思いながら、毎週乗ってるんですけどね。

──2月2日のアドバンスウェイ(すばるS)は、会心の勝利だったのではないですか?

小牧 ああ、あの馬は癖を知ってるから。前に乗って負けたときに、この馬はタメたらダメだなと思って。そのときから、気持ちよく走らせることが大事だとずっと思ってた。この前は、ハナには行けそうやなと踏んでたから、人気はなかったみたいやけど、おもしろいんちゃうかと思ってましたわ。だから、馬の行く気持ちを曲げないように乗ったんやけどね。

──そのほか、ナイスミーチューやヴィクトリースター、ベールドインパクトなども、休み明けでしたね。いずれも次がおもしろそうです。

小牧 そうやね。ヴィクトリースターは思った通りの競馬ができて、本来なら勝ちパターンやったけど、やっぱり太かったね。ナイスミーチューも、調教からして全然動かなかったから、叩いたことで変わってくると思う。僕はあれから跨ってないんやけど、「変わってきた」って赤木くんが言ってたよ。

──ベールドインパクトはテン乗りでしたが、小牧さんに合うんじゃないかと思ってました。

あの馬は僕に合うタイプでしたわ

あの馬は僕に合うタイプでしたわ

小牧 ホント? その通り、僕に合うタイプでしたわ。追ってしぶとい感じね。あの馬も、やっぱり休み明けっていう感じの動きだったね。

──今後は、阪神大賞典から天皇賞(春)が予定されています。

小牧 うん。現時点では、一応お話はいただいてるけど…。そういえば、上のクラスの騎乗馬は、今のところ、この馬しかおらんねぇ。自分でどんどんチャンスを広げていかないと、ホンマにGIで乗る馬がおらんわ(笑)。ベールドインパクトは、たしかに楽しみです。あ、でも、同世代にゴールドシップがおるねぇ。あの馬は強いわ…(苦笑)。

【次回の太論は?】
今年は、戸崎圭太騎手、岡田祥嗣騎手と2名の地方ジョッキーが中央に転籍。小牧騎手が知る彼らの素顔を語るとともに、ユーザーからの質問に答えるかたちで、秋山騎手との意外な(?)交流が明らかに!
※予定していた「安藤勝己騎手との秘話」は、3月2週目に掲載いたします。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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