重賞未勝利が続いていたディープインパクトの3歳世代目だが、ついにカミノタサハラが弥生賞を勝利して、連敗記録に終止符を打った。
もう1頭のキズナも5着ながら、着差はカミノタサハラからクビ、ハナ、クビ、ハナ。最後の伸びはこの馬が最も印象的だった。武豊騎手がレース後のインタビューで、「4コーナーで進路を間違えた」と反省していたように、乗り方しだいでは勝っていたように思う。
一方、人気のエピファネイア、コディーノはともにプラス8キロの余裕のあるつくり。レース運びも、本番を意識した試走といった感じだった。おそらく皐月賞では変わってくるだろう。
ただ、たとえ8分の仕上げでも、本当に強い馬なら勝っていなければならない。皐月賞でディープインパクト産駒が付け入る余地はあるように思う。ここ一番の底力も、シンボリクリスエス、キングカメハメハよりディープインパクトのほうが上だ。
今週のスプリングSにも、ディープインパクト産駒が3頭(アドマイヤオウジャ、ヘルデンテノール、マイネルストラーノ)登録してきた。
ヘルデンテノールはサンカルロ(阪神C2回、高松宮記念2着2回)の半弟だ。ディープインパクト産駒らしく血統背景は申し分ない。母の父クラフティプロスペクターが短距離血統で、サンカルロはその資質が強く出たが、ヘルデンテノールはけっこう距離の融通性がある。ディープインパクトの良さを受け継いでいるのだろう。
中山コースに実績がない点、折り合いに不安が残る点、出遅れ癖がある点…等々、不安要素は多く、凡走も考えられる。しかし、3着以内に入らないと皐月賞出走は絶望的となる。ここ一番に強いディープインパクト産駒らしさを見せてほしい。