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フィリーズR、中山牝馬S、中日新聞杯の注目馬調教分析

  • 2013年03月05日(火) 18時00分
 最初に今朝、5日の栗東の天気と馬場状態からレポートします。時折冷たい風は吹くものの、日照時間が長く、暖かさも感じることができる調教時間でした。坂路馬場のウッドチップの状態ですが、表面はかなり乾いており、クッション性がありました。少し掘り起こすと、水分を含んだウッドチップでしたが、今日の天候を考えると、ハローを掛ける度にウッドチップ全体が乾いてきそうなので、明日6日の追い切り時には、ほぼ平常時の時計が出そうな気がします。

闘争心に溢れているサウンドリアーナ

闘争心に溢れているサウンドリアーナ

いかにも牝馬らしい馬体のメイショウマンボ

いかにも牝馬らしい馬体のメイショウマンボ

 さて、今週も平地重賞が3レース行われますが、最初に注目したいのが、フィリーズレビュー。先週のチューリップ賞では2歳女王、紅梅S1着馬の1、2番人気が掲示板も外す惨敗。これで桜花賞路線も混沌としてきた印象ですが、その桜花賞のトライアルレースであるフィリーズレビューに桜花賞でも注目すべきような馬はいるのでしょうか?

 個人的な見解ですが、現時点では桜花賞に繋がるような存在はいないと考えています。ただ、フィリーズレビューに関してはサウンドリアーナの強さが際立つレースになりそうな気がしています。

 1週前追い切りのCWコースでの動きもそうですが「やっぱりこの馬しかないのかな」と思ったのが、今朝の坂路馬場でのキャンター。馬の少ない時間帯ですが、あえて右前に目標を置くような形で、バードバーニングを見ながらの登坂。最後まで追い抜くようなことはせず、4F66.5秒でフィニッシュ。

 画像はゴール板を過ぎて数m先の地点での撮影ですが、手応えは抜群で、鞍上が少し手綱を緩めるとぐんと加速。この表情を見ていても闘争心に溢れていて、左に映るバードバーニングが萎縮しているようにさえ見えます。陣営も「この距離なら多少引っ掛かっても押し切れる」とコメントしているということは、桜花賞を考えた控える競馬ではなく、このレースで結果を出してくると推測できます。今の状態なら間違いなく逃げ馬を目標にして、直線は悠々と先頭に立つシーンがイメージできます。

 人気上位に支持されそうなメイショウマンボ、今朝の坂路キャンターでも走りにブレのない、いい走りを見せていましたが、いかにも牝馬らしい馬体をしています。阪神競馬場は阪神JFの一走しかないので、これを持って不得意コースだとは言い切れませんが、馬体の感じを見ていると、直線平坦コースが向いているような気がします。

 中山競馬場では中山牝馬Sが行われますが、ここで最も注目しているのは「今週末馬券圏内」に記していますので、栗東所属馬からという条件になると、愛知杯以来となるサンシャインでしょうか。

仕上がりとしては文句なしのサンシャイン

仕上がりとしては文句なしのサンシャイン

最終追い切りの時計がカギのアンコイルド

最終追い切りの時計がカギのアンコイルド

 もともと小倉大賞典を使いたかったということで、中間の調教量は豊富すぎるくらい。牝馬の場合、目標レースが延びると、調子のピークが過ぎてしまうこともありますが、サンシャインの場合は「更に良くなっている」と藤岡健一調教師。確かに今朝の坂路キャンターを見ていても、活気に満ち溢れており、仕上がりとしては文句ありません。

 最後は中日新聞杯。個性的なメンバーが揃った一戦だと感じているんですが、このローテーションならアンコイルド。中山記念では11着に敗れましたが、今回の中1週は4戦して[3-1-0-0]とパーフェクト連対です。

 前走は最終追い切りの時計が遅く、動きもひと息だったので、着順が悪かったことは納得できます。今回は得意のローテーションで動ける体になっているようであれば、重賞でも十分勝ち負けできると思います。今の馬場状態なら、4F54秒を切る時計で動くことができれば、上位争いをできる状態にあると見ています。

◆次走要注意
・3/2 阪神6R 3歳新馬【リミックスアルバム】(3人/12着)
 好発を切ったこともあり、自然と逃げる形に。決して不利な流れではなかったものの、初めての競走で逃げたということに戸惑ったのでしょう。追い切りを見ていても、こんなに負けるような馬ではなく、次走は差す立場に回って、レースを展開すれば、あっさりと勝ち上がるでしょう。

[メモ登録用コメント] 調教本数標準以上なら勝ち負け

・3/3 中山11R 弥生賞【キズナ】(3人/5着)
 本命にしていた身としては「脚をなくしてもいいから外に出して欲しかった」という一戦。終わってしまえば、すべてが結果論ではありますが、追い切り時から左側に馬がいると窮屈に走る印象があっただけに、ため息しか出ません。次走はどのレースを選択しても人気すると思いますが、今回の仕上げはかなりの状態だっただけに、追い切り内容や当日の馬体重などの注意は必要ですが、素質は現3歳牡馬ではトップだと確信しています。

[メモ登録用コメント] 中間の調教本数や当日の馬体重に注意

◆今週末馬券圏内
・3/10 中山11R 中山牝馬S【オメガハートランド
 好走凡走の鍵を握るのが、1週前追い切りの併せ馬の内容。ここで遅れると、必ず凡走します。もちろん3走前(14着)がこれに該当し、2走前(2着)は1週前追い切りで併せ先着でした。今回は1週前追い切りでオープン馬サイオンにきっちり先着。現時点では本命候補最有力。あとは最終追い切りが、フラワーC時と同じ、馬なりで単走なら文句ありません。

[メモ登録用コメント] 堀宣行厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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