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ディープインパクト産駒の良さを発揮できるか!?

  • 2013年03月15日(金) 12時00分
 重賞未勝利が続いていたディープインパクトの3歳世代目だが、ついにカミノタサハラが弥生賞を勝利して、連敗記録に終止符を打った。

 もう1頭のキズナも5着ながら、着差はカミノタサハラからクビ、ハナ、クビ、ハナ。最後の伸びはこの馬が最も印象的だった。武豊騎手がレース後のインタビューで、「4コーナーで進路を間違えた」と反省していたように、乗り方しだいでは勝っていたように思う。

 一方、人気のエピファネイア、コディーノはともにプラス8キロの余裕のあるつくり。レース運びも、本番を意識した試走といった感じだった。おそらく皐月賞では変わってくるだろう。

 ただ、たとえ8分の仕上げでも、本当に強い馬なら勝っていなければならない。皐月賞でディープインパクト産駒が付け入る余地はあるように思う。ここ一番の底力も、シンボリクリスエス、キングカメハメハよりディープインパクトのほうが上だ。

 今週のスプリングSにも、ディープインパクト産駒が3頭(アドマイヤオウジャ、ヘルデンテノール、マイネルストラーノ)登録してきた。

 ヘルデンテノールはサンカルロ(阪神C2回、高松宮記念2着2回)の半弟だ。ディープインパクト産駒らしく血統背景は申し分ない。母の父クラフティプロスペクターが短距離血統で、サンカルロはその資質が強く出たが、ヘルデンテノールはけっこう距離の融通性がある。ディープインパクトの良さを受け継いでいるのだろう。

 中山コースに実績がない点、折り合いに不安が残る点、出遅れ癖がある点…等々、不安要素は多く、凡走も考えられる。しかし、3着以内に入らないと皐月賞出走は絶望的となる。ここ一番に強いディープインパクト産駒らしさを見せてほしい。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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