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ファンからの真面目な質問やプライベートについてまで太が答えます

  • 2013年03月19日(火) 18時00分
 今週は、毎月恒例のユーザーからの質問特集です。「外国人ジョッキーは、日本人ジョッキーより馬の気持ちがわかる?」「一流ジョッキーとそれ以外のジョッキーの違いはなに?」といった競馬にまつわる質問から、小牧騎手の私物調査や“太メモ”の行方まで、ユーザーのあくなき好奇心に、今月もとことん答えます!

■僕はやっぱり、閃きで乗ったほうがいいのかも

──今回は、ユーザーからの質問特集です。相変わらず、競馬にまつわる真面目な質問からプライベートについてまで、バラエティーに富んだ質問が寄せられています。まずは、「外国人ジョッキーは、日本人ジョッキーより馬の気持ちがよくわかるという人がいます。成績がいいことも含め、子供のころから馬と友達のように接しているからでしょうか?」というものです。

小牧 それもあるだろうね。でも、それ以前に、日本にくるのは世界のトップジョッキーなわけだから、うまいのが当たり前。ましてや、いい馬に乗ってるでしょう。やっぱり騎手は、いい馬に乗ることが大事で、逆にいえば、なんぼ上手でも馬に能力がなければ勝てない。だから、日本にくる外国人ジョッキーの成績がいいのは、ある意味当たり前だと僕は思っているけどね。

──たしかに、ひと言に外国人騎手といっても、全員が全員、勝ちまくっているわけではないですものね。馬との付き合いでいえば、小牧さんも15歳から30年になりますね。

小牧 そうやね15歳のときに初めて馬に触れたんやけど、僕の場合は怖いばっかりで、とてもじゃないけど友達のように接するなんてできなかった。優しい目をしていておとなしい動物だと思ってる人も多いんやろうけど、実際は蹴るわ、噛むわ、乗ればロデオはするわ(笑)。まぁ、厩でジーッとしているときなんかは、可愛いなと思うけどね。なかに噛みついてくる馬もおるけど(笑)。

──友達のように…とまではいかなくとも、ふと顔を見に行きたくなるくらい、愛着が湧いた馬はいますか?

ツルマルレオンが可愛い顔してるんですわ

ツルマルレオンが可愛い顔してるんですわ

小牧 地方のころはいたね。それこそ、しょっちゅう顔を見に行ったり、触ったりしてた。今、可愛いなぁと思うのは、前に引き取りたいって話したツルマルレオンやね。可愛い顔してるんですわ。でも、こっちにきてからは、単純に馬と接する時間が減ったね。

──続いては、小牧さんの私物についての質問です。「お財布やカギなど身の回りの物以外に、必ずバッグに入っている小牧さんならではの物はありますか?」

小牧 僕ならでは?

──はい。ちなみに、いつもどんなバッグを持ち歩いてらっしゃるんですか?

小牧 僕はいつも決まって、ルイ・ヴィトンの黒いリュックです。この前までは、iPadがずっと入ってたな。最初のうちは、音楽を聴いたり、映画を観たりしてたんやけど、いつの間にかまったく触らんようになって(笑)。いいかげん重たいから、もう家に置いてあるわ。あとは、髭剃り、歯ブラシセット…、それとクリームは必ず持ってるわ。

──クリームというと?

小牧 いわゆるハンドクリームみたいなものだけど、手だけじゃなくて顔にも使ってんねん。競馬に乗ってると、ホンマに顔がカサカサになるから。あ、美容に気を遣っているわけじゃないよ(笑)。これは僕ならではというより、ジョッキーはみんな持ってると思う。

──そうなんですね。こだわりのクリームがあったり?

小牧 いや、全然。どこのドラッグストアでも売っているような安いクリームだよ。でも最近は、アロエ入りのクリームがお気に入りやねん(笑)。

──続いては、ちょっと硬派な質問で、「一流ジョッキーとそれ以外のジョッキーを比べたとき、技術面での一番の違いはなんだと思いますか?」というものです。

小牧 なんやろ…。僕は技術面ではなく、メンタル面での違いだと思うけどね。それはどのスポーツでも。

──では、一流の方のメンタル面で、共通するものはなんだと思いますか?

小牧 あまり力まないっていうことじゃないかな。大きなレースでどんなに人気している馬に乗っても、普段通りの騎乗ができることが一流の証だと思う。実は、それが一番難しくて、一番大事なことだと思うよ。ゴルフもそうでしょう。プロは当然、みんな一定の技術がありますやん。それでも、成績に差が出るのは、メンタル面が影響しているんだと思う。だからいつも、競馬とゴルフは共通点があるなぁと思いながら、コースを回ってるんですけどね。

──なるほど。たしかに、言葉にすると簡単なようですけど、それが一番難しいことかもしれませんね。

キャリアだったり、経験を積まないと…

キャリアだったり、経験を積まないと…

小牧 そうやねん。なかには最初から度胸のある子もいるやろうけど、やっぱりキャリアだったり、経験を積まないとなかなかね。

──最後は、これはわたしもお聞きしたかったことなんですけど、「先月お話しされていた“太メモ”は、予定通り始められたのでしょうか?」という質問です。

小牧 ああ、始めたよ。始めたんやけど…、1週分しか書いてない(笑)。まずね、ノートを買うまでに長いこと時間がかかったんですわ(笑)。コンビニに行くたびに買おう、買おうと思ってたんやけど、どうにも忘れてしまって。で、ようやく買って、先々週だったかな、土曜日は調整ルームに戻ってから書いて、日曜日はレースとレースの合間に書いて。これは絶対にいいわ、次につながるわ、と思いながら。今もノートとペンは必ず鞄に入っていて、温泉に行くときも持って行ったりしてんのやけど、忘れてんねん。アカンわ。

──結局、2日書いてストップしてしまったんですね…。

小牧 三日坊主以前の問題やね(笑)。僕はやっぱり、閃きで乗ったほうがいいのかもしれんね。

【次回の太論は?】
「変わってきた」との言葉通り、叩き2戦目できっちり結果を出したナイスミーチュー(3月3日・阪神10R・仁川S)、いっぽう、またもや2着に終わったツルマルスピリット(3月9日・阪神12・1000万)などなど、2月後半から3月中旬のレース回顧から、小牧騎手の“今”に迫ります。
質問募集
太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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