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オルフェーヴルの仕上がりなど大阪杯調教レポート

  • 2013年03月26日(火) 18時00分
 まずは先週。高松宮記念はロードカナロアが快勝。単勝1.3倍の断然人気に応えてくれる、強いレース内容を見せてくれました。先週は土日とも、中山競馬場でレーシングセミナー(REXS)の講師を務めていましたが、こういった強い馬が強い競馬を見せてくれると、競馬を始めたばかり方々にも非常に印象が残るようです。

強いレースを見せてくれたキズナ

強いレースを見せてくれたキズナ

  同じく単勝1倍台で強いレースを見せてくれたのが、毎日杯のキズナ。弥生賞では◎を打ちながら、悔しい思いをしましたが、やっと、この馬の真の強さを見せてくれたという気がします。

 弥生賞から中2週だったということで、疲れを気にした方もいるでしょうが、今朝26日は坂路を4F70.5秒のキャンターで元気に駆け上がっています。調教後の様子も普段となんら変わらず。牡馬ですし、このくらいでへこたれてくれては困ります。個人的には、もっともっと高いパフォーマンスができる馬だと思っていますし、この馬をこれからも毎日身近に見ることができると思うだけで幸せです。

気が乗りすぎている状態のオルフェーヴル

気が乗りすぎている状態のオルフェーヴル

 さて、今週は大阪杯。オルフェーヴルの登場です。この中間も順調に調教を消化していますが、少し調教を詳しく見ている方なら、今朝の調教で「あれっ?」と思われることがあったかも知れません。

 それは坂路の時計。坂路時計の調教データが残っていないからです。データだけ見ると「今朝は坂路で調教していない」ということになります。これまで毎週火曜日はきっちり、坂路で1本の調教をこなしていただけに、それがないのはどういうことだ、となりかねないでしょう。ここまで調教を見ている方がいれば、すごいなって思いますが、今朝のオルフェーヴルはいつも通り、登坂しています。きっと計測用のICチップの装着を忘れたのでしょう。今朝は同じように、坂路を駆け上がったけど時計が出なかった馬がおり、桜花賞に登録しているサンブルエミューズがそれにあたります。

 そのオルフェーヴルですが、今朝は首を左右にさせながら駆け上がってくるシーンがあり、調教後の輪乗り運動でも歩く速度が速く、キビキビしすぎているくらい。もう少しゆったり歩いてくれてもいいのになあというくらいでしたから、今の気が乗りすぎている状態はどうなんでしょうか?

ノーザンFしがらきから帰厩したヴィルシーナ

ノーザンFしがらきから帰厩したヴィルシーナ

 3月7日にノーザンFしがらきから帰厩したのがヴィルシーナ。古馬牡馬との初対戦ということになりますが、ジェンティルドンナとの秋華賞での着差、そしてジェンティルドンナがジャパンCを制したということを考えれば「牡馬」ということに対しての心配はないように思います。今朝の雰囲気も決して久しぶりという印象はありませんでした。

 ただ個人的には、この中間の速い時計の追い切りが絶対的に不足しているように思えます。1週前追い切りの内容こそ、十分な動きだったと思いますが、それまでの坂路での追い切りは15-15程度。先行できる脚質は今回のメンバーで圧倒的なアドバンテージになると思っていますが、最後の直線で今までのような渋太い脚が使えるかは疑問に思っています。

調教タイプは文句なしのエイシンフラッシュ

調教タイプは文句なしのエイシンフラッシュ

 最後はエイシンフラッシュ。この馬の調教タイプ、併用は過去の大阪杯に最適。この馬自身も2011年に3着していますから、調教タイプに関しては文句ありません。なにより、1週前追い切りの動きが抜群。クリスチャン.デムーロ騎手が指示を出さなくても、自分から前にいる併せた相手を捕まえに行く走りを見せ、だからといって、折り合いを欠いているわけではないという感じ。

 今朝も重心の低いフットワークで駆け上がってきており、6歳でも充実一途、そんな印象を受けます。あとは最終追い切りでどの程度の動きを見せてくれるのか、エイシンフラッシュを含め、今週の大阪杯は非常に楽しみなレースになりそうです。

◆次走要注意

・3/23 中山9R ミモザ賞【ブルーボンボヤージ】(11人/11着)

 芝実績がなかっただけに、人気、着順とも仕方ない結果でしょう。ただ、パドックでこの馬を見た時の印象は非常に良く「ダートなら」という気配でした。ダートでも大敗が続いていただけに、次走は人気がないはず。ダートで負けている時は調教本数が標準以下だったという共通点がありますから、そこさえ問題なければ、十分勝ち負けできると思います。

[メモ登録用コメント] 500万下のダート中距離で調教本数標準以上なら馬券圏内

・3/24 中京4R 3歳未勝利【バジンガ】(1人/3着)

 勝ち馬との差は僅か。向正面で動いた相手に対して、こちらは直線に向くまで我慢したということが、最後のクビ、ハナに出たのでしょう。しかしこの我慢は次走に活きるはず。8着時が行きすぎるレースでの敗戦でしたから、これが今後のバジンガの成長曲線に大きな影響を与えるとまで見ています。

[メモ登録用コメント] 次走芝中距離なら確勝

◆今週末馬券圏内

・3/31 中山10R 伏竜S【アップトゥデイト

 前走ヒヤシンスSは放牧明けでも調教量は足りていました。しかし、気持ちが乗り切っていなかったようで惨敗。今回は在厩したままの仕上げとなり、気持ちの面は完全に復調しています。それが表れた、1週前のCW追い切り。併せた相手がキズナだったにも関わらず、抜かせる気配が全くない絶好の動きでした。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りで一杯追いなら馬券圏内

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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