スマートフォン版へ

ダーレー、ビッグレッド種牡馬展示会

  • 2013年02月27日(水) 18時00分
フリオーソ

フリオーソ

キングズベスト

キングズベスト

 いつまでも寒さが続く北海道。とりわけ先週は、雪と強風と低温に苦しめられた1週間であった。

 そんな中、日高各地の種馬場で種牡馬展示会が行われた。18日(月)ダーレースタリオン、19日(火)ビッグレッドファームと優駿スタリオン、20日(水)日高スタリオンとイーストスタッド、21日(木)ブリーダーズスタリオンと日替わりで開催され、全日程を終えた。


 ダーレースタリオンはあいにくの雪に見舞われた。細かな雪が止まずに降る悪条件にもかかわらず、午前10時に開場すると多くの来場者が続々と集まった。

 このスタリオンは例年巨大テントが設置され、飲食サービスが充実していることもあっていつも人気が高い。今年もかなりの混雑であった。

 それとともに、新種牡馬が3頭新たに供用されることになっていることから、それらを実際に見たい生産者が多数いたことためにかなりの賑わいとなった。

 午前10時半。合田直弘氏がマイクを握り、展示会が始まった。依然として雪が降り続く中、パイロ、ストーミングホーム、ディープスカイ、アドマイヤムーンに続いて、新種牡馬のフリオーソ、キングズベスト、ストリートセンスの3頭が来場者にお披露目された。

 ダーレー種牡馬はいずれも出生後の支払い条件で、フリオーソは50万円、キングズベストは150万円、
ストリートセンスが450万円とそれぞれ設定されている。

 懐事情が厳しくなっている多くの生産者にとって、生産馬の販売とともに種付け料の捻出は最も頭を悩ますところで、ここの注目株はキングズベストであろうか。
 「ストリートセンスは私たちにはちょっと手が出せない種付け料だが、キングズベストならば手頃な価格だから何とか付けたい」と語る生産者も何人かいた。

アイルハヴアナザー

アイルハヴアナザー

ステイゴールド

ステイゴールド

 また、言うまでもなくフリオーソは長期間、南関東でトップの座に君臨し続けた名馬で、血統的には芝もこなせる産駒が出そうな期待もある。
種付け料50万円も大きな魅力だ。近年、ダートで頂点を極めたヴァーミリアンやカネヒキリなどが次々に種牡馬入りしているが、これらは芝の実績を持つ種牡馬から見れば種付け料は割安で、生産者としては手を出しやすく人気が高い。
 そして、ダートをこなせると、たとえ地方に転出しても潰しが利く点も見逃せない。
 
 翌19日も雪であった。午前10時からビッグレッドファームで展示会が行われた。
 今年のビッグレッドでは、アイルハヴアナザーが初供用となることから、あいにくの空模様にもかかわらず、多くの来場者で賑わった。

 ステイゴールド(800万円)は別格としても、アイルハヴアナザーが320万円(受胎条件)、コンデュイットが250万円(同)と、今の日高の景気を反映してビッグレッドファームもまた、種付け料は値下げ傾向にある。

 いつものように“総帥”がマイクを取ってセールストークを披露する場面もあった。コンデュイットは今年初年度産駒がデビュー予定で、どんな活躍を見せるかに注目が集まる。

 ビッグレッドは、展示会後に産駒がデビュー予定2歳馬の公開調教を実施するのが恒例で、今年はハイアーゲーム牝馬、マツリダゴッホ牡馬、コンデュイット牡牝各1頭の計4頭が、坂路コースにて古馬との併走で公開された。

 実際に過去の公開調教に供された馬の中から、コスモヴァレンチやマイネルハーティー、コスモプラチナなど5頭の重賞勝ち馬が出ているため、これは宣伝効果がありそうだ。

 それにしても、ステイゴールドは、何と遠いところに行ってしまったのだろう、と嘆息する生産者が少なくない。800万円は「とても付けられないレベル」と多くの生産者が語る。だが実績は申し分なく、19歳という年齢を考えればやむを得ないところか。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング