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桜花賞も皐月賞もワンツー?

  • 2013年04月12日(金) 12時00分
 混戦模様の桜花賞だったが、終わってみれば昨年と同じくディープインパクト産駒のワンツーだった。しかも、デムーロ兄弟のワンツー。日本のジョッキーはいったい何をしているのかと、グチの一つも言いたくなる。

 しかし、どんなに腕のいいジョッキーでも、桜花賞で素質のない馬に乗って勝ち負けしたりはせぬ。ディープインパクト産駒の大一番の底力を、まざまざと見せつけられた感じだ。それを巧みに引き出したデムーロ兄弟には脱帽するしかない。

 今週の皐月賞もディープインパクト産駒には注意を要する。ただ中山はトリッキーなコース。血統的に向いているとは言えない。昨年も絶対視されていたワールドエースが取りこぼした。

 ここはひねってコディーノから買うことにする。血の勢いでは、父のキングカメハメハも負けてはいない。まだ牡馬のクラシック馬を出していないが、そろそろだろう。

 母系も一級品だ。名牝シンコウラブリイ(GIのマイルCSを含め重賞6勝)に始まった母系の快進撃は、20年近く経った今も衰えることを知らない。母のハッピーパスはシンコウラブリイの半妹で、自身も京都牝馬Sの勝ち馬。父がサンデーで繁殖牝馬としても期待されていたが、確かに3番仔から早くもコディーノを出してきた。

 父キングカメハメハ×母の父サンデーも、勝利の方程式。この配合でローズキングダム(ジャパンC)が誕生している。同じキングカメハメハ産駒のレッドルーラーも、母は英オークス2着馬。スタミナとパワーに優れた母系だ。ダービー向きかもしれないが、血統背景は魅力がある。

 桜花賞のワンツーで、みんなの目がディープインパクトに向いているところに、皐月賞はどっこいキングカメハメハのワンツー。まあ、そんなに甘くはないか…。むろんディープインパクト産駒と、外人ジョッキーが乗る馬には皐月賞も要注意だ。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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