スマートフォン版へ

ユニコーンS

  • 2003年06月06日(金) 13時10分
 種牡馬フォーティナイナー産駒の勝ち星の8割以上は「ダート戦」。こういう片寄った産駒成績では、日本の場合、まず総合リーディングサイアーの上位に食い込むのは難しいが、フォーティナイナーは昨年9位。今年は現在のところ7位に押し上げている。

 それも軽種馬協会の種牡馬とあって、他のトップ種牡馬ほどは相手の牝馬の質が高いとはいえないから立派なものだ。

 ミスタープロスペクターの父系はもう世界中に広がり、多くの後継有力種牡馬がいるが、フォーティナイナーは文句なくトップランクだろう。今週の日曜日、米ベルモントSで久しぶりの3冠を目指すファニーサイドの父はフォーティナイナー直仔だ。

 人気の14番ユートピアの父は、そのフォーティナイナー。芝5、2、4着に対し、ダートは1、1、1着。まさに父の特質そのもの。文句なしのダート適性をみせている。

 前走の芝1600mのG1・NHKマイルCは4着止まりだが、安勝にしては珍しく弱気。折角の好スタートを中団まで下げてしまい、流れに乗れなかった。結果は先行残りで、ユートピアは上がり35秒2で伸びたものの、少し脚を余した形だった。本質がダート巧者だけに、さすがに34秒台の脚はない。

 今度は狙いのダート戦。他にも高い能力を秘めるダート巧者がそろったが、今度は強気の先行策だろう。G1の東京1600m、さらには2000mの距離を経験している強みは大きい。

 2番ビッグウルフの父アフリートも、5番エコルプレイスの父グラインドストーンも、ダート重賞らしくフォーティナイナーと同じくミスタープロスペクター系。とくに追っての味があるビッグウルフはすでにダート5勝。もうひと回り馬体が成長してくれると、やがてはユートピアとともにダートのA級馬だろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング