どうやら桜花賞はクロフネサプライズが1番人気になりそうだ。確かに過去10年、チューリップ賞をステップに桜花賞馬に輝いた牝馬が、昨年のジェンティルドンナを含めて5頭もいる。桜花賞に直結する阪神JFでも、勝ち馬にクビ差の2着だった。
今年のクラシック戦線は勝ち馬がめまぐるしく変わっている。混戦模様だけに、クロフネサプライズだけが抜けた存在とは言えないが、血統的にも合格点をつけられるものだ。父のクロフネは野武士の異名をとった競走時代の男っぽいイメージとは違い、牝馬に活躍馬が多い。
これまでに出したJRA重賞勝ち馬と、交流重賞の勝ち馬12頭のうち、代表産駒のカレンチャン(高松宮記念)、ホエールキャプチャ(ヴィクトリアマイル、桜花賞2着)、スリープレスナイト(スプリンターズS)を含め10頭までが牝馬だ。
父クロフネ×母の父トニービンの配合が、カレンチャンと同じである点も心強い。週間天気予報は土、日とも雨。馬場の悪化が予想されるが、クロフネは本質的にパワータイプで、産駒は芝でやや決め手を欠くだけに、むしろそのほうが都合がいいだろう。
道悪で最も注意を要するのが、ステイゴールド産駒だ。オルフェーヴルのダービー、ゴールドシップの皐月賞、バウンシーチューンのフローラS…。ステイゴールド産駒は道悪がめっぽう巧い。雨ならウインプリメーラも注意が必要となってくる。
問題はここ2戦、1番人気を裏切っているコレクターアイテムだ。しかし血統から早熟の文字は浮かんでこない。巻き返しは可能とみる。道悪は未知数ながら、父のハーツクライは欧州遠征の重たい馬場、ドバイの馬場でで実績を上げた馬だ。事実、産駒も全体に渋った馬場は巧い。
桜花賞、オークスに強いディープインパクト牝馬も、無視はできない。馬場の悪化は、血統的にそれほどマイナス材料にはならないだろう。今年の3歳は全体に小粒だが、レッドオーヴァル、アユサンが馬券に絡んでも何ら不思議はない。