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阪神大賞典、スプリングS、フラワーCの注目馬調教分析

  • 2013年03月12日(火) 18時00分

凍ったような今朝の坂路馬場

凍ったような今朝の坂路馬場

 今朝12日の栗東は-3℃。ご覧のように、坂路馬場も凍ったようになっており、ウッドチップを踏みしめるとミシミシという音がなる状態。適度な硬さと跳ね返りがあり、走るには良好な馬場状態だったのではないでしょうか。今後は水曜13日の夕方から雨が降るという天気予報ですから、明日13日の追い切りこそ、通常通りの時計が出る馬場状態になっていると推測できます。

 そんな坂路馬場で追い切る中で最も注目を集めるだろう馬が、阪神大賞典に出走予定のゴールドシップ。今朝の坂路馬場でのキャンターでは、軽い感じで駆け上がって、4F61.9〜1F14.3秒と最後の1Fは15秒を切る時計になりました。今回は神戸新聞杯以来になる休養明け。当時は追い切りでももたつくような動きをしていたので「大丈夫かな?」と心配になるような点もありましたが、今回はむしろ逆。1週前追い切りではジャスタウェイを煽る動きを見せています。

 須貝尚介調教師も「古馬になって、本物になってきましたね。今回の休み明けは神戸新聞杯の時よりもいいですよ」と笑顔。今朝もトレードマークになった「舌出し」は健在でしたし、リラックスしている中にも闘争心があるという感じ。調教の中身は決して、強いものが多いわけではありませんが、これで十分に力を発揮できると思います。


十分に力を発揮できる仕上がりのゴールドシップ

十分に力を発揮できる仕上がりのゴールドシップ

毛艶の良さが目立つデスペラード

毛艶の良さが目立つデスペラード

 なお、冒頭に「坂路で追い切る」と書いてしまいましたが、実は今朝、同師は最終追い切りをCWコースで行うことも検討していました。まだ思案中ということだったので、実際にはどちらで追い切られるかのか、わかりません。

 ただ、先週の段階で「いい馬体だなあ」と思ったのが、デスペラード。先週のトレセンニュースで取り上げた関係で、馬房に撮影させてもらいに行ったんですが、薄暗い馬房の中でも、その毛艶の良さは目立っていました。中間の追い切りはDPコースばかりですが、普段から坂路でのキャンターを欠かすことなく続けられているので、変則的な併用調教馬。直線に坂のある阪神競馬場でも全く問題ないでしょう。

 今週は阪神大賞典以外にも重賞が目白押し。すべて3歳重賞ですが、皐月賞、桜花賞、NHKマイルCにも繋がるだろうレースですので、見逃すことはできません。まずはスプリングSのアクションスターです。

 前走後は使うレースを熟考した音無秀孝調教師でしたが、ひとまず、ノーザンFしがらきへ放牧へ出して、前走の疲労を回復させることに専念。その後は栗東へ入厩する前に、しがらきの坂路で時計を出すという、疲れをとりつつ、仕上げのエンジンも掛けておいたという感じでの帰厩でした。


日増しに良化しているアクションスター

日増しに良化しているアクションスター

前走時と調教量が全く違うカラフルブラッサム

前走時と調教量が全く違うカラフルブラッサム

 だからこそ、戻って早々に時計を出せていますし、1週前追い切りのクランモンタナとの併せ馬でもしっかり動けたんだと思います。今朝の坂路を駆け上がる姿を見ていても、日増しに良化している印象もあります。最終追い切りは前走時とは違う、坂路ということになりますが、その点に関しては全く心配ないと思います。

 フラワーCはカラフルブラッサム。阪神JF時は◎を打った思い入れもある馬ですが、前走時は人気でも負けるだろうと思っていました。その理由は調教量。けっこうタフな中京芝2000mは調教本数が標準以下だと能力を出し切れないことが多く、少し間隔の空いていたカラフルブラッサムには調教的に適性の低いレースでした。

 この中間はノーザンFしがらきへ放牧に出されていますが、帰厩してからの調教量は前走時と全く違います。これなら能力を出せる可能性は大。個人的には再度、桜花賞の舞台に立って、その能力を見てみたいという気持ちがあるだけに、ここは最低でも賞金加算のレースを期待したいと思います。
◆次走要注意
・3/9 中山11R アネモネS【ナムラビジン】(6人/12着)
 今回のレースで分かったことが2つ。ダート馬だということ、そして距離が長いということ。好枠に恵まれ、位置取りも悪くないところでレースを進めながら、あれだけ大敗するということは、この2つが原因。ダート短距離に戻れば、すぐに勝てるだけのスピードを兼ね備えた馬。自己条件なら確勝でしょう。

[メモ登録用コメント] ダート1200mから1400mの自己条件なら勝ち負け

・3/10 中京11R トリトンS【バルスピュール】(14人/17着)
 メンバー最速の上がり33.8秒を使いながら、1頭しか負かすことができないのは、コーナーのある競馬では限界があるということ。美浦坂路での追い切りから決してこのクラスで終わるような馬ではないと思うので、直線競馬に戻れば、再び能力を発揮してくれると思います。

[メモ登録用コメント] 新潟直線1000mなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・3/16 中山11R フラワーC【エバーブロッサム
 2013年の春開催中山芝1800mにおける堀宣行厩舎の成績は[0-0-0-3]。まさか先週のオメガハートランドまで馬券圏外になるとは思っていませんでした。ここまで来ると、該当馬が出走していれば、確実に買い続けなければいけませんが、エバーブロッサムは中間の調教本数も足りており、併用調教というのも申し分ありません。

[メモ登録用コメント] 堀宣行厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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