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ロードカナロアの仕上がりなど高松宮記念調教レポート

  • 2013年03月19日(火) 18時00分
 今週は高松宮記念。ここでは、今朝19日までの調整過程を踏まえた上での各馬のレポートをお届けしたいと思います。

絶好の動きを見せたロードカナロア

絶好の動きを見せたロードカナロア

 まずはロードカナロア。前哨戦となる阪急杯を快勝。安田隆行調教師が「中京競馬場は先行して押し切れるほど簡単な馬場ではないので、タフな競馬に対応できる『ためて差す』競馬で結果を出したいですね」と阪急杯の戦前にコメントしていましたが、その通りの結果になりました。

 レース後にロードカナロアを担当する岩本龍治調教助手に様子を聞いても「レースが終わって、検量前に帰ってきた時には、もう息が入っていましたもんね。ほんとすごい馬ですよ。次はもっと良くなってくるでしょうね」と、反動どころか、もっと上昇する手応えを感じていました。

 そのコメントを裏付けるような絶好の動きを見せたのが、1週前追い切りの坂路での4F53.5秒。あれだけ軽い走りで、こんなに速い時計が出るんだと感心させられました。今朝も自分のリズムで登坂して、最後の1Fは止まりそうな感じ。最近の普通キャンターはこの形が多いんですが、力を入れる場所、抜く場所を分かっているような気がするだけに、更に進化したロードカナロアの姿が見られるような気がします。

状態の良さを感じるダッシャーゴーゴー

状態の良さを感じるダッシャーゴーゴー

 オーシャンSで2着に敗れたダッシャーゴーゴーでしたが、こちらも着順以上に、高松宮記念に繋がるレースをして欲しいというのが、安田隆行調教師のコメントでしたから、近走の先行競馬ではなく、中団から差す競馬に徹したことは今回の中京芝1200mに繋がっていくはずです。

 15日に1週前追い切りを行っており、日曜日、17日には時計を出さず。これは仕上がり状態が良いからこそでしょう。15日の追い切り時計も非常も速かったですし、今朝の坂路を2本駆け上がった姿も落ち着き十分で、状態の良さを感じます。ロードカナロアに先着するというのは厳しいかも知れませんが、自分の競馬をできれば、馬券圏内に入れなかった昨年以上には走れるのではないでしょうか。

 正直、ロードカナロア以外に本命を打てる馬がいないと思っていましたが、今朝の雰囲気で「ちょっと本命にも考えてみたいな」と思ったのが、ツルマルレオン。坂路馬場をキャンターする前に運動で輪乗りしていましたが、その時の馬体が目立っているんですよね。肢は短くて、胴の詰まった、いかにもスプリンターという体型。パワー勝負なら負けませんよって言わんばかりの馬体です。

昨年とは違い力強い走りを見せるツルマルレオン

昨年とは違い力強い走りを見せるツルマルレオン

 昨年の高松宮記念は13着でしたが「あの時とは違う」と橋口弘次郎調教師。確かに当時、取材した時のメモを読み返してみると、手応えのないコメントでした。それが今年は違いますし、馬の雰囲気も抜群。今朝の登坂も力強い走りで文句ありません。後方から色気を持たずに直線勝負に託してくれれば、必ずゴール前で弾けてくれるでしょう。

 最後に先週15日に放馬したシルクフォーチュン。Dコース芝馬場で芝の走りの感触を確かめるつもりだったんでしょうが、それに過敏に反応したことでアクシデントは起こりました。1F13秒を切るようなペースで、芝馬場を快走。 それを大方2周行きましたから、距離にして、3800mは走っていると思います。

 止まってからは、サウナから出てきたような湯気。かなりの疲労があったことは間違いなく、万全の状態でも結果が出るとは限らないG1レースですから、大きな減点材料であることは間違いありません。また芝コースでの走りですが、決して適性が高いフットワークには見えませんでした。

◆次走要注意
・3/16 中京3R 3歳未勝利【カシマトウヨウ】(10人/6着)
 美浦坂路での自己ベスト時計を更新した今回。新馬戦を叩いて、良化している気配は十分でしたが、今回は最内枠ということで、直線までじっとした競馬。追われてから、しっかり伸びて、メンバー最速の上がりタイムをマーク。次走は更に上向いていることでしょう。

[メモ登録用コメント] 左回りダート1200mから1400mなら馬券圏内

・3/17 中山6R 3歳500万下【マンセイグレネード】(13人/5着)
 中山芝1600mに最適な標準多め併用での出走だったので、メンバー最速の上がりタイムをマークしての5着も納得ですが、単勝オッズは442.1倍でした。調教量豊富な高市圭二厩舎ですから、今後もこの調整を進めてくれれば、馬場が荒れてきた頃に差し届く場面があると思います。

[メモ登録用コメント] 標準多め併用なら距離不問で馬券圏内

◆今週末馬券圏内
・3/24 阪神11R 六甲S【レッドデイヴィス
 春開催の阪神芝1600mは音無秀孝厩舎の鉄板スポット。今開催は2頭の該当馬が出走して、馬券に絡んでいません。つまり過去の良績を考えると、そろそろ馬券に絡む、そういう確率になっています。2頭出しでも人気のない、こちらを選んだ理由は調教本数。久しぶりでも本数をこなしているのはデイヴィス。あとは最終追い切りの内容次第です。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが単走もしくは併せ先着なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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